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第3回 問題と解答

問題

CASE 1〜6の血液像の細胞同定を行ってください。

 


解答

 

CASE 1

CASE 2

CASE 3

CASE 4

CASE 5

CASE 6

正解細胞

リンパ球

単球

異型リンパ球
またはリンパ球

異常リンパ球

異型リンパ球

異常リンパ球

細胞の大きさ

13μm以上

13μm以上

13μm以下

13μm以上

13μm以上

13μm以上

N-C比

低い

低い

低い

高い

低い

低い

核の偏在性

なし

なし

なし

なし

あり

なし

核形不整

軽度

軽度

軽度

軽度

軽度

切れ込み

核小体

なし

なし

なし

ある-少ない

なし

ある-少ない

核網
(クロマチン)

粗鋼

粗鋼

粗鋼/結節状

やや粗鋼

粗鋼

やや粗鋼

細胞質の色調

淡青色

淡青〜灰青色

全般に好塩基性

不明

全般に好塩基性

全般に好塩基性

細胞質の顆粒

アズール顆粒

アズール顆粒

なし

なし

なし

なし

細胞質の封入体

なし

なし

なし

なし

なし

なし

細胞質の空胞

なし

ある

なし

なし

なし

ある

細胞質の辺縁

規則性

不規則性

規則性

規則性

不規則性

不規則性

細胞質の突起

なし

なし

なし

なし

なし

なし

今回のねらい

今回は末梢血にみられる異型リンパ球と異常リンパ球の同定に挑戦しました。
リンパ球の同定を行う場合は、まず類似細胞として単球・異型リンパ球・異常リンパ球を両横に置き、異なる細胞所見をポイントとして相互の鑑別を行います。類似細胞は常に鑑別細胞となり、細胞鑑別法は前回にも触れましたが分析帰納法、比較類推法、除外法からみた論理的方法から同定に進みます。

異型リンパ球と異常リンパ球の鑑別には、正常リンパ球を常に対照細胞として捉え、以下の特徴的な所見から鑑別を行います。

・異型リンパ球
一般に大型(16μm以上)でN-C比は低く、核形不整はなし、あっても軽度。核小体は不明瞭で強度の好塩基性で多様性像が特徴です。
・異常リンパ球
一般にN-C比は高く、核形不整は顕著。核小体は明瞭なことが多く、空胞・突起などを有し、単一像が特徴です。N-C比が高いとは核の占める割合が80%以上を目安とします。

解説

Case1
case1

この細胞はリンパ球に同定しました。
CASE2.の細胞と類似していますので、それとの比較になります。双方ともにN-C比は低く、軽度の核形不整、粗鋼の核網(クロマチン)はよく似ていますが、異なる所見は細胞質が淡青色で、やや太めのアズール顆粒を認めることです。

Case2
case2

この細胞は単球に同定しました。
CASE1の細胞との比較になりますが、異なる所見は6時方向に軽度ながら核形不整を認め、灰青色の豊富な細胞質に微細なアズール顆粒を認めることです。

Case3
case3

この細胞は異型リンパ球もしくはリンパ球に同定しました。核形不整を認めることで異常リンパ球に同定しそうです。しかし、異常リンパ球に比べてN-C 比が低いことや核網(クロマチン)が粗鋼(結節状)であることが異なる所見になります。次に細胞質の好塩基性がみられることで異型リンパ球にもなりそうです。 ただし、異型リンパ球の大きさは16μmより大きいものとされていますので本細胞はそれより小さいことからリンパ球にもなる可能性があります。

Case4
case4

この細胞は異常リンパ球に同定しました。
N-C比が極端に高く、核形不整を僅かに認め、核小体も認めることで腫瘍性の所見を持ち合わせています。もちろん、単一像(同一細胞の増加)を確認し、同定に結びつけます。ただ四面楚歌の状態であり、鏡検最適場所ではないようです。本例は悪性リンパ腫細胞(B 細胞)が末梢血に出現したもの(白血化)です。

Case5
case5

この細胞は異型リンパ球に同定しました。
CASE6.の細胞と類似していますので比較してみましょう。この細胞は大型(16μm以上)で、N-C比が低く、核形不整は軽度、核網(クロマチン)は粗鋼で好塩基性の細胞質がみられることから比較対照となる異常リンパ球は否定されそうです。

Case6
case6

この細胞は異常リンパ球に同定しました。
CASE5.の細胞に類似していますが、核網(クロマチン)は粗鋼ながらもやや繊細で顕著な核形不整や核小体を認めることが異なる所見になります。さらにリンパ球には不自然な空胞を認めます。この空胞は脂肪空胞(中性脂肪)といわれ、バーキットリンパ腫細胞(B 細胞)の特徴とされています。本例はその細胞が末梢血に出現したものですが、単一像を確認することになります。

 



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