HOME > 血液検査コーナー > 検査技師のためのマンスリー形態マガジン > Q4 解説と解答

検査技師のためのマンスリー形態マガジン

Q4. 末梢血の細胞同定を行って下さい。 解答と解説

 
拡大して解答を見る 拡大して解答を見る
 

【ねらいと解説】 @A

核網(クロマチン)の鑑別です。@、Aはともに何種類の細胞がみられるかになります。
@は3種類です。核、細胞質所見から1、2、5が同系で、3、4が異なります。核網の繊細さから、3が最も繊細で、次が1、2、5で、4が最も粗荒であり3種類の 混在が考えられます。うち1、2、5は核の円形から緩慢な陥没(1μm位まで)より 1は骨髄球、2は後骨髄球、5は核網からみますと2より粗荒であることから桿状核球になります が、陥没度からみますと桿状核球に比べ少ないことより後骨髄球になり、 意見の分かれるとこであり、私見からは桿状核球にしたいところです。 3は若干の核型不整と細胞質の二重構造(核周囲と辺縁とに染色性の差)がみられる ことの所見(私見)も加味して単球、4は少数のアズール顆粒を有するリンパ球になるようです。
Aは2種類です。核・細胞質所見から1、2、4が同系で3が異なります。
核網の繊細さから、同系の3つの細胞は1、4そして2への成熟がうかがえ、3は粗荒 のようです。1は一見後骨髄球様ですが、核の上下の位置が赤血球に押されている ようで本来ならもっと大きな細胞が考えられ、核網の繊細と粗大なアズール(一次) 顆粒を有することより前骨髄球と思われます。4は核の陥没が緩慢(1μm位まで) より後骨髄球、3は少数なアズール顆粒を有するリンパ球になるようです。

【解答】

@-1:B.骨髄球、2:C.後骨髄球、3:F.単球、4:E.リンパ球、5:C.後骨髄球またはD.桿状核球   
A-1:A.前骨髄球、2:D.桿状核球、3:E.リンパ球、4:C.後骨髄球  

【正解率】

@-1:100%、2:100%、3:100%、4:100%、5:70%   
A-1:70%、2:100%、3:100%、4:30%  

 

形態マガジンTOPへ戻る
「症例4 解答と解説 」 を見る→



 

ページトップ