2018年3月14日掲載

Vol.4BCR-ABL1 を伴うB-ALL

Case history

咳・微熱とともに倦怠感が出現し、近医を受診。血液検査で肝障害・貧血を認め、異型リンパ球出現があったため、精査目的で 当院紹介となる。

細胞形態

中~大型でN/C 比大、核小体やや不明瞭で、一部に核形不整と空胞が認められたリンパ芽球が末梢血および骨髄に多数出現していた。

*1:末梢血で観察したリンパ球と異常細胞の比率  *2:異常細胞の特徴とその比率
*データ提供ご施設により、「エビデンス血液形態学」(阿南建一、亀岡孝則、他著、近代出版、2014)を参考にして本症例の形態的 特徴が数値化されています。


診断および解説
症例は40代女性。2015年5月上旬より倦怠感が出現し、咳、微熱も認めたため近医を受診。血液検査にて肝障害と貧血を認め、末梢血液像にて異常細胞を認めたことよりALLが疑われ、当院、血液・膠原病内科を紹介受診された。当院の血液検査にて、WBC 29.3x109/L、RBC 3.42x1012/L、HGB 10.4g/dL、PLT 46x109 /Lおよび末梢血液像にて異常細胞を75.7%認めた。
異常細胞の大部分は小型でN/C 比は大、一部の細胞には核形不整や空胞が見られた。骨髄中においても同様の細胞形態を有する異常細胞 が98.2%と多数を占めていた。Peroxidase 染色陰性、またフローサイトメトリー解析にてCD10 +、CD19 +、CD20-、CD34 +、TdT +であった。minor-bcrキメラmRNA定量検査にて6.1x105コピー/μg RNA であったことから、WHO(2008) 分類でBlymphoblastic leukemia with t(9;22)(q34;q11.2) と診断した。


測定情報の解説

DxH 800の測定結果では、WBC数が高値、LY88.0%(R Flag が表示)、WBCヒストグラムおよびNRBC-図e, gは、LY優位のパターンを示しています。
LYポピュレーションはDIFF-図aでX軸方向へ広がり、DIFF-図cではLY領域が2峰性となっています。LY Blast、Variant Lyのメッセージも表示され、CPD DATA DIFFch のLy-V-SD値とLy-MALS-SD値も高値です。
RET-図i, kから小型WBCの存在が示唆され、表1の形態的特徴に示すような、小型で多様な形態異常のみられたリンパ球を捉えた可能が類推されます。



RUO(Research Use Only): リサーチ項目
診断用項目でありません。

 

注:同一症例において、同様な結果が得られるとは限りません。

(データ提供:近畿大学医学部附属病院 中央臨床検査部)





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