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「ネットで形態」 マンスリー形態マガジン

第76回 「マンスリー形態マガジン」 2017年8月号

『 山笠のあるけん博多たい〜! 』

 その昔、“山笠のあるけん博多たい!”のフレーズで一世風靡した伝統銘菓のTV-CMを思い出しながら、平成28年11月30日「ユネスコ無形文化遺産」に登録された「博多祇園山笠行事」を改めて振り返ってみたいと思います。私は大分出身でありますが、福岡には長年お世話になっていることで語らずにはいられません。
  「博多祇園山笠」の起源は諸説ありますが、鎌倉時代(1241)にさかのぼり、博多で疫病が流行した際、承天寺の開祖である聖一国師が木製の施餓鬼(せがき)棚に乗り、水をまきながら町を清めてまわり疫病退散を祈祷したことが通説とされます。安土桃山時代になると、島津氏と豊臣氏の戦いにより博多の街は焼け野原となったが、豊臣秀吉が帰国の際、博多の街をいくつかの区画毎に「流(ながれ)」としてグループ化し復興を行いました(太閤町割)。この「流」が「博多祇園山笠」のグループ単位としての発祥とされます。
戦後に入り1955年(昭和30年)に「博多祇園山笠振興会」が発足し、1962年(昭和37年)より「博多部外」である福岡市中心部に舁き入れる集団山見せなどが行われるようになり、1970年(昭和45年)から子供(小学生)が小型を舁く「子ども山笠」も始まりました。「流」は戦後一時期には13流あったそうですが、今日では7流に定着し、そして女人禁制の祭りです。
  700年以上の伝統を誇る「博多祇園山笠」は、毎年7月1日の飾り山笠から7月15日早朝の追い山笠にかけ、櫛田(くしだ)神社の右殿にまつられる素戔鳴尊(祇園宮)に対して奉納される祇園祭です。正式には櫛田神社祇園例大祭とよばれ、「博多どんたく」(毎年5月の連休に開催)とともに博多を代表する祭りです。
詳しくは7月1日の“注連(しめ)下ろし” という山笠の流区域を清める行事に始まり、本番の15日午前4時59分、大太鼓の合図とともに法被に締め込み姿の男衆が各流の神輿を担ぎ112mのタイムを競い合い一番山笠から順に「櫛田入り」し、その後約5kmの「追い山笠コース」を目ざし競い合います。楠田神社境内の1800余りの桟敷席(仮設)は午前4時にもなると満席になり男衆の勇壮姿を待ちわびます。終焉には江戸時代に始まったと言われる「博多祝いうた(祝いめでた)」と「博多手一本」が山笠のフイナーレを飾ることになります。
  そして、今年も7月15日、被災が相次ぐ九州の復興を願い、戦い抜いた男衆は夜明けと共に博多の街へ散っていき何か寂しさも感じます。

(博多祇園山笠公式サイトを参照に作成)

草々

形態マガジン号キャプテン 阿南 建一 



問題

問題 1
骨髄の細胞同定を行なって下さい。



問題 2
骨髄像より考えられる疾患は何ですか。

【60-65歳.男性】 主訴:心悸亢進、貧血
WBC7,800/μL、RBC220万/μL、Hb7.1g/dL、Ht18.6%、PLT8.1万/μL、NCC16.1万/μL、EST染色(陰性)
  • 拡大
  • BM-MG×400
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  • BM-MG×1000
  • 拡大
  • BM-PO×1000
  • 拡大
  • BM-PAS×1000




今回のねらい

 今回は、骨髄の細胞同定と形態診断に挑みます。
細胞同定は骨髄でよく遭遇する細胞を提示しました。なかには鑑別を要する細胞もありますのでそのポイントを捉え同定してみて下さい。
   症例編は、僅かな臨床と検査所見から、骨髄のMG染色、PO染色とPAS染色をもとに予測される疾患を考え、追加の検査では診断づける項目を考え疾患を絞ってみて下さい。



解説

問題 1

(正解と解説)
   骨髄の細胞同定です。類似細胞については鑑別ポイントを明確にして同定を試みて下さい。

【正答】

(case A) 1.多染性赤芽球、2.前骨髄球(好中性)、3.組織好酸球
(case B) 1.好塩基球(幼若)、2.マクロファージ
(case C) 1.分葉核球、2.好酸球(幼若)、3.骨髄球、4.多染性赤芽球、5.リンパ球
(case D) 1.桿状核球、2.好塩基性赤芽球、3.正染性赤芽球、4.多染性赤芽球

