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Vol.38:大阪医科大学三島南病院 「DxC 700 AU」全世界1号機を導入 より信頼性の高い検査結果を報告

 大阪医科大学三島南病院(大阪府高槻市、214床) は地域に密着した医療を提供している。
同病院は2015年7月に大阪医科大学の附設医療施設として開設された。臨床検査科は、今年4月にベックマン・コールターの新製品、生化学自動分析装置「DxC 700 AU」の全世界1号機を導入し、より質の高い検査を迅速に臨床側へ報告し、臨床側とのコミュニケーション向上にもつなげている。


後藤院長  旧信愛会新生病院から15年7月に大阪医科大学が事業継承し、病院名を大阪医科大学三島南病院に変更した。後藤研三病院長は、「大阪医大の臨床研修病院として地域密着の医療に取り組んでいる」とし、大学附設の病院となり、本院との連携がよりスムーズに行われようになったと話す。職員のモチベーションも上がり、患者も大学本院と連携していることから、より安心して医療を受けていると紹介した。大学病院でありながら、地域に根差した「かかりつけ医」としての役割を持つことが当院の特徴であるという。
 また、地域包括ケア病床を新たに導入し、急性期から短期間で在宅に復帰できるような診療を目指している。検査室に対しては「大学病院になってから、結果がより迅速になった」と評価。特に夜間や休日でもすぐに検査結果が出るようになったとした。

「使いやすく進化」

繁 氏  臨床検査科技師長補佐の繁正志氏は、15年7月の事業継承の際、大阪医科大学病院から赴任した。大阪医科大学病院は09年3月にISO15189の認定を取得し、生化学・免疫検査を担当する繁氏も認定取得に取り組んだ経験を持つ。本院でベックマン・コールターの「AU5800」を使用していたことから、機器更新に伴い、三島南病院でもDxC 700 AUを導入。大学本院と同じ機器シリーズと試薬に統一し、検査データの互換性を高めた。
 AUシリーズについて繁氏は、「迅速で、試薬使用量が少ない。メンテナンスや精度管理が容易」と評価する。「AU680」や「AU5800」の使用経験を持つが「DxC 700 AUはますます使いやすく進化している」と話す。
 繁氏はDxC 700 AUについて、「大型のディスプレイ」「分析中でも試薬補充が可能」「メンテナンスがしやすい」「ISO15189の対応」といった特徴を挙げ、AUシリーズならではの使いやすさが継承されていることを示した。
 繁氏が赴任した2年前は、検査情報システム(LIS) もなく、検査の入力や報告は手作業で行われていた。診療側からの問い合わせは、今まで使用していた機器に保存されている検査データを検索していたが、AUシリーズに慣れていた同氏には、検索に手間がかかり負担に感じていたという。
 DxC 700 AUは、大型画面から患者の氏名をダブルクリックするだけで分析データやリアクションデータを呼び出すことができる。また、メンテナンスも簡単にでき、機器に慣れていない場合、サブ・ワークスペースに動画でメンテナンス手順が解説される。
 また、分析中でも試薬の交換ができる機能がDxC 700 AUに新たに搭載され、試薬交換時にはキャリブレーションやコントロールの測定も可能だ。自動分析装置は、いったん電源を止めると再開までに時間がかかることから、分析中でも試薬交換ができる機能の有用性は高いという。機器を止めずにすむよう予め渡り用の試薬を載せる方法もあるが、時間経過で試薬が劣化するリスクが避けられない。
 ISO15189 では、検査項目やロット、有効期限などの管理において、いつ、だれが対応したかの記録が求められる。AUシリーズは、これら機能を備えているが、DxC 700 AUでは、さらに電解質でも同様に管理ができるようになった。

TATは大幅に短縮、30分以内の報告に

 三島南病院は今年2月にLISを導入し、その後4月にDxC 700 AUが稼働した。来年1月には電子カルテを導入する予定。検査室の整備により、臨床検査科に検体が到着してから検査報告までの時間(TAT)を30分に短縮させる目標を達成した。
 機器本体に備えられた自動再検・希釈機能、さらに大学病院になったことによる職員のモチベーション向上がTATの短縮につながったという。院長をはじめ、診療側からは検査報告が早くなったと評価されているという。
 また、同病院の臨床検査科について繁氏は、本院に比べて小回りがきき、さまざまなことにチャレンジしやすい環境があると指摘する。DxC 700 AUやLISの導入により報告時間が大幅に短縮され、診療側からの期待が高まっている。最近では院内検査の拡充など診療側から相談を受ける機会が増えている。繁氏は、全世界1号機が導入されたことについても、診療側だけでなく院外にもアピールしていきたいとした。

ユーザーの声反映し開発

 関西地区では6年前から「関西ケミストリーユーザー会」が開催されている。繁氏は、ユーザー会で指摘されたことにメーカー側がきちんと対応しており、製品の開発にも生かされていると評価。非常に身近な企業との印象を示した。
 臨床検査科では、患者向けに検査を解説した冊子を作成し、非常に好評だった。今後、患者向けの検査説明も予定する。また、在宅医療を視野に入れていることから、POCTなどの導入も検討している。


  • 「さらに新しく、使いやすく」がコンセプト

     ベックマン・コールターは4月5日から、新しい生化学自動分析装置「DxC 700 AU」を主に中小病院向けに発売した。全世界で5000台以上を販売している「AU680」の後継機で、「これまでの良いところはそのままに。さらに新しく、使いやすく」をコンセプトに、AUやDxCシリーズを使用した顧客の要望を反映させた。
     主な特徴は、@さらに使いやすくAワイドな新画面B試薬の運用性の追求C消耗品の改善D ISO15189 の意識―など。
     @分析開始までの操作回数を従来の3分の2に低減。バーコード検体であれば「STATSTART」ボタンを押すだけのワンタッチ操作Aワイド画面には、メイン画面のほか、サブ・ワークスペースを設け、見たい項目をすぐに表示できる。またメンテナンス方法を動画で表示できるB試薬を途中で追加・交換したり、曜日ごとの平均検査回数を算出、試薬切れを予防する機能を搭載C消耗品は高い耐久性を追求。交換時には、工具や調整、位置決めを不要にし、3回の操作で60秒以内で完了する「3&60メンテナンス」をコンセプトにしているD ISO15189 対応を意識、メンテナンス履歴、アクセス権の設定、メモ帳機能―などが搭載されている。


(THE MEDICAL & TEST JOURNAL 2017年6月11日 第1391号掲載)

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