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「ネットで形態」 マンスリー形態マガジン

問題

第49回
問題 1
末梢血の細胞同定をリストより選択して下さい。

選択細胞
@ 後骨髄球 A 桿状核球 B 分葉核球 C 好酸球
D 好塩基球 E リンパ球   F 単球 



問題 2
骨髄の細胞同定をリストより選択して下さい。

選択細胞
@ 骨髄芽球 A 前骨髄球  B 骨髄球 C 後骨髄球 
D 桿状核球 E 好酸球   F 好塩基球  G リンパ球
H 幼若単球 I 赤芽球 



今回のねらい

私、本データベースの形態塾「マンスリーマガジン」を担当させて頂いております阿南建一(あなみけんいち)と申します。どうぞよろしくお願いします。
さて、新任の皆様! 職場には少し慣れましたでしょうか。
緊張した気持ちのなか悪戦苦闘していらっしゃるお姿が目に浮かびます。 戸惑いには先輩のアドバイスに耳を傾け、勇気をもってあせらずに1個づつ片付けて行けば先は見えてくるはずです。まずは、研修期間とされる3ヶ月間を無難に乗り越え、臨床検査技師の誇りをもって医療スタッフとしてご活躍下さい。
本データベースは、ベックマン・コールター社さまのお力添えにより、毎月、細胞の同定や形態診断の手助けになるような取り組みを目指しております。
皆様におかれましてはお気軽に閲覧下さり、感想やご意見を何なりとお申しつけ下されば幸いです。
今回は末梢血および骨髄像における細胞同定を提示しましたので是非ご参加下さい。



解説

問題 1

(正解と解説)
末梢血液像の細胞同定です。目視法の塗抹はウエッジ法に伴う強制乾燥が行なわれるため、細胞は自然乾燥のものより大きくなることを念頭に細胞同定を行います。まずは各細胞の大きさから、核ならびに細胞質の所見へと観察の目を広げていきます。

【正解】

(CASE A) 1-B.分葉核球、2-A.桿状核球
(CASE B) 1-B.分葉核球、2-F.単球 (CASE C) 1-C.好酸球、2-F.単球
(CASE D) 1-E.リンパ球、2-F.単球

【解説】

(PB-MG×1000)
(CASE A)
桿状核球と分葉核球は、好中性顆粒球の分化・成熟過程の終末細胞ですが、核形と核網工とに若干の差がみられます。大きさは共に13μm大で、細胞質は好酸性(ピンク色)を呈しますが、2.の桿状核球は棒状やバナナ状に形容され、核網工は粗剛ですがクロマチンの結節は分葉核球ほど強くないようです。一方、1.の分葉核球は核にくびれが生じ、核の最小幅が最大幅の1/3未満(日臨技.1996)とされ、原則的には核同士が核糸で連結されていることが特徴です。
但し、核のくびれが不明の場合は分葉核球に分類する方向になっているようです(NCCLS.1922)。
(PB-MG×1000)
(CASE B)
1.は核糸が明瞭な分葉核球に問題はないでしょう。2.は1.に類似していますが、それに比べ大きく、核形に不整(切れ込み:矢印)、核網工は繊細、細胞質は灰青色で微細なアズール顆粒や空胞を認めることより単球に同定しました。ちなみに5時の方向は裸核の好中球(分葉核球)ですが、このように核影の細胞は細胞としての状態を保持していないため分類には入れない方がよいと思われます。但し、裸核の細胞が多い場合はコメントは付記し、原因を追究する必要はあります。
(PB-MG×1000)
(CASE C)
1.は好中球に類似しますが、細胞質には橙赤色の粗大顆粒を認めることより好酸球に同定しました。2.は桿状核球に類似しますが、それより大きく、核網工は繊細、細胞質は灰青色で、空胞を認めることより単球に同定しました。
(PB-MG×1000)
(CASE D)
通常、リンパ球と単球は鑑別細胞になりますが、本例では典型的なものを提示しました。1.リンパ球は7〜16μm大で、核はほぼ円形、核網工は粗剛で、細胞質は淡青色、アズール顆粒を認めれば単球のものよりやや大きく数は少ないようです。
2.単球は13〜21μm大で、リンパ球より大きく、核は不整形、核網工は繊細で、細胞質は灰青色、本例のようにアズール顆粒を認めれば微細で充満してみられます。


問題 2

(正解と解説)
骨髄像の細胞同定です。骨髄には約30個の細胞がみられますので目移りしながらも鑑別を要する細胞には目を配り慎重に同定しましょう。また、人工的に検体を処理しますので、塗抹や乾燥状態も加味しながら、赤血球との重なりには注意を払うことになります。

【正解】

(CASE A) 1-@.骨髄芽球、2-I.赤芽球(多染性)、3-E.好酸球
(CASE B) 1-G.リンパ球、2-@.骨髄芽球
(CASE C) 1-F.好塩基球、2-A.前骨髄球、3-G.リンパ球
(CASE D) 1-H.幼若単球(前単球)、2-A.前骨髄球、3-G.リンパ球、4-C.後骨髄球

【解説】

(BM-MG×1000)
(CASE A)
1.骨髄芽球は直径12〜15μm大で、核は類円形、核網工は繊細で核小体がみられ、中等度の好塩基性の細胞質にはアズール顆粒は認めないようです。このように正常の骨髄芽球には顆粒は認めないとされます。
2.は全体が押しつぶされた様な感じですが、核は中心性で多染性の色調を呈した赤芽球(多染性赤芽球)に同定しました。3.は好酸球と思われます。
(BM-MG×1000)
(CASE B)
1.は小型でN/C比は高く、核網工が粗剛のことよりリンパ球に同定しました。2.は約30μm大の大型細胞で、N/C比は低く(核の占める割合が80%以下)、核網工は繊細で明瞭な核小体を有し、中等度の好塩基性の細胞質から骨髄芽球が考えられます。
しかし、A-1.の骨髄芽球に比べ、大型で明瞭な核小体を有するということは 異型性を持ち合わせた芽球として捉え、本例は骨髄異形成症候群(MDS)にみられたものです。
(BM-MG×1000)
(CASE C)
塗抹後の乾燥不良がうかがえ、全体が萎縮気味ですので、その条件下で同定することになります。
1.と2.は核偏在では類似していますが、核網工と顆粒の大きさが異なるようです。
1.は核網工に緻密さはなく平坦状、黒青紫色の粗大顆粒は核の上にも散在することより好塩基球に同定しました。本細胞は水溶性ですので顆粒が抜けた場合は空胞としてみられます。2.は核網工は粗網状で核小体もみられ、粗大なアズール顆粒が特徴的な前骨髄球に同定しました。3.はリンパ球のようです。
(BM-MG×1000)
(CASE D)
1.と2.は骨髄で鑑別を要する細胞であり、すべてが異なる所見をもっています。
大きさは共に同等で、1.は核がほぼ中央に位置し、核形は不整で、核網工は繊細、明瞭な核小体を有し、好塩基性の細胞質には微細なアズール顆粒を有することが特徴的な前単球に同定しました。2.はゴルジ野の発達で核は偏在し、核形不整はなく、核網工は粗網状で、核小体を認め、粗大なアズール顆粒が特徴的な前骨髄球に同定しました。双方ともに顆粒が核の上にもみられますが、好塩基球以外にも稀にみられることです。3.はリンパ球と思われます。4.は赤血球に押されて細胞は萎縮気味ですが、核網工は粗剛で僅かな核陥没がみられることで後骨髄球に同定しました。



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