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第9回 問題と解答

問題

CASE 1-4における 1〜7の細胞同定を行ってください。

 


各設問の選択細胞
1.骨髄芽球
5.過分葉核球
2.後骨髄球
6.好酸球
3.桿状核球
7.好塩基球
4.分葉核球
8.単球



解説

今回のねらい

今回は顆粒球系の幼若型、好酸球、単球の捉え方を重視しました。顆粒球系では前骨髄球と骨髄球 の鑑別を提示しました。細胞の大きさに始まり核の位置、核形、細胞質の色調がポイントです。好酸球 は好塩基球と同じように骨髄球あたりから成熟へと同定することが基本になります。骨髄の単球は末梢 血に比べ同定に戸惑うことが多いようです。それは骨髄の細胞が多いことや乾燥状態によっては本来よ り縮んでみえることが原因です。しかし、単球がもつ核形不整、核網の繊細さ、細胞質の淡い好塩基性 (くすんだ色調)の特徴は同じですのでしっかり観察しましょう。

(問題)
CASE 1-4における 1〜7の細胞同定を行ってください。
(各設問の選択細胞)
1.骨髄球 2.後骨髄球 3.桿状核球 4.分葉核球 5. 過分葉核球 6.好酸球 7.好塩基球 8.単球

 

  • Case1(PB-MG1000)
    case1
  • (正解と解説)
    【正解】 1.単球
    【解説】 
    1.一見、後骨髄球に類似していますが、細胞の大きさは好中球より遥かに大きく,核網は繊細で細胞質 は少し好塩基性気味で二重構造がみられ、一部に空胞を有します。以上より単球と同定しました。 二重構造とは私の考えですが、核の周辺部と辺縁部とに異なる染色性がみられるということで、単球独 特の微細なアズール顆粒を有する場合は核の周辺 部に集合しやすく(顆粒質)、辺縁部は透明感(硝子 質)がうかがえます。

 

 

  • Case1(PB-MG1000)
    case1
  • (正解と解説)
    【選択細胞】  2.分葉核球 3.単球.
    【解説】 
    2. 核糸は不鮮明ですが分葉傾向にあるようで、クロ マチンの結節状もみられることより分葉核球に同定 しました。
    このように核が重なり合って桿状核球か分葉核球か 判定がつかないときは分葉核球とするようです( 旧NCCLS.1992,日本臨床衛生検査技師会勧告法.1996,日本検査血液学会.2003)。
    3.桿状核球に類似した単球に同定しました。
    1.と同様に細胞は好中球より大きく、核網は繊細、核形は不整、細胞質は弱い好塩基性(くすんだ色)で一部に空胞を有することで桿状核球とは異なります。

 

 

  • Case3(PB-MG1000)
    case1
  • (正解と解説)
    【正解】  4.過分葉核球 5.単球
    双方とも過分葉核としての鑑別細胞です。
    【解説】 
    4.クロマチンの結節が強く、細胞質は好酸性 で顆粒を認め過分葉の好中球と同定しました。
    結局、顆粒は二次顆粒または好中性顆粒になります。
    5.クロマチンは繊細で、細胞質は好塩基性気味で偽足をもち、顆粒を認め過分葉の単球と同定しました。結局、顆粒はアズール顆粒になります。
    単球の過分葉は正常の末梢血には見られませんが本例は化学療法後に出現したものです。ほかにMDSなどにもみられることがあります。 通常、好中球の過分葉核はhypersegmentationとよばれますが、それ以外の細胞に見られる場合はhyperlobationなどと使い分ける必要があるかも知れません。

 

 

  • Case4(PB-MG1000 )
    case1
  • (正解と解説)
    【正解】   6.桿状核球 7.好塩基球
    【解説】 
    6. 細胞の大きさ(13μm 大)と棒状の核形や粗鋼のクロマチン、淡好酸性の細胞質から桿状核球と同定しました。
    7. 核の占める割合が大きいため、N-C 比の所見から同定することになります。N-C 比は70%位ですので高いとまではないようです(80%を目途に)。
    大きさは好中球大ですので同等か少し大きめです。クロマチンの状態が掴めない状態で、しかも細胞質 には顆粒と空胞が混在しているようです。空胞は染色の段階で抜けことが考えられ、おそらく水溶性のために抜けたものと思われます。以上より好塩基球が考えられ、核の分葉がみられないことより幼若型かも知れません。

 

 

 

 



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