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第15回 問題と解答

問題

第15回
CASE 1 〜 3 を観察して頂き、CASE 1 における1 〜 4 の細胞の同定を行ってください。

  • Case2(全体像から)
  • 拡大
  • BM-MG×1000
  • Case3(全体像から)
  • 拡大
  • BM-MG×1000

各設問の選択細胞
1. 前赤芽球
4. 正染性赤芽球
2. 好塩基性赤芽球
5. 細胞質に狭小化がみられる
3. 多染性赤芽球
6. 細胞質に不染部がみられる



解説

今回のねらい

今回も先月同様、赤芽球の同定を行います。赤芽球の同定につきましては、下記の日本検査血液学会標準化委員会が2007年策定しました赤芽球系幼若細胞の分類基準試案を確認頂きながら進めてください。

赤芽球系幼若細胞の分類基準試案

前赤芽球
前赤芽球 (Proerythroblast)
直径:20〜25μm、N/C 比:60〜70%程度、核の位置:比較的中央に位置する
核クロマチン構造:顆粒状繊細、核小体:あり、濃く紫色に染まる
細周明庭を認める
好塩基性赤芽球
好塩基性赤芽球 (Basophilic erythroblast)
直径:16〜20μm、N/C 比:50〜60%程度、核の位置:比較的中央に位置する
核クロマチン構造:顆粒状、核小体:なし
細胞質:濃青色、前赤芽球に比べて濃い、核周明庭も認める
多染性赤芽球
多染性赤芽球(Polychromatophilic erythroblast)
直径:12〜18μm、N/C 比:40〜50%程度、核の位置:比較的中央に位置する
核クロマチン構造:粗大なクロマチン一部塊状、核小体:なし
細胞質:淡青色から橙紅色(ヘモグロビン色調)を認める
正染性赤芽球
正染性赤芽球(Orthochromic erythroblast)
直径:8〜10μm、N/C 比:20〜30%程度、核の位置:比較的中央に位置するが偏在することもある。
核クロマチン構造:濃縮し構造は見られない、核小体:なし
細胞質:正常赤血球とほぼ同じ色調を呈する


  • (BM-MG×1000)Case1
    case1
  • (正解と解説)
    【正解】 1.正染性赤芽球、2.好塩基性赤芽球
                3.多染性赤芽球、4.多染性赤芽球
    【解説】 
    それぞれの赤芽球には成熟段階が確認されます。この成熟段階は前回の“ねらい”で解説しました通り、細胞の大きさと細胞質の色調から判断します。今回の細胞は、2.が好塩基性、3.が多染性、1.が正染性赤芽球となります。しかし、4.は細胞質が塩基性のため、好塩基性赤芽球と鑑別する可能性があります。この細胞は、2.と比較して小さく、クロマチンは結節状となり、核は中心性であることから多染性赤芽球として同定しました。



  • (BM-MG×1000)Case2(全体像から)
    case2
  • (細胞像所見)
    細胞質に不染部がみられます。
    中央に位置する7個の細胞は赤芽球ですが、いずれも細胞質が狭く、一見リンパ球にも見えます。核と細胞質の所見から多染性赤芽球と思われます。 通常であれば、それぞれの細胞には核の成熟に合致した細胞質が確認されますが、この細胞はヘム合成の障害によって不染部が生じ、私は狭小化現象と表現しています。
    本症例は鉄欠乏性貧血ですが、鉄代謝異常でおそらく貯蔵鉄(フェリチン)の枯渇が原因である可能性が高く、血清鉄や血清フェリチンのデータを確認する必要があります。



  • (BM-MG×1000)Case3(全体像から)
    case3
  • (細胞所見)
    細胞質に不染部がみられます。
    図右側の4個の細胞は細胞質の色調やクロマチンの結節状などの所見から多染性赤芽球と思われます。いずれの細胞も細胞質の染色性にムラがあり、多染性の部分と白い部分が交錯しています。これはヘム合成の低下によって生じたもので、私は細胞質の不染部として表現しています。
    本例は鉄芽球性貧血ですが、ポルフィリン代謝異常でおそらく鉄利用障害が原因であることが考えられ、血清鉄やトランスフェリン(総鉄結合能:TIBC)のデータを確認する必要があります。


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