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症例24

年齢 2歳未満
現病歴 1ヶ月前より発熱あり、近医にて白血球増加を指摘され、白血病の疑いにて当院に入院となる.
出血傾向、肝脾腫大、リンパ節腫大あり.
血液学所見 WBC(/μl) 130,700 RBC(万/μl) 251
Hb(g/dl) 7.6 Ht(%) 24.5
PLT(万/μl) 5.6 MCV(fl) 97.6
MCH(pg) 30.2 MCHC(%) 31
血液像(%) Blast 48, Mo 35,
FDP 9.2 ng/ml,D-ダイマー 4.8μg/ml
骨髄所見 NCC(万/μl) 22.5  
Blast 33%、Myeloid 35%、Mono. 27%
生化学所見 LDH 1,051 IU/l

 
[末梢血×1000.MG染色
芽球様細胞と単球系細胞がみられる.
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[骨髄×400.MG染色
骨髄系を思わせる細胞が優位で赤芽球の抑制がみられる.
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[骨髄×1000.MG染色
芽球様細胞(33%)、骨髄系(35%)、単球系(27%)の混在がみられる.
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[骨髄×1000.PO染色
PO染色で陽性と陰性がみられる.
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[骨髄×400.EST二重染色]
α-NB染色に陰性である.
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解説&臨床診断



 正解 : 5 急性骨髄単球性白血病(M4)

拡大した形態画像には、解説が含まれています。

年齢 2歳未満
〜前発信〜
末梢血所見から 白血球増加(130,700/μl)の分類にて芽球様細胞が48%みられる.
また単球の増加(45,745/μl)をみる.
骨髄所見から 骨髄では芽球様細胞は33%であり、以下骨髄系35%、単球系が27%と混在がみられる. 好酸球や好塩基球の増加はみられない.
細胞化学所見から 芽球様細胞はPO染色に陽性であり、骨髄系を証明するものである.
分化段階の細胞については骨髄系は陽性で、単球系は陰性が多くみられた.しかし、単球系細胞はEST染色(α-NB)に陰性である.
【形態診断】 末梢血にて単球が5,000/μl以上であり、骨髄にてPO陽性芽球が20%以上を占め、骨髄系と単球系の混在を考慮するとAML-M4を考えた.
単球系のEST陰性については、PO染色所見で充分補填するものであり診断した.
〜後発信〜
【臨床診断】 骨髄における芽球の割合と骨髄系と単球系の混在よりAML-M4と診断された.血清リゾチーム125.2μg/mlの上昇がみられ診断を支持するものであった.
単球系のEST染色陰性については文献的に10〜20%の陰性例の報告がある.
WHO分類 特異的染色体異常を伴わないAML
☆M4 (Acute myelomonocytic leukemia )


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