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第16回 問題と解答

問題

第16回
CASE 1 〜 3 の細胞像を確認頂き、1 〜 10 の細胞同定を行ってください。

各設問の選択細胞
1. 前赤芽球
4. 正染性赤芽球
7. リンパ球
2. 好塩基性赤芽球
5. 後骨髄球
8. 細網細胞
3. 多染性赤芽球
6. 桿状核球
9. 形質細胞



解説

今回のねらい

赤芽球シリーズ最後の問題となりました。血液細胞の同定は芽球から分化・成熟していく過程を以前に紹介しました “血球の成熟に伴う一般的原則:Briggs(1956)”に沿って行います。
細胞同定の際、よく経験することですが核や細胞質の所見ばかりに気を取られて細胞の大きさやN-C比を忘れてしまうことがあります。細胞の大きさは成熟段階を捉えたり、類似細胞との鑑別の指標になりますのでとても重要です。また、N-C比はすべての細胞に適応するのではなく、核を優位とする細胞群すなわち三系統の芽球やリンパ球などが対照になります。
赤芽球系細胞は細胞質の色調より命名されますので、核よりも細胞質の色調を優先して同定を行います。赤芽球によく見られる成熟乖離現象(核の成熟遅延)である巨赤芽球様変化も容易に捉えることができます。


  • (BM-MG×1000)Case1
    case1
  • (正解と解説)
    【正解】 1.前赤芽球 2.多染性赤芽球
                3.形質細胞 4.桿状核球
    【解説】 
    1.と2.は赤芽球ですが、先月の赤芽球系細胞の分類基準を参考にすると、1.の細胞は大きく、豊富な好塩基性(濃青色)の細胞質には突起を有し、核は中心性です。また、クロマチンは顆粒状で繊細なことから前赤芽球と同定します。2.の細胞は、細胞質が多染性であることから多染性赤芽球と同定しました。3.の細胞は豊富な細胞質が弱好塩基性(淡青色)で辺縁は赤味を帯びてグロブリンの存在が推測され、核偏在も重視して形質細胞に同定しました。4.は桿状核球です。



  • (BM-MG×1000)Case2
    case2
  • (正解と解説)
    【正解】 5.多染性赤芽球 6.好塩基性赤芽球
                7.多染性赤芽球 8.リンパ球
    【解説】 
    5.の細胞は、小型で細胞質が狭くて突起がみられ、Hbの合成障害が窺われます。通常では細胞質がもう少し豊富で辺縁はほぼ円形となるようです。細胞質の多染性の色調より多染性赤芽球と同定しました。6.の細胞は、形質細胞に類似していますが、好塩基性の細胞質と核は円形でやや偏在しているので好塩基性赤芽球と同定しました。7.の細胞は、細胞質に好塩基性の名残りがありますが、全体として6の細胞.より小型で、クロマチンの塊状がみられることから多染性赤芽球と同定しました。
    8.の細胞は、他の赤芽球系細胞の細胞像と比べて細胞質と核が異なるのでリンパ球と同定しました。



  • (BM-MG×1000)Case3(全体像から)
    case3
  • (正解と解説)
    【正解】 9.多染性赤芽球 10.正染性赤芽球
    【解説】 
    9.の細胞は4個の同一細胞であり、細胞質は多染性の色調でクロマチンの塊状がみられ、Hbの合成が窺われますので多染性赤芽球と同定しました。10.の細胞は、9の細胞より小型で細胞質には赤血球の色調がみられ、核の濃縮性は弱いのですが全体像より正染性赤芽球と同定しました。



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