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症例44

年齢 60歳代
現病歴 両頚部、右腋窩リンパ節腫脹に気づき来院し精査のため、骨髄検査、リンパ節生検が試行された.
血液学所見 WBC(/μl) 6,900 RBC(万/μl) 431
Hb(g/dl) 14.1 Ht(%) 38.7
PLT(万/μl) 24.2 MCV(fl) 89.7
MCH(pg) 32.7 MCHC(%) 32.7
血液像(%) St-Seg 54 , Ly 40, Mo 3, Eo 2, Ba 1,
骨髄所見 NCC(万/μl) 8.4 Mgk(/μl) 18.8
Abnormal ly 50% M/E比 1.12 
生化学所見 LDH 275 IU/l, Ca 9.3 mg/dl, UA 5.0 mg/dl

 
[骨髄×400.MG染色
低形成像のなかややN/C比が高い芽球様細胞がみられる.
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[骨髄×1000.MG染色
芽球様細胞は大型でクロマチンは粗網状で空胞が顕著である.
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[骨髄×1000.PO染色
芽球様細胞はPO染色に陰性である.
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[頚部リンパ節×400.HE染色]
大型の円形核細胞は核形不整で明瞭な核小体を有する.
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[頚部リンパ節×200.免疫染色]
大型細胞はCD20に陽性である.
(久留米大学病理部 大島孝一先生よりご提供されたもの
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解説&臨床診断



 正解 : 2 び慢性B大細胞型リンパ腫(DLBCL)

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年齢 60歳代
〜前発信〜
末梢血所見から 白血球(6,900/l)の分類は、好中球54%、リンパ球40%と著変はない.
骨髄所見から 骨髄は低形成ながらも大型で芽球様細胞が50%みられる. それらは核形不整が顕著で空胞を有する. クロマチンは粗網状で細胞質の好塩基性は中等度である.
細胞化学所見から 異常リンパ球はPO染色PAS染色EST染色に陰性である.
【形態診断】 芽球様細胞は形態学的ならびにPO染色が陰性よりリンパ球系が考えられる.
芽球様細胞は大型で形態異常が強く、顕著な空胞については、sudanU染色が陰性より脂肪の存在(Burkittリンパ腫)は除外し、非ホジキンリンパ腫の大細胞型を考えた.
〜後発信〜
表面形質から CD19、CD20、CD22、CD79a (+)
【臨床診断】 骨髄のリンパ系細胞は、表面形質からB細胞を支持するものであり、リンパ節生検では増生するリンパ腫細胞は大細胞型で、核形不整が強く、核小体が明瞭であり、免疫染色にてCD20が陽性などの所見より、び慢性B大細胞型リンパ腫と診断された.
WHO分類 成熟B細胞性腫瘍 Mature B-cell neoplasms
☆び慢性B大細胞型リンパ腫 Diffuse large B-cell lymphoma
(DLBCL)


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