HOME > 臨床検査分野 > Quality Leaders Digest > Vol.22:群馬県・医療法人愛弘会横田マタニティーホスピタル 産科医療を支える横田マタニティーホスピタル

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Vol.19:東京都・杏林大学医学部付属病院 3つの検査体制をワンフロア化、迅速な検査報告を実現 人的配置を最適化し、患者サービスに重点を置いた検査室へ

  開院以来、分娩と不妊治療に取り組み続けている「医療法人愛弘会横田マタニティーホスピタル」(群馬県前橋市)―。1980年の開院以降、同院で不妊治療を受け妊娠した女性は2014年早々にも1万人に達する。同院ではこの9月、不妊治療に欠かせない性ホルモン検査に「Access 2」を導入。同院の横田佳昌理事長に、Access 2導入の経緯と今後の展望について伺った。

横田理事長

  横田マタニティーホスピタルは35床で、産婦人科、生殖医療婦人科、小児科、麻酔科を持ち、公園を挟んだ場所には横田レディースクリニックを有する。女性の健康と出産をトータルで支える医療機関だ。
同院は1980年に分娩・不妊治療専門のクリニック「横田産婦人科内科医院」として開院。小児科の設置、増床などを経て診療体制を強化してきた。年間の出産は約1200人。群馬県の年間出生数1万4914人(12年)のうち、およそ10人に1人が同院で生まれており、群馬の産科医療を支えている。
開院以来、不妊治療への取り組みも続けている。1日に約100〜150人が来院する同院生殖医療センターではタイミング指導や排卵誘発剤投与、人工授精の一般不妊症治療に加え、体外受精や顕微授精、凍結胚移植、精巣生検といった高度生殖医療も実施している。同院の特徴は、年間およそ400例に及ぶ不妊治療後の妊娠例の中で、一般不妊症治療が70〜80%を占める点だ。他院で高度生殖医療を受けた後転院してきた患者でも、一般不妊症治療で妊娠する例は少なくないという。
今年8月から10月末までの直近の妊娠例101例を見てもARTは20例だった。1980年の開院以来、同院が取り扱った分娩数は2万6000人を超え、不妊治療で妊娠した患者も来年には1万人に達する見通しだ。

導入理由は「再現性と信頼性」

佐藤検査技師長(左)、中川技師(右)と検査室のみなさん  同院が性ホルモン検査を「Access 2」に切り替えたのは、今年9月のことだ。従来は他社の機器を使用していたが「検査データが不安定で、再現性に心配があった」と中川技師は振り返る。横田理事長も「以前の機器はエストラジオールの再現性があまり良くないことが気に掛かっていた」と話す。データの不安定さを感じていた時期にタイミングよくAccess 2の提案があったことが、機器の切り替えを後押しした。
中川技師は「以前はデータが気に掛かると何度か再検を行っていたが、Access 2は再現性が良く、以前と比べて再検率は低下している」と述べ、データの信頼性が高まったとAccess 2を評価する。横田理事長も「大病院や検査センターにも導入されている機器。信頼性は高い」と、今後もAccess 2で測定する検査項目の拡大に期待感を示す。


エンブリオロジストが「高度生殖医療の主役」

クリニック外観

  同院は99年に日本国内で初めて「急速凍結法(ガラス化法)」による胚盤胞凍結での妊娠・出産に成功した。横田理事長は同院に勤めるエンブリオロジスト・佐藤節子検査技師長の貢献が大きかったと振り返る。
横田理事長は「エンブリオロジストは体外受精や顕微授精の主役」と述べ、不妊症治療のニーズが高まる中で期待は大きいと指摘する。さらに技術面だけではない活躍も求めている。不妊症治療には患者に精神的な負担がかかる。患者の精神的ケアなどで不妊症看護認定看護師も活躍しているが、横田理事長は「検査結果を説明でき、生殖医療に直接携わるエンブリオロジストが接した方がよいのではないか」と述べ、心のケアに関してもエンブリオロジストの役割に期待している。

「より内容の濃い医療を」

  横田理事長は「開院時より患者の年齢層は上がっている」と指摘する。30年前は30〜34歳だったボリュームゾーンが、現在は35〜39歳になった。また、現在では無痛分娩の割合も40%近くまで達し、提供する医療技術も格段に向上した。
人口動態が変化し、出産する人口も減少している。横田理事長は「今後は分娩も減り産科は集約化していくだろう」との見通しを示した上で、「分娩数の多少ではなく、患者さんにとってより内容の濃い医療を提供していきたい」と今後を展望している。

(The Medical & Test Journal 2013年12月21日 第1256号掲載)

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