今年の桜開花前線は、全国的に休眠打破の時期が平年より遅くなりましたが、北日本ではその遅れを取り戻し、4月20日現在すでに青森へ到達しているようです。
福岡県みやま市山川町には、平家の残党が隠れ忍んだといわれる「平家谷」の小高い山・天保古山(てんぽこざん.165m)の山頂に「平家一本桜」がそびえ立っています。樹齢250年ともいわれる幹回り2.8mのヤマザクラは、「源平合戦」最後の合戦場となった古戦場の要川(かなめがわ)を見下ろすように悠然と立ち、今年も美しい花を咲かせました。平家谷にはほかに「天保古大桜」「平家名残桜」「青々谷城尾大桜」「上伍位軒大桜」に一本桜が点在し、「平家五大山桜」と総称され平家一門のご神木として親しまれています。この地は秘境にあるためウォーキング探訪がおすすめのようです。
時は平安時代末期、1185年(寿永4年)平家滅亡後、源氏による追討軍と平家残党との戦い、すなわち要川の戦いで平家が敗れ、現在のみやま市にある要川公園はその跡地とされています。歴史に残る「源平合戦」(治承・寿永の乱)とは1180~1185年、平清盛を打倒する源氏と平家の戦いが、日本各地で繰り広げられ、最後は山口県の壇ノ浦で平家は滅亡し、1192年に鎌倉幕府が誕生することになります。
桜の鑑賞意識が高まったのは平安時代といわれ、古今和歌集には桜の題材が70首も詠まれているといわれます。戦国の世、桜をみた兵(つわもの)どもは、ある時は心を癒し、またある時は涙したと思われ、永き歴史の重みを背負いつつ春を呼ぶ使者として今もなお全国至るところに咲き誇っています。千本桜も圧巻ですが、一本桜 は孤高で凛々しい存在感があり、天保古山の一本桜は地元や訪れる人々が腐葉土を持ち寄って保全し、間違いなく次世代に継承されています。
(福岡県観光Web.クロスロードふくおか.資料をもとに作成したもの)
標高165mの平家谷の天保古山にそびえ立つ一本桜(みやま市観光協会資料より)
孤高で凛々しい平家一本桜は今年も咲き誇りました
2025年4月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
【Q1】 | 検査センターに務めておりますが、血液像を鏡検する場合 どのような注意を払えばよいでしょうか。 |
【助言1】 | 検査センターさんでは一般の施設に比べて検査受付が遅くなることが予想されますので、採血後の形態変化に注意する必要があります。採血後の形態変化は、白血球および血小板は3時間から、赤血球は6時間から起こるとされます。好中球は核分離や空胞化、リンパ球は核分葉や核影、血小板は膨化や顆粒の染色性の劣化、赤血球では金平糖や球状化などが起こるとされます。従って、経時的変化が予想される場合は真の形態異常との鑑別が困難になりますので現状の報告を行い、依頼施設の担当医に直接連絡をすることが必要不可欠です。今後についてはセンターさん独自の対策を決めることが急務かと思われます。 |
【Q2】 | G-CSF投与後に血液像で幼若な顆粒球の出現や粗大な顆粒が目立つ好中球が増加していることがあります。事前に患者さん情報がない場合、CMLや感染症などで出現する中毒性顆粒との鑑別は可能でしょうか。 |
【助言2】 | 好中球数の著減(500/μL未満)に伴うG-CSF投与後については、顆粒球の細胞周期を短時間にして好中球を立ち上げるために、前骨髄球は大型になり(合成期~分裂期 ?)、幼若顆粒球から好中球までに太めの中毒性顆粒球を認めます。重症感染症や敗血症などでみられる中毒性顆粒よりも太く、大型の前骨髄球の出現が特徴のようです。CMLでは顆粒の出現は少ないように思われます。報告に際し臨床医とコンタクトをとって患者さんの属性を入手することは必要です。 |
2025年5月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
【Q1】 | 異型リンパ球について、ウイルス感染時に出現する異型リンパ球ですが、正常なリンパ球と異型リンパ球の中間ぐらいの微妙なリンパ球に遭遇することがあります。判断に迷った場合はどちらにカウントするのがよいのでしょうか。 |
【Q2】 | 骨髄穿刺検査の際に起こる凝固について、APLやAML、また巨赤芽球性貧血やMDSでも経験しますがどのようなことが原因でしょうか。 |
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
「細胞同定」については、骨髄像の600倍を対象に細胞の観察してみたいと思います。
「ワンポイントアドバイス」は、検査センターさんの血液像に関することと、G-CSF後の形態変化について解説します。
問題
BM-MG.600
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