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問題

第50回
問題 1
末梢血液像の細胞同定をリストより選択して下さい。

選択細胞
@ 骨髄芽球 A 前骨髄球 B 骨髄球 C 後骨髄球
D 桿状核球 E 分葉核球   F 好塩基球  G リンパ球 
H 単球



問題 2
骨髄像の細胞同定をリストより選択して下さい。

選択細胞
@ 骨髄芽球 A 前骨髄球  B 骨髄球 C 後骨髄球 
D 桿状核球 E 分葉核球   F 好塩基球  G リンパ球
H 単球 I 好酸球 J 幼若好酸球 K 幼若好塩基球



今回のねらい

今回も末梢血液像および骨髄像の細胞同定に挑みます。
骨髄には静脈洞との間に関所のような働きをする血液骨髄関門(小孔)があり、幼若細胞は骨髄内にとどまり、成熟した血球のみが小孔を通過して末梢血液に流れ天命を全うすることになります。
従って、幼若細胞や赤芽球などが末梢血に出現していることは、骨髄に異常反応が起こった証拠で、癌細胞の骨髄転移や白血病細胞の増殖などにより小孔にトラブルが発生していることが予測されます。これを白赤芽球症といいます。
このように骨髄と静脈洞は隣り合わせのため、骨髄穿刺における骨髄液採取には末梢血の混入を考慮して検査を進めることになります。



解説

問題 1

(正解と解説)
末梢血液像の細胞同定です。ここでは、リンパ球と単球の鑑別と顆粒球(好中性)の分化・成熟過程における鑑別です。幼若顆粒球は通常末梢血には出現しませんが、骨髄のバリア(小孔)に破綻を来たし出現したものと思われます。本例はCMLの例です。

【正解】

(CASE A) 1-H.単球、2-E.分葉核球、3-G.リンパ球
(CASE B) 1-D.桿状核球、2-A.前骨髄球、3-B.骨髄球、4-B.骨髄球、5-C.後骨髄球、6-D.桿状核球

【解説】

(PB-MG×1000)
(CASE A)
2.の分葉核球は5~6分節を有し過分葉気味のようです。1.は好中球に比べ大きく18μm大で、核形は不整、核網工は繊細で灰青色の細胞質に微細なアズール顆粒を認めることより単球に同定しました。3.は好中球大で、N/C比はやや高く、核網工は粗剛で淡青色の細胞質よりリンパ球に同定しました。
(PB-MG×1000)
(CASE B)
同系の細胞の鑑別は、血球の成熟に伴う一般的原則(Diggsら.1956)に従い同定することになります。すなわち、幼若から成熟につれ、細胞は大型から小型になり、核網工は繊細から粗に、核小体は明瞭から消失へ、核形は円形から固有の形状に、細胞質は好塩基性から好酸性に、顆粒は一次顆粒から二次顆粒へと変化します。これらの所見を重視しながら観察すると、2→3・4→5→1・6の順に成熟度が増すことで上記のように同定しました。
2.と3・4.の鑑別として、2.は大型で核は類円形、ゴルジ野の発達で核は偏在し、弱い好塩基性の細胞質に少数ながら一次顆粒(アズール)を有する前骨髄球、3・4.は小型になり核はほぼ円形、好酸性の細胞質に二次顆粒を有する骨髄球、5.はさらに小型になり核は陥没の楕円状の後骨髄球、1.と2.は最も成熟傾向がうかがえ、核にくびれがないものとして桿状核球に同定しました。


問題 2

(正解と解説)
骨髄像の細胞同定です。末梢血と同様に顆粒球(好中性)の分化・成熟過程における鑑別と幼若好酸球を提示しました。

【正解】

(CASE A) 1-A.前骨髄球、2-D.桿状核球、3-B.骨髄球、4-C.後骨髄球、5-E.分葉核球
6-C.後骨髄球、7-A.前骨髄球、8-G.リンパ球

(CASE B) 1-B.骨髄球、2-J.幼若好酸球

【解説】

(BM-MG×1000)
(CASE A)
先述したように顆粒球の成熟に伴う一般的原則に従うと、1→7→3→4・6→5の順になるようです。1.は20μm大の大型でゴルジ野の発達にアズール顆粒が豊富な前骨髄球です。
3.と7.は類似しており、両者ともに大きさは同等ですが周囲の赤血球に重なっているため、本来の大きさより小さくなっているようです。ただ核網工は3.がやや粗剛で7.はやや繊細のようで、しかも7.は細胞質に弱いながらも好塩基性がみられることより、7.は前骨髄球に、3.は骨髄球に同定しました。4.と6.は核の陥没が出始めていることより後骨髄球に同定しました。
5.は分葉核球で、8.は小型で核網工は粗剛よりリンパ球に同定しました。
(BM-MG×1000)
(CASE B)
両者とも幼若顆粒球に相違ないのですが、細胞質の顆粒の色調と大きさは異なるようです。
1.は前骨髄球に類似しますが、細胞の大きさは小型になり、核網工は粗剛で、顆粒は少し多いようですが小型化し、細胞質の好塩基性も薄れていることより好中性の骨髄球に同定しました。
一方、2.は細胞の大きさが1.より大型で、細胞質の粗大顆粒は黒紫色を呈する好酸性顆粒として捉え幼若好酸球(前骨髄球?)に同定しました。好酸球の顆粒にはアルギニンやリジンを多く含む塩基性蛋白(major basic protein;MBP)がつまっており、それが酸性色素により強染されると言われます。骨髄に出現する幼若な好酸球ほどこのような色調をとるようです。



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