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第31回 問題と解答

問題

第31回
問題 1
CASE 1〜4における末梢血液像の赤血球形態から考えられる疾患をリストより選択してください。

CASE 1-4の選択疾患
@ 正常 A 鉄欠乏性貧血 B 鉄芽球性貧血 C 巨赤芽球貧血
D 球状赤血球症



問題 2
CASE 5-6における骨髄のPO染色像から考えられる病型をリストより選択してください。

CASE 5-6の選択病型
@ 急性骨髄性白血病(M1) A 急性骨髄性白血病(M2)    
B 急性骨髄単球性白血病(M4) C 急性前骨髄性白血病



今回のねらい

今回は、新たに末梢血液像の赤血球形態に挑戦します。赤血球の形態異常は、貧血症を診断する上でとても大切ですので発生の機序など病態生理学的知見の習得が重要となります。
また、特殊染色におけるPO染色の陽性態度判定に再び挑戦しました。




解説

  • (PB-MG×1000)Case1

    (PB-MG×1000)Case2

    (PB-MG×1000)Case3
    (PB-MG×1000)Case4
  • (正解と解説)
    【正解】

    (CASE 1) 2. 鉄欠乏性貧血
    (CASE 2) 5. 球状赤血球症
    (CASE 3) 4. 巨赤芽球性貧血
    (CASE 4) 3. 鉄芽球性貧血

    【解説】 

    (CASE 1)
    細胞質の中央淡明部(central pallor)が、1/3以上を占める菲薄赤血球(leptocyte)を中心とした奇形赤血球像の所見を呈しています。これは、何らかの要因で鉄欠乏状態が惹起され、結果として貯蔵鉄の減少からHb濃度が低下し、低色素性赤血球が出現します。また、この症状から奇形赤血球の出現が伴えば、鉄欠乏性貧血の重症度は増し、貯蔵鉄の枯渇も考えられ、血清フェリチンは大幅に減少します。
    尚、本症例は、MCV 53.8fl、MCHC 28.6%の小球性低色素性貧血を呈した鉄欠乏性貧血の症例です。
    (CASE 2)
    赤血球の中央部に淡明がなく、厚みが増した小径の赤血球が出現しており、これらは小円形状で全体がHbの色調に濃染しています。これらは、球状赤血球であり、正常赤血球に比べて表面積/体積比が減少しています。球状赤血球は、変形能が悪く、浸透圧抵抗も低下しているため、容易に溶血を来します。
    本症例はMCV 78.3fl、MCHC 37.0%の正球性高色素性貧血を呈した球状赤血球症の症例です。
    (CASE 3)
    正常赤血球の直径は約8μmで、大赤血球は9.5μm以上、巨赤血球では12μm以上となります。
    本症例は、巨大な赤血球が目につき、MCV 133.0fl、MCHC 33.5%の大球性正色素性貧血を呈した巨赤芽球性貧血の症例です。巨赤芽球性貧血では、赤芽球の核のDNA合成障害により大球化が起こり、その多くはビタミンB12や葉酸の欠乏が要因とされています。
    (CASE 4)
    末梢血には、正常赤血球(正球性正色素性)と菲薄赤血球(小球性低色素性)が混在しており、これらを二相性(二形成)赤血球といいます。これらはヘム合成障害による鉄利用障害が要因となり、Hb濃度が低下し、低色素性赤血球が出現します。
    尚、本症例は、MCV 54.1fl、MCHC 29.6%の小球性低色素性貧血を呈した鉄芽球性貧血の症例です。



  • (BM-PO×1000)Case5

    (BM-PO×1000)Case6
  • (正解と解説)
    【正解】
    (CASE 5) 3. 急性骨髄単球性白血病(M4)
    (CASE 6) 2. 急性骨髄性白血病(M2)

    【解説】 

    PO染色の判定は、陽性(強度)、陰性、弱陽性となります。まず、末梢血の正常血球の判定を基準にします。即ち、顆粒球系細胞は、全般的に陽性、単球は、陰性から弱陽性、リンパ球は陰性になります。但し、顆粒球系細胞の中で、好中球は陽性、好酸球は強陽性、好塩基球はもともと陽性ですが、染色の過程で陰性となります。(陽性の場合もあります)
    (CASE 5)
    陽性細胞は、顆粒球系で芽球(2時方向)と前骨髄球(6時方向)です。単球は陰性であることから、顆粒球系と単球系の細胞の混在が示唆されます。
    尚、本症例は、芽球が20%以上を占めたためにAML-M4と診断されました。
    (CASE 6)
    陽性細胞は、顆粒球系(好中球性)細胞で、小型細胞は芽球、大型細胞は前骨髄球が推測されます。また、全体として陽性傾向であることから顆粒球系の分化傾向が覗えます。
    尚、本症例は、芽球が20%以上を占めたためにAML-M2と診断されました。



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