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「ネットで形態」 マンスリー形態マガジン

問題

第42回
問題 1
CASE A,Bにおける末梢血液像の細胞同定をリストより選択してください。

選択細胞
@ 骨髄芽球 A 前骨髄球 B 骨髄球  C 後骨髄球 
D 桿状核球 E 分葉核球 F 好酸球 G 好塩基球
H 異常リンパ球 I 異型リンパ球 J リンパ球



問題 2
骨髄像から考えられる病型をリストより選択してください。

15-20歳.女性  主訴:発熱・倦怠感
WBC6,100/μL,Hb11.7g/dL,PLT18.7万/μL,MCV99.7fL
BM-NCC14.6万/μL(Blastoid cell 95%)
  • 拡大
  • BM-MG ×400
  • 拡大
  • BM-MG ×1000
  • 拡大
  • BM-PO ×1000
  • 拡大
  • BM-EST二重 ×400

考えられる病型
@ AML-M1 A AML-M2 B APL-M3(顆粒豊富型) C APL-M3(微細顆粒型)
D AML-M4 E AML-M5b



今回のねらい

今回は末梢血の細胞同定と症例を提示しました。
末梢血に幼若細胞が出現することがありますので、血球の分化過程は熟知しておくことは必要です。
疾患では特徴ある形態像を提示しました。芽球としての認識と形状そしてPO染色、EST染色の所見を参考にして病型を考えてみて下さい。

 




解説

  • ( PB-MG ×1000 )Case1

    ( PB-MG ×1000 )CaseB
  • (正解と解説)
    【正解】

    (CASE A) 1-B.骨髄球、2-A.前骨髄球、3-B.骨髄球
    4-D.桿状核球、5-G.好塩基球

    (CASE B) 1-I.異型リンパ球、2-I.異型リンパ球
    3-J.リンパ球

    【解説】

    (CASE A)
    1.2.3.は類似する細胞です。1.と3.に比べると、2.は大きさが18μm大と大きく、クロマチン網工はやや繊細で6時方向には核小体がみられ、細胞質は弱いながらも好塩基性で、少数ながらアズール顆粒を認めることより前骨髄球に同定しました。それに対して1.と3.の核は類円形で、クロマチン網工はやや粗剛で好酸性の細胞質に小さな二次顆粒を有することより骨髄球に同定しました。4.は核の湾曲とクロマチンの結節が一部みられることより桿状核球に同定しました。
    5.は14μm大で核縁が不鮮明、細胞質には紫赤色の好塩基性の顆粒を有することより好塩基球に同定しました。好塩基球はもともと水溶性の性質より、染色の工程で顆粒が抜けることが多く、抜けたあとは空胞が観察ポイントになります。
    (CASE B)
    1.と2.は18~20μm大の同じような形状を呈しています。1.の方に一部アズール顆粒を認めます。
    双方ともにN/C比は低く、核形不整は軽度、クロマチン網工は粗剛で、細胞質の好塩基性は強いことより異型リンパ球に同定しました。本細胞においてはアズール顆粒は稀にみられます。
    3.も同様に異型リンパ球系と思われますが、異型リンパ球の大きさの基準が16μm以上とされますので、分類上はリンパ球の範疇になる可能性が高くなります。
    色調の判定には個人差があるため、再現性や相関を高めるには大きさの基準で踏み切ることも必要になります。



  • ( BM-MG ×400 )
    ( BM-MG ×1000 )
    ( BM-PO ×1000 ) ( BM-EST二重 ×400 )
  • (正解と解説)
    【正解】

     C.APL-M3(微細顆粒型)

    【解説】 

    本例は白血球が正常(6,100/μL)で血小板は正常(18.7万/μL)です。
    しかし、骨髄で芽球様細胞が95%も増加しているようです。芽球様細胞は23μm大で、N/C比は高く、核形不整は顕著で、細胞質には小型のアズール顆粒を認めます。核形不整は亜鈴状核を思わせます。全視野を探すなかでフアゴット状のアウエル小体を認めました。ちなみに末梢血には僅か2%の出現でした。
    これらの芽球様細胞はPO染色に陽性で一部にはベタッとした陽性を呈するものも見受けられ、EST二重染色ではクロロアセテートにのみ強陽性のようでした。
    形態学的に顆粒が少ないことから単球系も思わせますが、PO染色が強度であること、EST二重染色でブチレートに陰性であることからそれは除外されます。
    従って、急性前骨髄球性白血病(APL)の微細顆粒型を疑うことになり、マーカーでHLA-DRの陰性、15;17転座/PML-RARA遺伝子変異の結果を待つことになります。
    結局、マーカーでCD33強陽性・HLA-DR陰性そしてt(15;17)(q22;q12)/PML-RARA遺伝子変異を認めたことよりAPL-M3の微細顆粒型と診断されました。
    本型は、増殖の速度が速いことや白血球の著増例が多くみられますが、白血球数については本例は非典型例であるかと思われます。



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