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「ネットで形態」 血液形態自習塾 第3部
 造血器腫瘍の診断〜ソフトに解析する戦略〜


骨髄異形成症候群Myelodysplastic syndrome(MDS)

  • 骨髄異形成症候群(MDS)はクローナルな後天性造血障害で慢性に経過する治療抵抗性の貧血・血球減少(不応性貧血refractory anemia)と急性骨髄性白血病へ移行しやすい前白血病状態preleukemiaを併せもつ予後不良の骨髄疾患である。
  • 血液学的には血球異形成像(形態異常)と無効造血に特徴づけられる。
    1〜3系統に10%以上の異形成dysplasiaがみられ、芽球の軽度増加をみる。
  • 骨髄中や末梢血に20%を超えない点で急性骨髄性白血病と区分され,また異形成があることで貧血症とも区分される。
  • 病型によって進展は異なり骨髄不全死や急性骨髄性白血病へ移行する。
  • 血球減少の程度については国際予後スコアリングシクテム(IPSS)で提唱されている予後層別化の数値ではなく、軽度の血球減少でも他の条件を満足すればMDSの診断となる 。


骨髄異形成症候群Myelodysplastic syndrome(MDS)


Hb(g/dL) 好中球数(/μL) 血小板数(/μL)
IPSS予後層別化指標 <10 <1,800 <10万
MDSの血球減少指標 <13(男)
<12(女)
<1,800 <15万

宮崎泰司:WHO分類改訂第4版による白血病・リンパ系腫瘍の病態学.中外医学社.2019



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