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Vol.40:迅速検査とコスト削減を実現

ななえ新病院 ななえ新病院(北海道亀田郡、199床)は、北海道の道南、七飯町と北斗市の地域医療を担っている。検査科は、2017年3月に血球計数装置「UniCel DxH 800」、18年1月に生化学自動分析装置「DxC 700 AU」を導入した。2機種の導入により、迅速検査やコスト削減につなげている。


青木検査科長 七飯町には精神科の病院が1施設あるのみで、北斗市は病院がない。このため、ななえ新病院は、地域の患者のプライマリケアを担うとともに、急性期医療の病院からリハビリテーションや在宅復帰に移行する患者の受け入れ先でもある。
社会福祉法人函館厚生院のグループ病院のため、急性期医療を担っている函館中央病院と函館五稜郭病院から、術後のリハビリテーションや在宅に移行する患者を受け入れている。医療と介護の連携に力を入れており、リハビリや在宅復帰支援を推進していることから、グループ病院以外からの転院患者も増えている。現在は、転院患者の約6割をグループ病院以外の医療機関からの紹介患者が占めている。
病床の内訳は、地域包括病床49床、療養病床150床。入院患者は、肺炎、尿路感染症、骨折などによる入院が多い。外来患者は、糖尿病、高脂血症など生活習慣病が目立つ。外来診療は月曜日から金曜日まで週5日実施しているが、火曜、水曜、金曜は午前のみで終了する。このため、検査科は、業務が集中する午前中に4人、午後2人の体制で業務に当たっている。生化学、血液検査のほか、インフルエンザ、マイコプラズマなどの感染症検査やエコー検査を含めた生理検査も行っている。
 青木善行検査科長は、「外来患者の迅速検査を心がけており、検体が検査室の到着後30分以内に結果を出すようにしている」と話し、特に外来の待ち時間短縮に力を入れていると説明した。検査科では、検体が届くのを待つのではなく、検体採取が終わったタイミングで、検査技師が検体を取りに出向いている。

検査科の皆さんと田中事務次長(左)

データ精度とメンテナンスを評価

 ななえ新病院では、血球計数装置の更新時期を迎えたことから、17年3月に「UniCel DxH 800」を導入した。以前もベックマン・コールターの血球計数装置を使っており、使いやすさやメンテナンスのしやすさを評価していた。
 DxH シリーズは、コールター原理(電気抵抗法) とフローサイトメトリー法(FCM 法)を組み合わせたハイブリッド測定により精度を高めている。
 また、CBC測定の特徴である「3重測定」では、3つのアパチャ(検出器)で構成されている測定部にて、同時3重測定を行う。測定結果は、それぞれのデータ間の変動幅が許容範囲内であることを自動的に検証し、平均値を出している。同時3重測定は、アパチャのつまりや汚れなどにより間違った結果が報告されるリスクを低減している。
 青木氏は以前の機種に比べ、チューブ類が非常に少なくなっており、測定やメンテナンスの作業がしやすい印象を持った。また、3重測定による測定結果についても信頼を寄せており、「精度は申し分ない」と話した。

Unicel DxH 800DxC 700 AU

(THE MEDICAL & TEST JOURNAL 2018年7月21日 第1433号掲載)

三島事業場の見学がきっかけに

 生化学自動分析装置「DxC 700 AU」は、全世界で6,000台以上を販売している「AU680」の後継機で、AUシリーズ、DxC シリーズを使用している顧客の声を反映して改良された新機種。24インチのワイド画面で見やすく、最小限の回数で操作が実現できる。また、キャリブレーションは前回と比較して評価できるようになっており、確認がしやすい。測定中の試薬の途中追加や交換も可能で、試薬切れを予防する機能がついていることなどが特徴だ。
 青木氏は、「UniCel DxH 800」の研修を受けるため、ベックマン・コールターの三島事業場(静岡県駿東郡)を訪れた。その際、生化学自動分析装置の新機種「DxC 700 AU」があると知り、実物を見せてもらった。三島事業場の製造工程も見学し、「DxC 700 AU」に実際に触れながら機能や操作性を知り、魅力を感じた。
 なお、「DxC 700 AU」は、ななえ新病院が北海道内 第一号機となった。

HbA1c測定の時間短縮

 ななえ新病院では、それまで別のメーカーの生化学自動分析装置を使っていたが、HbA1c測定の前処理を手作業でしなければならず、時間が掛かっていた。装置の更新にあたり、複数の装置を候補に検討していたが、「DxC 700 AU」にはHbA1cの全血自動測定機能がついており、前処理が不要になるため、 作業の効率化につながることが見込めた。試薬のランニングコストなども含めて、他のメーカーの2つの装置と比較検討した結果、「DxC 700 AU」に決めた。
 18年3月から本格稼働させ、HbA1cの測定作業が大幅に効率化されたと実感している。他のメーカーの装置から変更したため、導入当初は操作方法の違いなどに戸惑いがあったが、ベックマン・コールターの担当者に教わりながら、操作方法を覚えた。「DxC 700 AU」の操作のしやすさ、試薬管理機能が充実している点などを評価している。

2機種導入のメリットを実感

 ななえ新病院では、血球計数装置「UniCel DxH 800」と生化学自動分析装置「DxC 700 AU」の2機種をほぼ同時期に納入した。ベックマン・コールターには納入価格を検討してもらい、 病院としては費用を抑えることができた。サービススタッフも効率良く保守サポートに訪問することが可能になり、装置の保守に必要な費用も抑えられた。
 同病院では、今春に検査システムを更新し、新システムにはTAT(Turn Around Time) を計算できる機能がある。検査科では、「DxC 700 AU」の導入により、特にHbA1c測定で時間短縮できたことを実感しているが、今後は、新システムでTATのデータを出し、具体的な数字をもとに効果を検証する予定だ。外来の待ち時間短縮、業務の効率化、 コストの削減は、引き続き、課題に掲げて改善に取り組んでいきたいとしている。

(THE MEDICAL & TEST JOURNAL 2018年7月21日 第1433号掲載)

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