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病院検査室紹介Quality Leaders Digest


第三者評価で病院、検査室の価値示す

「品質の追求」を、第三者機関による評価で院内外に示し、病院や検査室の価値向上につなげている施設がある。
北海道旭川市の吉田病院では、ISO9001やISO15189をはじめ、数多くの第三者評価を取得し、患者満足度の向上や職員の意識向上といった効果を生んでいる。
同院臨床検査課の北川昌美課長は、検査品質の追求を通じ「部分的には医師よりも豊富な知識を持ち、さまざまなアドバイスを行うことで、医師から頼られる検査室になることが重要だ」と強調。医師の信頼獲得を通じて、患者満足度の向上に寄与することの重要性を指摘した。


北川氏(左)と臨床検査課の職員

吉田病院は、病床数263床のいわゆる中規模病院。臨床検査課にはパート5人を含めた臨床検査技師12人が働いており、治験コーディネーターを担当する検査技師1人も置いている。同院のグループでは健診事業にも傾注しており、年間検体検査数は健診事業だけで13万件、院内の検体検査を加えると15万〜16万件にも上る。
また病院の方針として、第三者評価による質の担保に力を注いでおり、ISO9001、ISO14001、ISO15189、病院機能評価、人間ドック・健診施設機能評価など、数多くの第三者評価を取得。ISO15189は2006年8月、道内で2番目に認定取得した。
一連の第三者認定取得の意義について、北川氏は「患者満足度は向上している」とし、特に数年来、外来総患者数の増加が顕著だと説明した。とりわけ、ISO15189の認定取得については「検体の取り扱い1つにも、細心の注意を払うようになった。検査技師の意識は以前にも増して高まった」と話した。背景にはバランスト・スコアカードの活用や個人の努力もあったという。また「技術者として、品質に対して力を入れていることを誇りとしながら、検査データの精度を向上させていくことが重要だ」と述べた。昨年は共有基準範囲の設定に関する国際研究プロジェクトに参加するなど、臨床へ報告する検査データの価値向上に対しても意識的だ。


e-ラーニングツールで課題解決

ただ、第三者評価を取得するのは、膨大な文書作成や職員の教育など、病床規模の大小に限らず大変な作業になる。とりわけ職員教育について、北川氏は「少数人員体制のため、手を止めて説明する機会はつくりにくい」と説明。今もOJT(On the Job Training)形式で、現場で教育していくケースがほとんどだという。
そうした課題を解決するため、同院ではISO15189の認定取得に向け、ベックマン・コールターのe-ラーニング・プログラム「Be-gle」を活用したと説明。ゼロからスタートするには非常に助かるツールだとの認識を示した。

ISO15189「やるべきことをやる規格」


操作性と経済的ポイントで選定

検査品質を追求する上では、分析機器の選定も欠かせない。北川氏は、現在ベックマン・コールターの「AU2700」「AU680」「LH750」などを導入していると紹介。生化学機器に関しては「細かな部分まで見ると、最も使いやすく経済的だ」と機器選定のポイントを説明した。また、旧オリンパス分析機部門との統合に触れ、「データの正確性や品質面を重視する国内メーカーと、メンテナンス方法や使い勝手を重視した海外メーカーがうまく融合し、さらに“ユーザーライク”になることを期待している」と述べた。特にこれまでのフェース・トゥ・フェースのサービスサポートへの満足度が高く、同社の今後に期待を寄せている。
北川氏は「品質の追求により、最終的には患者満足度の向上を目指すわけだが、そのためには臨床医に信頼される検査室になることが重要だ」と指摘。検査室の全員が、ISO15189認定取得の意義を理解する必要があるとの認識を示した。一方で「この規格は『やるべきことをきちんとしましょう』というものだ」と述べ、「普段からやるべきことをやっていれば、それがISO15189につながる」と語った。同院臨床検査課は、日々の努力と高い意識の共有によって品質を守り、高め続けている。

(The Medical & Test Journal 2010年5月11日 第1119号掲載)

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