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Talk CBC Vol.5 自動赤血球測定とヒストグラム分析Talk CBC Vol.5 自動赤血球測定とヒストグラム分析

CBCを語ろう Talk CBC CBC の基本RBC はコールター原理

今回は血球測定の基本、赤血球測定です。血球測定の基本原理はvol.1 で紹介したようにコールター原理です。コールター 原理においては、粒子がアパチャーの間を通過する時の電気抵抗値と時間で計測し、電気パルスとして検出します。この電気パルスが血球の数や大きさを測定する基となります。

パルスの高さと幅を考慮したものが粒子の大きさ(容積)。DxH では、この容積情報を含めた4 つのパルス情報を解析しています。

パルスの高さと幅を考慮したものが粒子の大きさ(容積)。
DxH では、この容積情報を含めた4 つのパルス情報を解析しています。

また、アパチャーを高速で通過する粒子は様々な形状をしており、その形状により様々なパルス信号を示します。血球計数装置においては、その形状から基本紡錘型(A)、赤血球の水平方向通過(B)、球形(C)、立体円盤(D)、赤血球の立体方向通過(E)などに区別し、それぞれの形状の種類毎に一定の係数(形状計数)を掛けて補正しています(下図*)。
この、形状計数は新鮮血に対するものを基準としていますので、人工血であるコントロールを使用すると機種間差が生じる理由のひとつとなっています。
また、球状で血球と異なり流路系でも形状の変化しないラテックスビーズは血球計数装置においては、機器の校正や感度調整用として使用されています(CBC ラテックス)。

巽 典之編(2006)『計測技術ティーチング−自動白血球分析装置の基本原理−』より編集掲載
* 巽 典之編(2006)『計測技術ティーチング−自動白血球分析装置の基本原理−』より編集掲載

また、粒子がアパチャーを通過する時には同時通過や非軸通過などがあります。この不規則なパルスはそれぞれ、装置内で補正(同時通過補正やパルスエディット)されています。

正常通過
正常通過

同時通過
同時通過

非軸通過
非軸通過

パルス情報では、個々の粒子の容積(三次元)を知ることができますが、断面積の状態(二次元)や粒子の長軸の長さ(一次元)を識別することはできません。そのため、赤血球のヒストグラムにおいては、血球の数と大小不同症はわかりますが、赤血球の形態異常は(容積が同じで長さが異なる、形が異なる)識別ができません。そのため、赤血球形態異常である、球状、有口、鎌形、標的、涙滴赤血球などを疑う場合は、目視による観察が大切となります。

下記が赤血球のヒストグラムですが、DxHでは、24 〜 360 fLを256のチャンネルに分割して分析し、赤血球は36 fL以上の粒子を赤血球としています。また、血球数が少ない場合は2秒間、最大8回のエクストラカウントを行って精度の高いデータを提供しています。このヒストグラムにおいては、ピークがMCVであり、右側には容積の大きいWBCやRBC凝集などが含まれ、それぞれの異常粒子が多数認められる場合には、RBCの測定結果やその他の項目情報に各種のフラグが示され、異常血球の存在を疑います。下図にDxHでの異常なRBCヒストグラム例を示します。

DxH での異常なRBC のヒストグラム例1
サスペクトメッセージ: Dimorphic Reds
二峰性の赤血球ポピュレーション

DxH での異常なRBC のヒストグラム例2
サスペクトメッセージ: RBC Frag/Micro
赤血球フラグメントや小球性赤血球の存在

また、コールターカウンターはトリプルアパチャー(3つのアパチャーでCBCを計測)ですので、1検体につき三重測定を行って精度の高い結果を報告しています。3つのアパチャーのデータに異常差がある場合は、ボートアウトが表示されます。

さて、次回は血球計数とヒストグラムのまとめを予定しています。

UniCel DxH シリーズのヒストグラム例


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