比表面積測定法
比表面積とは、単位重量あたりの表面積です。
比表面積は、触媒の場合は通常10〜1000m2/gで,活性炭などの吸着剤では1,000 m2/g以上です。
比表面積は、一般的に窒素ガスなどの物理吸着を用いて測定します。
- 試料の前処理(真空加熱)をする
- 試料の吸着等温線を測定する
- 吸着等温線を解析する
等温線とは
- 吸着とは、気相または液相中の物質が、その相と接触する他の相(液相または固相)との界面において、相の内部と異なる濃度を保って平衡に達する現象です。その濃度が高くなる場合は正吸着、低くなる場合は負吸着と呼びます
- 吸着している分子が気相に戻ることを脱着と呼びます
- 一定圧力で吸着の進行が止まったように見える状態を吸着平衡状態と呼びます
- その時の圧力を吸着平衡圧と呼びます
- 吸着平衡圧と飽和蒸気圧の比のことを相対圧と呼びます
- 圧力を変化させ、そのときの吸着量を測定し、横軸に相対圧、縦軸に吸着量をプロットしたものを等温線と呼びます
6種類の等温線
吸着量(M)は、温度(T)、ガスの圧力(p)及び固体とガス間の吸着相互作用ポテンシャル(E) に依存する。一般に吸着量の測定は温度一定で行う、また、固体とガスが決れば、吸着相互作用ポテンシャル(E)はほぼ一定であると考えることができるので、吸着量は圧力(p)のみの関数となります。 |
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IUPACは等温線を六つの型に分類しています。 |
- T型
Langmuir型と呼ばれ、吸着量は圧力の増加とともに、ある一定値になる。マイクロ細孔(直径2nm以下)の存在を示している。
- U型
BET型と呼ばれ、多分子層を形成する物理吸着の等温線である。細孔が存在しないか、またはマクロ細孔(直径50nm以上)の存在を示している。
- V型
U型と同様に多分子層吸着に適用される物理吸着の等温線である。細孔が存在しないか、マクロ細孔の存在を示している。(BET一点法は不適)
- W型
吸着平衡圧を順次増加(吸着)して得られる吸着量と、平衡圧を順次減少(脱着)させて得られる吸着量とが異なる場合(ヒステリシスをもつという)の等温線である。メソ細孔(直径2〜50nm)の存在を示す。
- X型
W型と同じくヒステリシスをもつ等温線である。メソ細孔の存在を示す。(BET一点法は不適)
- Y型
稀なタイプで階段型吸着等温線と呼ばれ、細孔の存在しない平滑表面への段階的な多分子層吸着を示す。吸着分子間の引力が大きい物理吸着に見られる。
定容量ガス吸着 オーバーラップガス導入法

ベックマン・コールター社製
SA3100は、オーバーラップガス導入法を採用しています。
BET吸着理論とは
1938年にBrunauer,Emmett,Tellerの3名が、単分子層吸着理論であるLangmuir理論を多分子層吸着に拡張した、比表面積の計算方法として最も有名な理論です。分子は積み重なって無限に吸着し得るものとし,吸着層間に相互作用がなく各層に対してLangmuir式が成立すると仮定しています。
下記のような多分子層吸着モデルで、BET式は通常、次のように表わします。
BET等温式と傾きVm

傾きからVmが決定されると,N
2の吸着断面積を0.16nm
2 (16.2Å
2 )として,試料1gあたりの表面積である比表面積が求まります。 更に、C値も計算することができます。
BET吸着理論とC値
BET一点法の場合
C値は十分大きいのであれば、誤差は少ないが、V型とX型等温線の場合、BET一点法は適用できない。
BET吸着理論と相対圧範囲
BET法において、計算に用いる相対圧範囲を選択する必要があり、通常、U型、W型の吸着等温線では、0.05−0.25の相対圧範囲で計算します。
図に示したようなT型の等温線の場合は、相対圧範囲を0.001-0.05で計算するとほぼ直線となり、Langmuirと近い値が得られます。
- 錠剤薬の比表面積測定データ

- 低比表面積サンプル再現性測定データ

- 活性炭の比表面積細孔分布測定データ
