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病院検査室紹介Quality Leaders Digest

千葉県・亀田総合病院 迅速診断を支えるフローサイトメトリー検査 新人今日育成制度により臨床で活躍するスタッフを育成

同院で活躍する「Navios」と臨床検査部スタッフ
同院で活躍する「Navios」と臨床検査部スタッフ

フローサイトメトリー(FCM)検査を行うには、高い技術と知識が臨床検査技師に求められる。亀田総合病院(千葉県鴨川市)には、臨床検査部と臨床サイドが連携して、臨床検査技師を育成する土壌が形成されている。その中で、臨床サイドから求められる高水準なFCM検査にも応えられるよう、臨床検査技師の知識と技術が日々、積み上げられている。

大塚氏と末永氏(写真右)
大塚氏と末永氏(写真右)

同院臨床検査部では「臨床の分かる検査技師の育成」を最重要視している。同院の大塚喜人氏(医療法人鉄蕉会医療管理本部臨床検査管理部長)は「いま臨床検査技師に求められているのは、技術と知識のレベルをともに向上させ、診断や治療に生かせる検査を提供することだ」と指摘。同院ではさまざまな人材育成プログラムを展開していると話す。その1つが「初期研修制度」だ。
初期研修制度は、大塚氏が同院へ赴任した2007年から実施しているもの。まず、1年目の検査技師を「初期研修スタッフ」として各部門をローテーションさせ、最初の10カ月間ですべての検査部門を1巡させる。初期研修を終えた検査技師は、配属を希望した部署で研さんを積み、次年度には後輩を教える立場となって、さらに自己の知識・経験を積み重ねていく。こうした取り組みにより、通常3〜5年かけて到達するレベルに、同院の検査技師は1〜2年で到達するという。 また、従来は年間1〜2題だった学会発表演題数も、現在では約50題に上るなど「スタッフの意識は大きく改革されている」(大塚氏)。

また、現在は「R-CPC」(Reversed CPC)を月1回開催。検査データを読み取り、診断につなげるテクニックを身に付ける勉強会を行っている。勉強会には毎回、臨床医を招き、データ解釈の仕方についてレクチャーを受けている。


血液疾患を診る上で フローサイトメーターは必須

同院にとって最優先されるのは、患者のメリットにつながるかどうかだという。そのため、検査室では広範な検査メニューを受け持ち、積極的に院内測定を行っている。フローサイトメトリー(FCM)検査もその1つだ。
FCM検査に対応する検査技師は現在4人。ハイエンドクリニカルフローサイトメーター「Navios」を中心に運用している。主な検査は、造血器悪性腫瘍細胞検査が月140件、T細胞サブセット検査が月100件CD34陽性細胞数の測定が月に1〜2件。必要な場合には、オンコール体制で迅速検査を行うこともある。


亀田総合病院外観

FCM検査の意義について、同院血液・腫瘍内科の末永孝生部長は「急性白血病や悪性リンパ腫などの患者では、迅速な確定診断と治療が不可欠な腫瘍関連緊急事態(オンコロジー・エマージェンシー)のケースが多い」と説明。「検査を外注に出すと、治療にはとても間に合わないが、FCMが院内にあれば数時間で結果が分かる」と述べ、「血液疾患を診る上でFCMは必須の検査だ」と指摘する。また、同院では骨髄腫などの微少残存病変(MRD) を検出する際も、データが安定するFCMで検出している。末永氏は「微少残存病変の検出には、より多色のマルチカラー解析が可能なFCMとそれを使いこなす技術が不可欠だ」と指摘。「FCMを扱う検査技師は、常に技術的なブラッシュアップが必要」との認識を示した。
FCM検査に限らず、院内検査はコストがかかるという意見もある。しかし、大塚氏は「コストの見方が重要だ」という。例えば、検査コストは、診療で使う薬剤に比べれば格段に安い。効果的に検査を行うことで、薬剤などの使用を抑え、患者負担を軽減できる可能性があるのであれば、検査室の枠にとらわれず、病院全体としての効果を考えるべきと話した。


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