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「ネットで形態」 マンスリー形態マガジン

第5回 問題と解答

問題

CASE 1〜6の血液像の細胞同定を行ってください。

 


解答

 

CASE 1

CASE 2

CASE 3

CASE 4

CASE 5

CASE 6

正解細胞

異常リンパ球

異型リンパ球

異型リンパ球

異常リンパ球

異型リンパ球

異常リンパ球

細胞の大きさ

13μm以上

13μm以上

13μm以上

13μm以上

13μm以上

13μm以上

N-C比

高い

低い

高い

高い

低い

高い

核の偏在性

なし

なし

なし

なし

ある

なし

核形不整

分葉

切れ込み

軽度

皺状

なし

軽度

核小体

なし

なし

なし

多い

なし

少ない

核網(クロマチン)

粗鋼

結節状

やや粗鋼

繊細

粗鋼

やや粗鋼

細胞質の色調

全般に
好塩基性

全般に
好塩基性

部分的に
好塩基性

淡青色

部分的に
好塩基性

淡青色

細胞質の顆粒

なし

なし

なし

なし

なし

なし

細胞質の封入体

なし

なし

なし

なし

なし

なし

細胞質の空胞

なし

ある

なし

なし

なし

なし

細胞質の辺縁

規則性

規則性

不規則性

規則性

不規則性

不規則性

細胞質の突起

なし

なし

なし

なし

なし

なし

今回のねらい

今回は、今までの籠の鳥(少数細胞)から解放されて複数の細胞から同定することに挑戦しました。 リンパ系疾患(非ホジキンリンパ腫)では、末梢血に異常リンパ球として出現することが多く、それらのタイプは意外にも特徴ある形態像を示すことで形態診断の価値は大になります。また、それには量的基準も一役かっていますのでその基準を知ることも重要となります。今回の提示例は、ほんの一部に過ぎませんが挑戦してみて下さい。 末梢血にみられる形態的特徴を示す成熟B細胞性腫瘍には、慢性リンパ性白血病、前リンパ球性白血病、ヘアリー細胞白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、形質細胞性白血病、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、バーキットリンパ腫などがあります。 また、成熟T細胞性腫瘍には、T細胞性LGL白血病、慢性NK細胞増加症、成人T細胞白血病・リンパ腫、セザリー症候群などがありますのでそれらの形態像をしっかりと目に焼き付けておくことが必要です。



解説

Case1
case1

この細胞は異常リンパ球に同定しました。
正常リンパ球に比べてN-C比が高く、核内構造が非常に粗でクロマチンの増量がみられ、核分葉あるいは核内の盛り上がり状もみられます。周囲に類似細胞の増加(単一様式)を確認した上で、このような特徴的な形態像から成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)を疑います。
免疫学的にCD4、CD25(IL-2R)、CCR4、TCRαβの陽性、また、抗HTLV-T抗体の陽性で確診されます。
本例はATLLの急性型(T細胞)にみられたものです。

Case2
case2

この細胞は異型リンパ球に同定しました。
正常リンパ球と比べると核形不整と細胞質の好塩基性が異なる所見です。クロマチンの結節も強いようです。
ポイントはN-C比が低いことから腫瘍性は否定し、好塩基性の細胞質から異型リンパ球になると思われます。周囲には多彩様式が特徴になります。

Case3
case3

この細胞は異型リンパ球に同定しました。
大型(20μm大)でN-C比は高く、核網はやや粗鋼で細胞質に部分的な好塩基性を認めます。N-C比が高いことから腫瘍性を考えますが、核は平坦状で粗鋼の状態ですので変性気味も考えられます。
部分的な好塩基性の細胞質から異型リンパ球もしくは変性リンパ球を思わせます。

Case4
case4

この細胞は異常リンパ球に同定しました。
正常リンパ球と同大ですがN-C比は高く、核網は繊細で核小体を有し、核内の皺状形成が大きく異なる所見です。核内の皺状はテイッシュを丸めたような感じにもみえます。
本細胞は免疫学的にATLLと同じヘルパーT(CD4)の性格を有しますが、CD25の陰性、また抗HTLV-T抗体の陰性が異なる所見になります。
本例はセザリー症候群にみられたものです。

Case5
case5

この細胞は異型リンパ球に同定しました。
大型(22μm大)でN-C比が低く、核形不整はなく、核小体は不明瞭、クロマチンは粗鋼で細胞質に部分的な好塩基性がみられます。N-C比が低いことや核形不整や核小体を認めないことから異型リンパ球と思われます。
ただ、核は伸びきった様子で正常のクロマチン構造も掴めないことから変性リンパ球でもよいかも知れません。

Case6
case6

この細胞は異常リンパ球に同定しました。
N-C比はやや高く、核形不整が僅かにみられクロマチンはやや繊細、核小体を認め、細胞質には好塩基性はみられず淡青色です。N-C比がやや高いこと、クロマチンが繊細なこと、核小体を認めることから異常リンパ球と思われます。周囲の単一様式を確認した上で異常リンパ球として同定します。
本例は非ホジキンリンパ腫の白血化(B細胞が末梢血に出現)したものです。

 



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