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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第3部
 造血器腫瘍の診断〜ソフトに解析する戦略〜

リンパ性白血病と悪性リンパ腫の線引きとは

両者をクリアーに線引きすることは困難であるが、下記にように一応分けられます。

  • BおよびT細胞の前駆腫瘍として各々、白血病とリンパ腫を混在させて分類する。
    B前駆リンパ芽球性:リンパ芽球性白血病(B-ALL)/リンパ芽球性リンパ腫(B-LBL)
    T前駆リンパ芽球性:リンパ芽球性白血病(T-ALL)/リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)
  • B,T-ALLでは、腫瘍細胞は骨髄や末梢血に出現するが、B,T-LBLでは、リンパ節や節外に腫瘤を形成する。
  • 骨髄や末梢血に腫瘍細胞を認める場合は急性リンパ芽球性白血病(ALL)として、腫瘤性病変があり骨髄や末梢血に腫瘍細胞を認めない場合はリンパ芽球性リンパ腫(LBL)とするのが適切と思われる。
  • 一般に腫瘤性病変があり、骨髄での腫瘍細胞が25%未満の場合はリンパ腫の名称が使用されることが多い。
  • 腫瘍細胞が発見される場所によって、血液学的疾患名称や病理学的疾患名として診断される。
  • WHO分類では、病変は異なるもののリンパ系細胞の腫瘍性増殖という点では同じということで、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)とリンパ関連白血病との区別はしていないようです。例えば、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫、リンパ芽球性白血病/リンパ腫として表記されています。

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