2018年11月14日掲載

Vol.8急性赤白血病 AML M6

Case history

当院の腎臓内科通院中、血液検査で汎血球減少を認めたため、血液内科を紹介受診となる。

細胞形態

末梢血は中型でN/C 比大、核網繊細で核小体が認められ、一部に粗大な顆粒がみられる。
骨髄は65%が前赤芽球様であり、その約半数はblebを有するMegaloblast様である。その他3.8%がMyeloid系、5.5%が異常細胞であった。


診断および解説
症例は72 歳、男性。以前より高血圧症等にて当院の腎臓内科通院中であった。
2013年9月受診時の血液検査にて、WBC1.7×109/L、Hb8.4g/dL PLT18×109/Lと著明な汎血球減少を認めたため、当院血液内科を紹介受診となる。
初診時の骨髄検査にて、ANCにおいてErythro系細胞が55.2%占め、異常細胞を6.9%認めた。NECにおいて異常細胞は27.2%であった。
異常細胞の細胞形態は、中型でN/C比大、核網繊細で核小体を有した。
WHO分類2008よりAcute erythroid leukemia(AML M6)と診断した。
尚、今回提示した症例は、診断から4ヶ月経過した結果である。
末梢血液像にて、異常細胞を6.1%認め、異常細胞の細胞形態は、上記と同様の細胞であり、一部に粗大な顆粒を認める。
骨髄中には、異常細胞を74.3%(前赤芽球様:65%、Myeloid系:3.8%、Mono系:5.5%)認め、増悪化像を呈した。


測定情報の解説

WBC数, RBC数, PLT数の減少(汎血球減少)、LY%高値、PDW高値。
WBCの異常な血球分布やポピュレーションに基づきサンプルに臨床症状がある可能性を示すメッセージが表示されています。
DIFF-図cのMO領域上段にわずかに集団(青点線丸)が認められます。
これは幼若細胞の出現していることを示唆しています。リサーチ項目のEGC%は1.1%を示しており、末梢血検査所見の幼若細胞出現率(Myelo:1.0% Meta:0.3%)と一致します。NEプロットはDIFF-図aより表面プロット図cでLY領域へ伸展し重なり合っていることが確認でき、目視で確認した末梢血に出現した異常細胞などが影響していると考えられます。



RUO(Research Use Only): リサーチ項目
診断用項目でありません。

 

注:同一症例において、同様な結果が得られるとは限りません。

(データ提供:近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)

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