HOME > 血液検査コーナー > 検査技師のためのマンスリー形態マガジン > 症例20 解説と解答

検査技師のためのマンスリー形態マガジン

症例20 解説と解答
60歳代.男性例です。表現型所見と形態診断を行って下さい。

RBC345万/μl, Hb 11.0g/dl, Ht 32.6%, PLT 11.4万/μl, WBC 22,100/μl ,
BM-ANC 13.4万/μl, 脾腫大(++), リンパ節腫大(−), PO染色(−)

 
 
[PB-MG.×400]
拡大して見る
[PB-MG.×1000 ]
拡大して見る
 
 
[BM-MG.×400]
拡大して見る
[BM-MG.×1000 ]
拡大して見る

 

【解答の選択】

A:表現型検査所見
1 CD5(+),19(+),20(±),HLA-DR(+)sIg(±)であること。
2 CD10(+),19(+),cCD79a(+),cCD22(+),HLA-DR(+)であること。
3 CD19(+), 20(+), FMC7(+),HLA-DR(+),sIg(++)であること。
4 CD13(+),33(+), HlA-DR(+)であること。

B:形態診断
1 前リンパ球性白血病
2 慢性リンパ性白血病
3 急性リンパ性白血病
4 急性骨髄性白血病

【ねらいと解説】

高齢の男性例です。
リンパ節腫大を認めない脾腫大(孤立性脾腫)を認め、末梢血では白血球の増加(22,100/μl)がみられ、血液像にてリンパ球が85%(18,785/μl)と増加していました。
リンパ球の形態は中型で、N/Cは高く、核形不整や核小体を認め、核クロマチンは粗網状で細胞質に突起を認めるものがあり、異常リンパ球と解釈して前リンパ球を疑います。異常リンパ球が5,000〜10,000/μlを超えることは単一様式であるため腫瘍性を考えます。
周囲には核影がみられますが、これはリンパ系にみられることが多く、しかも腫瘍性においてよくみられるようです。
骨髄でも末梢血同様に前リンパ球が80%と増加していました。
前リンパ球はPO染色に陰性ですから、表現型の検索が必要になります。
本例は、CD19、CD20、FMC7、HLA-DRに陽性がみられ、表面免疫グロブリン(sIg)が陽性であったことより前リンパ球性白血病(Prolymphocytic leukemia:PLL)と診断されました。本型は慢性リンパ性白血病(CLL)と鑑別を要しますが、形態的には前リンパ球が末梢血で55%以上を占め、表現型はB-cellの性格でFMC7が陽性、またsIgの発現が強度であることが診断につながります。

【解答】

A-3、B-1

【正解率】

A.86%、B.100%

 

形態マガジンTOPへ戻る
「Q20 解答と解説」 を見る→



 

ページトップ