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第6回 問題と解答

問題

提示の6例は白血球増加を呈し、末梢血にリンパ球様細胞が増加していました。
臨床へ如何に報告しますか。選択項目から所見および疾患名を選んで下さい。

  • Case1<成人例>
  • 拡大
  • PB-MG.1000
  • このようなリンパ球が 3,600/μl みられました。
  • 同定する
  • Case2<成人例>
  • 拡大
  • PB-MG.1000
  • このようなリンパ球が 68% みられました。
  • 同定する
  • Case3<成人例>
  • 拡大
  • PB-MG.1000
  • このようなリンパ球が 42% みられました。
  • 同定する
  • Case4<小児例>
  • 拡大
  • PB-MG.1000
  • このようなリンパ球が 40% みられました。

  • 同定する
  • Case5<小児例>
  • 拡大
  • PB-MG.1000
  • このようなリンパ球が 82%(39,360/μl) みられました。
  • 同定する
  • Case6<小児例>
  • 拡大
  • PB-MG.1000
  • このようなリンパ球が 88%(18,832/μl) みられました。
  • 同定する

 





解説

  • Case1(成人例 PB-MG1000)
    case1
  • このようなリンパ球が3,600/μlみられました。
    【選択所見】
    1. 成熟リンパ球がみられる 
    2.顆粒リンパ球がみられる
    【考えられる疾患】
    5. 慢性NK細胞増加症
    【ねらい】
    成熟リンパ球の増加のもと顆粒を有するリンパ球(顆粒リンパ球;*LGL)が3,600/μlみられました。WHO分類の基準から顆粒リンパ球が2,000/μlを超えるものについてはT-細胞大顆粒リンパ性白血病や慢性NK細胞増加症を考えます。
    ただし、両者の鑑別は困難ですが、前者はCD3,CD8が陽性でT細胞受容体(TCR)α,β陽性とされ、後者はCD3陰性でCD16,CD56陽性とされます。   
    本例は慢性の経過でCD16,56陽性により後者に診断されました。
    * (large granular lymphocyte)

 

 

  • Case1(成人例 PB-MG1000)
    case1
  • このようなリンパ球が68% みられました。
    【選択所見】
    4. 明瞭な核小体を有するリンパ球がみられる 
    【考えられる疾患】
    4. 前リンパ球性白血病
    【ねらい】 
    N/Cが高く、明瞭な核小体を有するリンパ球が68%みられたことより異常リンパ球としてのポイントが高くなります。WHO分類では末梢血の前リンパ球が55%以上を超え、CD19, CD20, CD22, FMC7*, sIgM±sIgDが陽性によりB細胞性の前リンパ球性白血病に分類されます。本例は特徴的な臨床所見の孤立性脾腫(リンパ節腫脹を伴わない脾腫)が著明と上記マ ーカーが陽性よりB細胞性前リンパ球性白血病と診断されました。 *(B細胞活性化抗原)

 

 

  • Case3(成人例 PB-MG1000)
    case1
  • このようなリンパ球が42% みられました。
    【選択所見】
    3. 顕著な核形不整を有するリンパ球がみられる 
    5. アーテイファクト的な変性リンパ球がみられる
    【考えられる疾患】
    7. アーテイファクト(多発性骨髄腫の経過中)
    【ねらい】 
    核形不整で一部顆粒を有するリンパ球が42%みられました。CASE4.のATLLに比べ、濃染性が強いことでATL細胞を疑いますが、核形は盛り上がりがなく平坦状であり、アズール顆粒を有する点が異なる所見と思われます。また、抗HTLV-T抗体が陰性でした。本例は多発性骨髄腫の治療(メルファラン)経過中に出現したもので翌日には消失していました。

 

 

  • Case4(小児例 PB-MG1000 )
    case1
  • このようなリンパ球が40% みられました。
    【選択所見】
    3. 顕著な核形不整を有するリンパ球がみられる
    【考えられる疾患】
    6. 成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)
    【ねらい】
    核形不整はCASE3.に比べ盛り上がり状を呈し花弁状と形容される細胞が40%みられました。形態的にはATL細胞を疑うことになりますが、表面マーカーでもCD2,CD3,CD4,CD5,CD25などが陽性,抗HTLV-T抗体も証明されたことよりATLLと診断されました。

 

 

  • Case5(小児例 PB-MG1000)
    case1
  • このようなリンパ球が40% みられました。
    【選択所見】
    1. 成熟 リンパ球がみられる 
    【考えられる疾患】
    2. 百日咳感染症
    【ねらい】 
    成熟リンパ球が82%(39,360/μl)みられました。末梢血にリンパ球が5,000/μl以上を超えることは腫瘍性が疑われます。このような場合はリンパ球の質的所見から確認するようにします。全般に小〜中型リンパ球でN/Cは低く、核網(クロマチン)は粗鋼のようです ので腫瘍性のポイントは低くなります。
    本例は百日咳菌(Bordetella pertussis)が検出され、小児年齢も考慮して百日咳感染症と診断されました。

 

 

  • Case6(小児例 B-MG1000)
    case1
  • このようなリンパ球が88%(18,832/μl)みられました。
    【選択所見】
    1. 成熟 リンパ球がみられる 
    【考えられる疾患】
    4. 慢性リンパ性白血病
    【ねらい】 
    成熟リンパ球が88%(18,832/μl)みられ量的条件から腫瘍性を考えますが、本例も質的所見から確認します。全般に小型ながらN/Cが高く、一部に核網の繊細なものがみられることにより腫瘍性を考え、高齢を加味しますと慢性リンパ性白血病(CLL)を疑います。診断には表面マーカーになりますので、CD5・CD19・CD20(dim*),sIgM(dim)が陽性であったことよりB細胞性のクローナルな異常を考え、慢性リンパ性白血病(CLL)と診断されました。
    * (発現量が低い)

 



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