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CBCを語ろう Talk CBC  血球計数におけるNRBC測定(1)

血球計数におけるNRBC測定(1)

 今回は、自動血球計数装置UniCel DxHシリーズ(以下DxH)に搭載された有核赤血球(以下NRBC)測定チャンネルについて解説します。
 DxHにおけるNRBC測定チャンネルは、NRBCの計測とさまざまな干渉物質の検出を目的として設計されており、測定に際しては、希釈液で調整されたサンプルにCBC溶血剤が添加され、VCSnテクノロジーにおけるレーザー散乱光情報を主に用いて測定が行われます。

 (1)血球計数におけるNRB 測定

血球計数におけるCBC測定は、それぞれの血球形状の違いを利用して計測がなされます。以下に血球形状の違いを示します。

 表 1 の通り、細胞体積や核の有無などの血球の特徴を用いてCBC測定が行われています。赤血球/ 血小板の測定を行う赤血球バスでは、すべての血球は計測されていますが、体積の違いから赤血球、血小板は判別されて計測されます。
 また、白血球の測定を行う白血球バスでは、白血球と赤血球の体積に大きな違いが認められないため、CBC溶血剤を添加し、赤血球を溶血した後に裸核に近い状態の白血球を計測します。
 このようにCBC測定では、血球形状の違いを利用して計測が行われていますが、一部の検体においてはこの方法論に合致しない検体が認められ、測定上の誤差となる場合があります。日常業務の中で遭遇するケースとしては、血小板凝集や白血球著増などがあり、測定値は、これらの細胞の干渉を受けることが予想されますので検体の確認や測定結果の判定が必要となります。また、有核赤血球は、一部の血液疾患やがんの骨転移などで末梢血に出現し、細胞の形状はリンパ球に類似しており、CBC測定においては白血球として計測されます。測定結果は、白血球数が偽高値となり、検体の確認や結果の判定を行うことが重要です。


 (2) DxHにおけるNRBC測定

 DxHは、NRBC測定専用チャンネルを搭載し、有核赤血球の検出と計測を行っており、細胞干渉が認められた場合、白血球数の自動補正がなされます。測定プロセスは、検体を希釈し、CBC溶血剤を添加し、赤血球などの細胞を除去しながら、NRBC、白血球や血小板または細胞デブリスの判別を行います。
 NRBC測定法は、VCSnテクノロジーによって細胞体積や形状などの分析を行い、それらは7つの測定パラメーター(電気抵抗法、高周波電導度、5種類のレーザー散乱光情報)を用います。5種類のレーザー散乱光情報(Axial light loss:AL2,Low angle light catter:LALS, Lower median angle light scatter:LMALS, Upper median angle light scatter:UMALS, Median angle light scatter:MALS)は、細胞の顆粒特性や分葉特性などの複雑性を分析します。

 また、AL2は、リンパ球などの白血球や干渉物質からNRBCを分離するための重要な測定パラメーターで、細胞の透過性を内在する 光学的な細胞体積情報です。例えば、NRBCと白血球の核は異なったAL2測定値を呈しますが、これらの体積が同程度であっても白血球の核の透過度は高値を示します。
 NRBC測定では、通常8,192個の細胞を計測し、約25万の測定情報を得ることで正確にNRBCや干渉物質の検出とNRBC計測を行います。測定情報としては、NRBC比率、絶対数、2種類のNRBCスキャッタープロットが表示されます。また、WBCヒストグラム、白血球スキャッタープロットからの測定情報を一連の包括的な情報として利用し、NRBC測定の精度向上を図っています。DxHにおけるNRBC測定は、高い精度と経済性を兼ね備え、従来にない正確な測定情報を提供しています。



 次回は、引き続き血球計数におけるNRBC測定について解説します。



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