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症例25

年齢 10歳代
現病歴 発熱、顔面不良
脾腫 (+)、肝腫 (−)、リンパ節腫 (−)
血液学所見 WBC(/μl) 2,000 RBC(万/μl) 360
Hb(g/dl) 11.4 Ht(%) 34.4
PLT(万/μl) 1.1 MCV(fl) 95.6
MCH(pg) 31.7 MCHC(%) 33.1
血液像(%) Blast様 1.0  
骨髄所見 NCC(万/μl) 24.2 BM-MgK 0
Blast様(%) 98.0  
生化学所見 LDH 2,310 IU/l
表面形質 CD13, CD33, CD14, CD11c, HLA-DR, TdT (+)

 
[末梢血×1000.MG染色
芽球様細胞はN/C比が低く、クロマチンは粗網状で著明な核小体がみられる(1%).
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[骨髄×400.MG染色
N/C比は低く、芽球様細胞の増加がみられる.
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[骨髄×1000.MG染色
芽球様細胞(98%)は類円形核でクロマチンは繊細網状で著明な核小体がみられる.
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[骨髄×1000.PO染色
芽球様細胞はPO染色に陰性である.
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[骨髄×1000.EST染色
芽球様細胞はα-NA染色にび慢性の陽性である.
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解説&臨床診断



 正解 : 2 急性単球性白血病(M5a)

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年齢 10歳代
〜前発信〜
末梢血所見から 白血球数減少 (2,000/μl)の分類にて芽球様細胞は1%みられる.
骨髄所見から 骨髄では、大型でN/C比の低い単球様細胞の増加を認める.
NEC中、単球様細胞は100%を占め、そのうち単芽球は98%を占める.
細胞化学所見から 単芽球はPO染色に陰性、EST染色に強陽性を呈し、NaFに阻害された.
EST染色ではα-NB染色に顆粒状、α-NA染色にび慢性陽性がみられる.
【形態診断】 骨髄にて単球系の増加、しかも単芽球が80%以上を示すことよりM5aを考える. EST染色が陽性、NaFに阻害されたことより確診になる.
〜後発信〜
表面形質から CD13, CD33, CD14, CD11c, HLA-DR, TdT(+)
【臨床診断】 骨髄にて単球系細胞が優位を占め、単芽球を98%認め、EST染色や表面形質よりM5aと診断された.
WHO分類 特異的染色体異常を伴わないAML
☆M5a (Acute monocytic leukemia )


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