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「ネットで形態」 マンスリー形態マガジン

第1回 問題と解答

問題

CASE 1〜5の細胞を同定してください。
また、同定した理由についてもそれぞれの所見から選択してください。

* 今回からの形態マガジンでは細胞形態診断までのステップ(Evidence)を考えていただきます。

 


解答

CASE 1 CASE 2 CASE 3 CASE 4 CASE 5
正解細胞 リンパ球(大型) 単球 単球 異型リンパ球 リンパ球(小型)
細胞の大きさ 13μm以上 13μm以上 13μm以上 13μm以上 13μm以下
N-C比 低い 低い 低い 低い 低い
核形不整 なし あり あり(陥没) あり(陥没) なし
核小体 なし なし なし なし なし
核網(クロマチン) 粗鋼 繊細 繊細 粗鋼 粗鋼/結節状
細胞質の色調 弱好塩基性 灰青色 灰青色 部分的好塩基性 全体的好塩基性
細胞質の顆粒 なし なし なし なし なし
細胞質の封入体 なし なし なし なし なし
細胞質の突起 なし なし なし なし なし

形態観察の着眼とすすめ方

解説の前に形態観察の着眼とすすめ方について私見を述べます。
まず、細胞の大きさから始め、核の所見、そして細胞質の所見へと観察していきます。しかし、細胞によっては核と細胞質の所見の優先順位をずらして観察しないといけない場合があります。
例として顆粒球系と赤芽球系細胞を挙げてみましょう。まず、観察の優先順を決めるため、一次ポイントと二次ポイントに分け、優先する方を一次ポイントにしてそうでない方を二次ポイントにします。二次ポイントになるのは二次的変化を有するものが相当します。
一般に、顆粒球系細胞の二次的変化として細胞質に低(脱)顆粒や異常なほど顆粒が出現する場合があるため、細胞質が二次ポイントになります。
一方、赤芽球系細胞の二次的変化として核にDNA障害による核の遅延現象が起こる場合があるため、核が二次ポイントになります。
従って、顆粒球系細胞では核が一次ポイントになり得ますので核を優先にして観察し、赤芽球系細胞では細胞質が一次ポイントになり得ますので細胞質を優先して観察をおこなうことになります。


解説

Case1
case1

細胞の大きさは直径18μm大で、N-C比は低いようです。
N-C比についてJSLH*では核の占める割合が80%以上を示す場合、大きいもしくは高いとしています。核形の不整はなく類円形で、核網は粗鋼、核小体は中央にありそうですが鮮明でないため “なし”と判定しました。 細胞質は淡青色で秋の澄み切った青空を想定させるもので顆粒は認めません。形状からリンパ球を考え、N-C比が低い、核形不整がな いことよりリンパ球(大型)と同定しました。
*JSLH:日本検査血液学会

Case2
case2

細胞の大きさは直径17μm大で、N-C比は低いようです。
核形の不整があり、核網は繊細、核小体は不明のようです。細胞質は灰青色の曇り空を想定させるもので顆粒は認めません。 核網が繊細で、核形不整は特徴的な切れ込みを認め、細胞質のくすんだ色調より単球と同定しました。CASE1.との核網の違いを読み取ることが重要と思われます。

Case3
case3

細胞の大きさは直径22μm大で、N-C比は低いようです。
核形の不整は核内への強度の陥没があり、核網は繊細、核小体は不明のようです。細胞質は灰青色の曇り空を想定させ空胞があり顆粒は認めません。 核網が繊細、核形不整派顕著で、細胞質のくすんだ色調より単球と同定しました。本細胞の特徴である核形不整については核内への陥没を思わせるが、CASE2.は核内への切れ込みを思わせます。

Case4
case4

細胞の大きさは直径18μm大で、N-C比は低いようです。
核は偏在性で核形の不整は軽度の陥没がみられ、核網は粗鋼、核小体は不明のようです。細胞質は部分的な好塩基性がみられ顆粒は認めません。 形状からリンパ球を考え、16μmより大の大きさと軽度の核形不整、核網の粗荒、細胞質の部分的な好塩基性より異型リンパ球(単球類似)と同定しました。

Case5
case5

細胞の大きさは直径9μm大の小型で、N-C比は低いようです。
核は円形で不整はみられず、核網は粗鋼(結節状)、核小体は不明のようです。細胞質は全般に好塩基性がみられ顆粒は認めません。形状からリンパ球を考え、
13μmより小型の大きさより小型リンパ球と同定しました。小型リンパ球はこのように好塩基性の細胞質を有しますので異型リンパ球と間違わないようにしなければなりません。

 



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