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第17回 問題と解答

問題

第17回
CASE 1 〜 2の細胞像を確認頂き、1 〜 9の細胞同定を行ってください。

各設問の選択細胞
1. 前赤芽球
5. 前骨髄球
9. リンパ球
2. 好塩基性赤芽球
6. 骨髄球
10. 形質細胞
3. 多染性赤芽球
7. 桿状核球
4. 正染性赤芽球
8. 分葉核球



解説

今回のねらい

今回は骨髄の非造血細胞に挑戦します。三系統の細胞と比べると、直接的な造血の働きはありませんが影ながら支えていることは周知のことです。何よりも骨髄の構造を支えていることに相違なく、家に例えれば大きな柱に相当するものとなります。形態学的に造血細胞は明瞭な細胞質に核が収まっている状態ですが、非造血細胞は大部分が大型で細胞質が不明瞭(不鮮明)であることが大きな特徴です。
非造血細胞に含まれる細胞を以下に示します。
1)リンパ球、2)形質細胞、3)単球、4)マクロファージ(大食球)、5)脂肪細胞、6)肥満細胞(組織好塩基球)、7)造骨細胞、8)破骨細胞などが主に成書に書かれていますが、私見して9)組織好酸球、10)組織球、11)細網細胞、12)血球貪食細胞を追加したいと思います。これらの多くはそんなに増加することはありませんが、重症ウイルス感染症など血球減少が起こる原因となる血球貪食像や未熟な組織球の増加は悪性組織球症を疑う所見になるので重要になります。血液細胞ばかりに目がとられがちですがこれらの細胞も観察していきましょう。


  • (BM-MG×1000)Case1
    case1
  • (正解と解説)
    【正解】 1.形質細胞 2.前骨髄球
                3.好塩基性赤芽球 4.桿状核球
    【解説】 
    1.は赤芽球に似ていますが、核偏在と核周明庭より形質細胞と同定しました。2.は幼若な顆粒球にしてはやや小さいですが、核偏在と核網工が顆粒状であることから前骨髄球と同定しました。3.は細胞質が塩基性と核網工が顆粒状であることから、多染性赤芽球ではなく好塩基性赤芽球と同定しました。但し、細胞質の狭小化が認められます。多染性赤芽球にみられる場合にはヘム合成障害などが疑われます。4.は核に湾曲がみられることから桿状核球と同定しました。



  • (BM-MG×1000)Case2
    case2
  • (正解と解説)
    【正解】 5.リンパ球 6.正染性赤芽球 7.正染性赤芽球
                8.多染性赤芽球 9.好塩基性赤芽球
    【解説】 
    5はリンパ球です。6、7は小型で正染性の細胞質に核濃縮を認めることから正染性赤芽球と同定しました。これらの赤芽球系細胞は、大きさから見ると9>8>7>6、3の順となります。しかし、赤芽球の命でもある細胞質の色調からせまると8は好塩基性赤芽球となってしまいます。8は多染性または好塩基性と意見が分かれるところです。結局、多染性赤芽球のHgb合成が好塩基性赤芽球の後期から正染性赤芽球の前期までと幅広いことや細胞の分化・成熟に関する一般的原則からせまると小さいものは成熟型と捉える方が妥当かも知れませんし、同定の再現性もよくなることが推測されます。核網工は9よりも8の方がクロマチンの結節もみられるようですので8は多染性赤芽球と同定しました。9はやや大型で塩基性の細胞質より好塩基性赤芽球と同定しました。



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