症例21
年齢 | 50歳代 | |||
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現病歴 | 感冒様、微熱にて来院し血液検査にて白血病を疑われ入院となる. 来院15日前に左下肢皮下出血、尿道出血あり. |
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血液学所見 | WBC(/μL) | 22,790 | RBC(万/μL) | 309 |
Hb(g/dL) | 9.8 | Ht(%) | 29.6 | |
PLT(万/μL) | 2.8 | MCV(fL) | 95.7 | |
MCH(pg) | 31.7 | MCHC(%) | 33.1 | |
血液像(%) | Blast様 | 92.0 | ||
骨髄所見 | NCC(万/μL) | 7.7 | MgK (/μL) | 0 |
Blast様 | 98.0 | |||
生化学所見 | LDH 428 U/L, CRP 13.4 mg/dL |
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[骨髄×400.MG染色] N/C比の低い芽球様細胞が増加してみられる. |
[骨髄×1000.MG染色] 芽球様細胞は12〜18μmで、N/C比は低くクロマチンは粗網状である. |
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[骨髄×1000.MG染色] 芽球様細胞は核小体が著明でアウエル小体を認めることで骨髄系を考える. |
[骨髄×1000.PO染色] 芽球様細胞はPO染色に3%以上(実際は100%)陽性より骨髄系を考える. |
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[骨髄×1000.PAS染色] 芽球様細胞はPAS染色に陰性である. |
正解 : 2 急性骨髄性白血病(M1)
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年齢 | 50歳代 |
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〜前発信〜 | |
末梢血所見から | 白血球増加(22,790/μL)の分類にて芽球様細胞が92%みられる. |
骨髄所見から | 骨髄にて芽球様細胞は98%と増加し、N/C比低く、核小体が著明である. 芽球様細胞にはアウエル小体を有するものが26%もみられ、結構長いものが目に着く. |
細胞化学所見から | 芽球様細胞はPO染色に強弱合わせ100%が陽性であり、骨髄系が示唆される. EST染色、PAS染色には陰性である. |
【形態診断】 | 骨髄にて芽球がNECの90%以上、PO陽性芽球が3%以上を占めることよりAML-M1を考えた. |
〜後発信〜 | |
表面形質から | CD13、CD33、CD34、CD7、HLA-DR (+) |
染色体所見から | 46,XY |
【臨床診断】 | 骨髄における芽球の割合とPO陽性よりAML-M1と診断された. 初診のCRPの上昇は感染症も考えられ、AMLの治療はJALSG-AML201が開始された. |
WHO分類(2022) | 芽球の分化段階で定義されるAML(AML, defining by differentiation) ☆未分化型AML(AML without maturation) |