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Talk CBC Vol.4 自動白血球測定とヒストグラム分析Talk CBC Vol.3 自動血小板測定とヒストグラム分析

CBCを語ろう Talk CBC RBCを溶血させてWBCを測る

Vol.3 の血小板に続いて、今回は白血球測定です。血球カウンターでは、白血球は分類性能が注目されるため分類に多くの技術が開発され、分離性能が日々進歩していますが、CBC測定では白血球(WBC)の測定が基本となっています。このWBC測定では、血小板(PLT)、赤血球(RBC)同様にコールター原理が用いられています。

  RBC WBC PLT
大きさ 7〜8 μm 6〜14 μm 2〜3 μm
基準範囲 M 4.33〜5.55 ×106 μL 3.3〜8.6 ×103 μL 158〜348 ×103 μL
F 3.86〜4.92 ×106 μL

血球の大きさは、表のようにRBCとWBCは重なっていますので、血液を希釈してそのまま測定してしまうと、WBCは1,000倍も多いRBCに含まれてカウントされてしまうこととなり、WBC単独での測定はできません(RBC測定では、WBCを含んだ個数として算出しています)。そのため、WBC測定では、血液の希釈を行う際に、血球(赤血球)を溶血させることが必要になります。DxH ではセルライズ試薬を用い、DxHダイリューエント 6.0 mL、サンプル 28 μL がDxHセルライズ1.08 mLと混和され、最終希釈が1:251となります。このセルライズにより白血球の核を傷つけずに、急速かつ一斉に赤血球を破壊して大量のヘモグロビンを安定色素に変換します。この色素の吸光度は、サンプルのヘモグロビン濃度に正比例しますので、ヘモグロビン測定に用いられます。
この希釈溶血された血球溶液をコールター原理にて測定を行うのが、WBC 測定となります。裸核化に用いる試薬の種類によってヒストグラム形状は異なり、アルカリ溶液を用いると好酸球は分布の大きな部分に、また酸性溶液を用いると好塩基球が分布の大きな位置に存在する二峰性となります。DxHでは、界面活性剤を用いているため、図1のような三峰性となります。これが一般的に言われている白血球の3分類です。

このヒストグラムを分析し、正しい個数を計測していきますが、溶血作用中の血小板の凝集や赤血球膜の溶け残りなどが、計測結果に誤った数値を与えることがあります。一般的に赤血球ゴーストやデブリスと言われるものです。DxH では、このデブリス等をヒストグラムのアルゴリズム解析、パターン認識などで補正したWBC値と補正前の生のWBC値(UWBC)の2つを結果として報告しています。コールターカウンター特有の機能でもあり、そのため、コントロールサーベイなどの加工血液では、UWBC値を報告してもらうようにしています。

さて、CBC 測定でのWBC 分類性能はどうでしょうか?

図2は、S-PLUSでのヒストグラム例ですが、3分類のみであり、また、各種の細胞解析が必要とされるWBCの分類にはヒストグラムだけでは不十分なことがわかるかと思います。
そのため、コールターカウンターでは、光学測定法であるVCS方式(DxHからはVCSn)を採用し、フローサイトメトリーを用いて分類を行うようになっています(詳細は別のTalk CBCで)。DxHでは、この光学的な測定法から得られたWBC値も参考情報として得られます。DxHでは、WBCの分類用のDiffチャンネル、レチクロ測定用のReticチャンネルとNRBC測定のためのNRBCチャンネルという3つの光学的測定機能を有しており、この3つのチャンネルから得られるUWROP(未補正のReticチャンネルからのWBC)、WROP(Diffチャンネルからの補正後のWBC)、WNOP(NRBCチャンネルからの補正後のWBC)とWROP(Reticチャンネルからの補正後のWBC)を参考情報として、高値また低値のWBC値を確認することが可能となっています。

さて、次回は赤血球とヒストグラムの回を予定しています。


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