【解説】

(BM-MG ×1000)
A
B
C
D
(case A)
1.  成熟型の多染性赤芽球に同定しましたが、1時方向には多染性の色調が薄れ、ヘモグロビンの合成がうまくいってないことが考えられます。
2.  細胞質の色調がくすんだ好塩基性にみられることで幼若型の好酸球を考えますが、顆粒が小さいことより好中性の前骨髄球に同定しました。
3.  幼若な好酸球を思わせますが、細胞径は40μm大の大型で、細胞質辺縁が不規則性で、核網工が繊細より血液細胞を否定し組織好酸球に同定しました。

(case B)
  1.  細胞質の粗大顆粒は核の上にも散見され、核の分葉がみられないことより幼若型の好塩基球に同定しました。
  2.  45μm大の大型で、細胞質の不規則性に異物の貪食がうかがえるのでマクロファージに同定し、核が通常より大きいことよりその幼若型も考えられます。

(case C)
1.  分葉核球で問題なく、2.と3.は類似していますが、細胞質の顆粒の色調の違いから2.は幼若好酸球に、3.は骨髄球に同定しました。
4.は多染性赤芽球、5.はリンパ球で問題はありません。

(case D)
1.  細胞質に低顆粒気味の桿状核球に同定しました。
2.  回りの赤芽球に比べると大きく、細胞質の好塩基性が強いことから好塩基性赤芽球に同定しました。 3.  成熟赤芽球のなかでも小型で、細胞質の赤血球様の色調、核の濃縮が強いことから正染性赤芽球に同定しました。
4.  細胞質は多染性の色調を有し、2.より小型で、3.より大型のことより多染性赤芽球に同定しました。ただ、この赤芽球も右方向には不染部がうかがえヘモグロビン合成の悪さが伺えます。経験的にこのような赤芽球が多数みられる場合は、後天性でMDS、先天性では鉄芽球性貧血(ビタミンB6欠乏)を疑うことになります。



問題 2

   高齢の男性例。心悸亢進(動悸)が出現し、近医を受診したところ貧血と芽球様細胞の出現を指摘され、当院に紹介来院し、白血病が疑われ入院されました。

【解説】

(BM-MG ×400)

(BM-MG ×1000)

(BM-PO ×1000)

(BM-PAS ×1000)

【骨髄像所見】(A図)
   骨髄は正形成(16.1万/μL)で芽球様細胞の増加がみられます。それらは大型で、N/C比は低く、一部に核形不整や空胞を有するものがみられます。末梢血は白血球数正常(7,800/μL)にも拘らず芽球様が12.0%みられました。

【骨髄像所見】(B図)
   正形成の骨髄(16.1万/μL)で芽球様細胞は80.0%と増加していました。
  それは末梢血と同様に大型で、N/C比は低く、核形不整は軽度、核網工は粗荒で、核小体は一部に認め、細胞質には空胞を認めます。

【特殊染色】(C図)(D図)
   芽球様細胞はPO染色に陰性で、PAS染色は粗大〜細顆粒状の陽性を認めました。

【染色体所見、その他】
    @46,XY ALD5,211 IU/L、CRP2.25mg/dL

【表面形質】
    CD36・CD71・CD117・GP-A(+)、HLA-DR(−)

【臨床診断】
   末梢血、骨髄に増加していた芽球様細胞は、PO反応に陰性、PAS反応に強陽性(顆粒状)を呈し、赤芽球系のマーカーとされるCD36・71・glycophorinA(GP-A)に発現を認めたため、未熟な赤芽球と判定しpure erythroid leukemia(FAB:M6b)と診断されました。本例はHLA-DRに陰性でしたが陽性の場合もあるようです。尚、GP-Aは低率ながら発現を認めましたが、これは成熟型の赤芽球で優位に発現することが多いようです。本例ではLDの高値がみられましたが、白血病細胞に含まれるLDがその崩壊によって血中LDの高値をもたらしたものと思われます。形態学的に本例の細胞を見抜くことは困難であり、骨髄培養細胞にエリスロポエチンを添加しコロニー形成能をみることが診断につながることもあります。



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