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第14回 問題と解答

問題

第14回
CASE 1 - 5 における 1 〜 5 の細胞同定を行ってください。

各設問の選択細胞
1. 骨髄芽球
5. 幼若好酸球
9. ペルゲル様好中球
2. 前骨髄球
6. 幼若好塩基球
3. 骨髄球
7. 好塩基球
4. 後骨髄球
8. ペルゲル様好酸球



解説

今回のねらい

今回は赤芽球の同定を行います。赤血球の分化・成熟過程は、前赤芽球→好塩基性赤芽球→多染性赤芽球→正染性赤芽球→網赤血球→赤血球です。これらの赤芽球の名称は細胞質の色調で命名されていることを覚えておきましょう。赤血球の分化・成熟の過程で細胞分裂能を有するのは多染性赤芽球までですが、それ以降は成熟するのみとなります。赤芽球は成熟の過程において核と細胞質にズレが発生することがあり、核の遅延現象(成熟乖離)と呼ばれています。成熟乖離現象で出現する赤芽球は巨赤芽球として同定することになり、上記の分化・成熟の過程をとり、巨赤血球へと成熟していきます。これは平均赤血球容積(MCV)を100fl以上に引き上げることになります。

  • Case1(BMM-G1000)
    case1
  • (正解と解説)
    【正解】 前骨髄球
    【解説】 
    細胞径は18μm大で、核は偏在し核小体を有し、弱い好塩基性の細胞質には粗大なアズール顆粒を認めます。核の偏在はゴルジ野の発達によるもので、粗大なアズール顆粒を有するため前骨髄球に同定しました。この顆粒は一次顆粒や非特異顆粒とも呼ばれ、ムコ多糖蛋白が旺盛なためにアズール顆粒を引きつけるといわれています。

 

 

  • Case2(BM-MG1000)
    case2
  • (正解と解説)
    【選択細胞】 骨髄球
    【解説】 
    細胞径は16μm大で、小型で核網は粗鋼 ですが、細胞質には好塩基性の名残りとして粗大な顆粒を認めることから1.の前骨髄 球と類似しています。しかし、細胞が小型で核網(クロマチン)が粗鋼であることは成熟傾向であり、大型な顆粒は中毒性顆粒(アズール顆粒といわれています)の出現と 解釈することが妥当と思われます。結局、周囲の細胞から判断することになりますが、顆粒球では顆粒が多かったり、少なかったりしますので、細胞の大きさや核所見を優先にして同定することをすすめます。

 

 

  • Case3(BM-MG1000)
    case3
  • (正解と解説)
    【選択細胞】 幼若好酸球
    【解説】 
    細胞径は23μm大の大型で、核の偏在と好酸性の大型顆粒を認めます。好酸性の顆粒から好酸球となりますが、大型で核の偏在は前骨髄球に相当するものと思われます。好酸性顆粒球の分類は骨髄球あたりから分類するようになりますので幼若好酸球として同定しました。

 

 

  • Case4(BM-MG1000)
    case4
  • (正解と解説)
    【選択細胞】 幼若好塩基球
    【解説】 
    細胞径は13μm大で好中球大です。好中球と比べ細胞質にやや粗大な顆粒と空胞(顆粒が抜けた状態)がみられることより好塩基球が推定され、核が円形であることから、この系列の幼若型と同定しました。

 

 

  • Case4(BM-MG1000)
    case4
  • (正解と解説)
    【選択細胞】 ペルゲル様好酸球
    【解説】 
    細胞径は16μm大で、細胞質の好酸性の顆粒により好酸性好中球と思われます。核は円形のため、幼若型と思われがちですが、細胞質の広さからみると小さいため成熟型と思われます。成熟型であれば核に分葉が起こるはずですが、円形であることは核の成熟に異変が生じたものと解釈してペルゲル核異常を呈した好酸球として同定しました。MDSでは好中球に次いでよくみられますので注意を払いましょう。

 



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