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サイトメガロウイルス抗体検査

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TORCH感染症とベックマン・コールターの免疫自動測定装置

妊娠中の感染により出生児に重篤な影響を及ぼす恐れのある代表的感染症は、その原因病原体の頭文字をとりTORCH感染症と言われます。ベックマン・コールターの免疫自動分析装置では、TORCH感染症のうち、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)、風疹(Rubella)およびサイトメガロウイルス(Cytomegalovirus:CMV )の3項目のIgG・IgM抗体検査を、同時に、効率よく、短時間で簡便に測定でき、安定した値を提供いたします。


サイトメガロウイルス(CMV)とCMV感染症

サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus:CMV )はヘルペスウイルス科に属し、世界的に広く感染がみられる一般的なウイルスです。通常、健康な人が感染しても症状は軽度か無症状ですが、胎児(先天性感染児として出生)、未熟児、移植・AIDS・先天性免疫不全などの免疫抑制下の宿主には重篤な日和見感染を起こします。妊婦が初感染した場合、約40%で胎児の先天性感染が発生し、様々な中枢神経障害(小頭症、精神遅滞、運動障害、難聴など)がみられることがあります。現在の国内の先天性CMV感染の頻度は全出生児300人当り1人と、ほかの先天性代謝異常よりも多く、また、ワクチンも現時点では実用化されたものはないため、その早期対策が望まれています。1母乳を介した感染に加え、小児の唾液や尿には大量のCMVが検出されることから、家族内での感染が主な感染経路と考えられています。このほか、輸血による感染、性行為による感染もみられます。1
また、移植患者においては、CMV感染症は主に移植後3〜12週に発症しますが、移植後100日以降においても遅発性に発症する場合があり、多様な病態を示します。


CMV IgG・IgM抗体

CMVに初めて感染すると、通常、約1〜2週間でCMV IgM抗体が陽性となり、その後数か月間持続した後、消失します。時折、CMV IgM抗体は数年間にわたり低いレベルで検出されることがあり、また、再感染や再活性化(reactivation)の際にも陽性を示すことがあります。CMV IgM抗体検査結果が陽性であるということは必ずしも最近の感染を示唆するわけではなく、それはCMV感染症の診断の出発点にすぎません。 CMV IgG抗体は初感染においては2〜3週間で陽性となり、CMV IgM抗体が低下するのに伴い、緩やかに上昇し、その後、漸減しながら長期間持続します。CMV IgG抗体は過去の感染の指標となり、既往感染のスクリーニングに有用です。CMV IgG抗体が陽性の場合、CMVに対する暴露の推定的証拠となりますが、再感染(異なるCMV株の再感染が原因と考えられている)や再活性化は起きる場合があり、免疫力を意味するものではありません。 CMV IgGの血清学的検査は一般的にリスクのある集団(妊婦、移植)において個々の血清学的状態の評価に用いられます。また、CMV IgMと組み合わせて、現在の感染の診断にも用いられます。

国内の成人におけるCMV抗体保有率は、20〜30年前の調査では80〜90%でしたが、2008〜2009年の調査では、約70%に低下していることが報告されています。2  CMV抗体保有率が下がると妊娠中に初感染する確率が高くなり,胎内感染の確率も高くなります。CMVに感染したことがあるかどうかを調べる際に、CMV IgGの測定は有用です。さらに、現在の感染状態を調べるためにはCMV IgGとともにCMV IgMを、期間をあけて複数回測定することが有用です。
また、移植においては各種ガイドラインで、移植前等にCMV IgG とCMV IgMの測定を推奨しています。3, 4


ユニセル DxI 800/600システム・Access2イムノアッセイシステム専用
「アクセス CMV IgG」、「アクセス CMV IgM」の主な特長

  • IgGは35分、IgMは55分で検査結果が得られます。測定時間の短縮により検査フローがより効率化されます。
  • 血清と血漿(EDTA, ヘパリン)が使用可能です。
  • 試薬は調製不要で、簡単に使用できます。開封後は両試薬とも28日間安定です。
  • 自動測定実現により、手間をかけない効率的な運用が可能です。

アクセス CMV IgG 主な仕様

検体種/検体量 血清・血漿(EDTA・ヘパリン) / 20 µL
測定時間 35分
測定範囲 7 - 400 AU/mL
試薬安定性(開封後, 2〜10℃) 28日間
キャリブレータ安定性 開封前;2〜10℃ラベルに記載された有効期限まで
開封後;2〜10℃で90日間
キャリブレーション有効期間 28日間
判定基準 陰性:11 AU/mL未満
判定保留:11 AU/mL以上、15AU/mL未満
陽性:15 AU/mL以上
製品番号/区分 A40702/体外診
容量 50テスト×2


アクセス CMV IgM 主な仕様

検体種/検体量 血清・血漿(EDTA・ヘパリン) / 10 µL
測定時間 55分
試薬安定性(開封後, 2〜10℃) 28日間
キャリブレータ安定性 開封前;2〜10℃ラベルに記載された有効期限まで
開封後;2〜10℃で90日間
キャリブレーション有効期間 28日間
判定基準 陰性:0.8未満
判定保留:0.8〜1.0未満
陽性:1.0以上
製品番号/区分 A40705/体外診
容量 50テスト×2


参考文献

  • 厚生労働省科学研究費補助金成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業. 先天性サイトメガロウイスル感染症対策のための妊婦教育の効果の検討、妊婦・新生児スクリーニング体制の構成及び感染新生児の発症リスク同定に関する研究 ホームページより.http://www.med.kobe-u.ac.jp/cmv/index.html
  • 東寛,他:1996年から2009年の間における妊婦のサイトメガロウイルス抗体保有率の推移について.日本周産期・新生児医学会雑誌 46(4): 1273-1279, 2010.
  • 日本臨床腎移植学会 ガイドライン作成委員会編:腎移植後サイトメガロウイルス感染症の診療ガイドライン2011. 日本医学館, 東京, 2011.
  • 日本造血細胞移植学会編:造血細胞移植ガイドライン, サイトメガロウイルス感染症, 第2版.2011.(http://www.jshct.com/guideline/pdf/guideline_CMV_2.pdf)







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