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検査技師のためのマンスリー形態マガジン

Q19. 血液像の細胞同定を行って下さい。 解答と解説

 
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選択細胞
1 リンパ球(大型)
2 異型リンパ球
3 異常リンパ球(分類不能細胞)
4 単球

 

【ねらいと解説】 

今回はリンパ球の形態を取り上げました。
@、Aの各2個の細胞は類似してみえますが異なるものと思われます。
@のねらいは、N-C比と核クロマチン量の所見にあると思われます。
A.は赤血球に重なって本来の大きさが不明ですが、12時方向に僅かに細胞質がみられますので N-C比はかなり高いようです。また、核クロマチンは増量しているため異常リンパ球を思わせます。
一方、B.は大型でN-C比はさほど大きくなく、核クロマチン量は少なく伸びきったようにみえるため 変性のリンパ球を思わせますが、細胞質の好塩基性を考慮します異型リンパ球も疑うことになるでしょう。しかし、働きのなくなったリンパ球の核は濃縮し、細胞質は好塩基性の色調をとることが ありますので変性リンパ球でもおかしくはありません。
Aのねらいは、核形不整と核クロマチン網工の所見にあると思われます。
ともにN-C比が低く細胞質は好塩基性気味であることが共通所見のようです。C.は核形不整が軽度で核内への切れ込みなどがみられず、核クロマチン網工は粗鋼のようですので異型リンパ球と思われます。 一方、D.は核形不整が顕著で核クロマチン網工はリンパ球にしては繊細で、一部に核小体を 認めるようですので異常リンパ球と思われます。 私見ですが、異常リンパ球の所見は正常や異型リンパ球に比べ@N-C比が高く、A核形不整が 顕著で、B核小体が明瞭、C突起や空胞などを有することが多く単一所見も重要な所見になります。

【正解】

@ A-3.異常リンパ球、 B-1.リンパ球(大型) もしくは 2.異型リンパ球
A C-2.異型リンパ球、 D-3.異常リンパ球

【正解率】

@ A.79%、 B.57%
A C.69%、 D.46%

 

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