HOME > 臨床検査分野 > Quality Leaders Digest > Vol.25:神奈川県・横浜南共済病院 決め手はフレキシブルな「コネクティビティ」

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Vol.24:東京都・杏林大学医学部付属病院
世界初「UniCel DxH 1601」をルーチン化
血液検査の迅速化、省力化はかる

 創立から70年を超え、横浜南部から横須賀・三浦の急性期医療を支える国家公務員共済組合連合会・横浜南共済病院(横浜市、655床)。同院の血液検査室では今年5月からベックマン・コールター社の「UniCel DxH 1601」と「UniCel DxH 800」の2台が稼働している。神奈川県内では初の設置だ。血液検査主任の原英雄氏は選定の決め手としてコンパクトで多彩な組み合わせから選定できる「コネクティビティ」を挙げる。また来年には新棟への移転を控えており、機器構成の可変性に対する期待感も口にする。

原氏 横浜南共済病院は30の診療科を有する。創立以来「地域社会に貢献する病院として、患者中心の質の高い医療提供に努める」を理念に医療提供を続けている。2次救急はもとより、2012年には神奈川県DMAT指定病院、神奈川県がん診療連携指定病院、地域医療支援病院のそれぞれ承認を受け、横浜南部の医療圏を支える医療機関として存在感を増している。
12年度の実績で1日入院患者数484.9人、1日外来患者数1475.3人。原氏も、「救急患者の搬送も年々増 えている」と2次救急として求められる病院と検査室の機能について考えさせられている様子だ。日々の診療を支える臨床検査科は総勢36人。うち3人が血液検査室で1日600件を超える検査を担当している。
同検査室では今年5月、血液分析装置の更新時期を迎えた。更新に当たって複数の装置を検討し、選定したのはベックマン・コールター社が14年4月に発売した、血球計数装置と血液塗抹標本作製装置が接続されたコネクティビティ・コンセプト「UniCel DxH シリーズ」のUniCel DxH 1601とUniCel DxH 800の機器構成だ。


フレキシブルな「コネクティビティ」

コネクティビティ 現在は検査依頼が血算のみの場合はDxH 800で、血算と血液像の場合にはDxH 1601でそれぞれ対応している。DxH 1601の導入によって、装置の設置面積が大幅に小さくなり、手狭な検査室内での動線が広く取れるようになった。5検体用カセットで小回りが利くとも評価する。
原氏はDxH 1601の選定理由について「コンパクトな機器が複数台連結できるコネクティビティになったことがやはり大きい」と振り返る。同院では、TATを維持できるよう、毎時最大200検体(CBC/Diff)の処理能力を持つDxH 1601を選択。「接続しているので、処理速度は十分」と、空いているユニットや処理効率を判断して、カセットが左右へ自在に移動するDxH 1601を評価する。塗沫標本の染色時間は、導入後に調整し検査室のニーズに合わせた。

 導入して3カ月余り。ワークフローの変化について原氏は「自動再検によって、確認の手間が少なくなった」とする。これまでシステムに問い合わせ、データの確認を技師が行った上で再検を行っていた が、自動再検設定によってシステムでの確認を省略することができた。
鈴木氏 現在は以前から続く運用を維持するため、幾通りものデシジョンルールを組み込んでいるが、原氏は「かなりの数のデシジョンルールを組んでいるので、見直しながら最適化していきたい」として、新たな検査室の中で最適な運用方法を探していく。血液検査担当の鈴木圭子氏も「新棟移転のタイミングなど、どこかで最適な運用をつくり上げたい」と、診療科ごとのルール設定など柔軟な運用を支えるDxHシリーズのデシジョンルールを使った運用の再構築に期待を寄せる。データに対しても不安はな く、以前よりも正確にフラグが立っているように感じているという。
必要な試薬の種類が少なくなり、加えてサイズも小さくなった。血液検査室のスタッフは原氏以外は女性技師だ。検査室内に試薬置き場がなく、試薬交換のたびに試薬庫から試薬を移動させる必要があったことに加え、試薬のサイズが大きく女性技師には負担になっていた。DxHシリーズでは測定のために必要な試薬やコンプレッサなどは全てフロアスタンドに格納され、試薬も全5種類と非常にシンプルな構成となっている。原氏は「試薬の種類も少なく管理の手間が省ける」とした上で、装置を複数台連結するにあたっても単純に台数分の設置面積で済むことから、置き場所を選ばず非常にコンパクトな装置だと評価する。奥行きは80cm足らずで、新棟移転にあたっても明るい材料だ。
近年、患者数が増加するとともに、リウマチ内科からの検査依頼が鏡検を含めて増加しているという。鈴木氏は「リウマチ内科、血液内科からの検体には特に気を配っている」とする。今後、DxHシリーズのデシジョンルールを最大限生かして、診療科ごとにルールを作り上げるなど最適な運用を構築したいと意気込む


新棟移転で可変性生かす

 同院では中央採血室と臨床検査科が別の棟にあることから、検体搬送のため臨床検査技師などのスタッフが10分ごとに中央採血室と臨床検査科を往復している現状がある。また臨床検査科内も検査部門ごとに別の部屋に分かれている。
現在、同院は老朽化した施設の新増築を進めている。全体の完成は16年5月を予定しているが、すでに救急センターなどは新棟での運用が始まっている。臨床検査科も来年2月にも新棟へ移転する予定だ。
新棟では中央採血室や生理検査室は1階に、血液検査室などの検体検査は3階に配置される予定だ。中央採血室の真上に検体検査を配置して、エアシューターを使って検体搬送することで、スタッフの負担は軽くなる。
「検体検査はワンフロア化します」と原氏。検体検査を集約し効率化させることで、増える検査ニーズに対応していく。
新棟移転後もDxH 1601とDxH 800は現在と同様、それぞれで運用する予定だ。しかし、必要に応じて機器構成を変えられるUniCel DxH シリーズの可変性を生かし、原氏は「コネクティビティだからこそだが、当初は別々に運用してみて、必要があればDxH 1601とDxH 800を接続する可能性もある。今は動かしていないが、夜間の運用も考えていきたい」との考えを示す。また救急患者の受け入れ件数も増えていることを踏まえ、夜間・当直帯の検査ニーズを満たすためにも検査の効率化に加えて、スタッフ配置を考慮する必要があるともした。
鈴木氏は「ワンフロア化によって各検査部門がお互いにカバーしあえるようになるとよい」と述べた上で、「血液塗抹標本の鏡検も、一般検査部門などと知識・経験を共有して、対応できるスタッフを増やしたい」とした。

(The Medical & Test Journal 2014年9月21日 第1284号掲載)

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