令和7年の九州南部の梅雨入りは、平年より12日遅くまた昨年より1日遅い5月16日と発表されました。驚くことに沖縄(5月22日)よりも早く、1976年以来49年振りの異例の梅雨のスタートとなりました。
九州北部は6月8日、東北は6月14日でした。そして、梅雨入りが遅かった沖縄は早々と6月8日に梅雨明けとなり、異例続きとなりました。
ところで、梅雨入りを知らせるのは気象庁だけではありません、今回は自然界の梅雨花にスポットを当ててみたいと思います。まずは、定番とされるのが紫陽花(アジサイ)です。6月~9月が開花時期で、花言葉は「元気な女性」「一家団欒」とされ、雨期の風物詩として親しまれています。そして最近よく耳にするのが「タチアオイ」や「栗の花」です。
タチアオイ(ホリホック)はアオイ科の多年草でアジアや中国が原産、草丈1~2m、日本では平安時代に遡り「唐葵(からあおい)」と呼ばれましたが、江戸時代には現在の「立葵(タチアオイ)」になったそうです。開花は6月~8月で、梅雨入りは下の方に花を咲かせ、梅雨明けを迎える頃になると上の方に花を咲かせ散るとされ梅雨に咲く花として親しまれています。
花言葉は、「野心」「気高く威厳に満ちた美」として、背が高く立派な姿と沢山の実を付けることから由来しています。花の色は白、ピンク、赤、紫、黒など多種あり、八重咲の品種は花びらの量が多く華やかさを醸し出します。
そして、栗はブナ科クリ属で北半球の温帯域が原産で、低樹高栽培では背丈1~1.5m、栗の花は5~6月に開花し、葉柄の付け根から穂状の花序を伸ばしてクリーム色の雄しべを多く突き出しています。花言葉は「贅沢」「真心」「豊かな喜び」としてゴージャス感から付けられたそうです。
自然界を軽視しがちなこの頃、雨期に咲き誇る梅雨花を慈しみながら水害からの安全を祈りたいものです。
2025年5月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
【Q1】 | 異型リンパ球についてです。ウイルス感染時に出現する異型リンパ球ですが、正常なリンパ球と異型リンパ球の中間ぐらいの微妙なリンパ球に遭遇することがあります。判断に迷った場合はどちらにカウントするのがよいのでしょうか ? |
【助言1】 | ご指摘のように異型リンパ球にはバリエーションがみられます。特にEBウイルス感染時の異型リンパ球は、抗原刺激に反応した細胞とされ、大型(16μm以上)でクロマチンは粗剛で細胞質はリボソームRNAの増量により全体が強い好塩基性に染まることが特徴です。中間ぐらいで異型リンパ球に類似するものといえば大リンパ球が考えられます。大リンパ球はクロマチンは粗剛ですが細胞質の好塩基性は薄れ全体が淡青色に染まることが多いようです。異型リンパ球が増加する場合は周囲に目を配り多様性分布を捉え、細胞質の好塩基性が全体にみられなくても部分的や放射状を呈するようであれば異型リンパ球に分類することをお薦めしますす。 |
【Q2】 | 骨髄穿刺検査の際に起こる凝固について、APLやAML、また巨赤芽球性貧血やMDSでも経験しますがどのようなことが原因でしょうか。 |
【助言2】 | 骨髄穿刺の操作は骨髄組織を損傷します。骨髄組織には組織トロンボプラスチンが存在し、骨髄穿刺の際に骨髄穿刺液と凝固因子の接触により凝固が起こることが考えられます。また生体内では細胞増殖とともに細胞崩壊も起こっていますので、細胞内の凝固活性・線溶活性物質が放出されていることも考えられます。巨赤芽球性貧血やMDSでも細胞崩壊が強ければ凝固しやすくなる可能性はありますが、APLやAMLに比べたら凝固の程度は低いかと思われます。骨髄穿刺は時間がかかるほど固まりやすくなりますので、素早く採取することが求められます。 |
2025年6月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
【Q1】 | 白血病細胞のMPO染色やEST二重染色の陽性率はどのようにして求めますか。また、陽性所見を見逃さないためにはどのようにすればよいでしょうか。 |
【Q2】 | 骨髄生検標本における過形成、正形成、低形成はどのように評価するのでしょうか。 |
形態マガジン号キャプテン 阿南 建一
「細胞同定」については、骨髄像の鑑別細胞を提示しました。画像は600倍で撮影後に拡大しておりますので、細胞の大きさは赤血球の大きさを対照にしてください。
「ワンポイントアドバイス」は、異型リンパ球と大リンパ球の鑑別について、また骨髄穿刺の際の骨髄液の凝固について解説します。
問題1
(画像は600倍で撮影後に拡大したものです)
問題
骨髄像の細胞同定を行ってください。
【解説】
1. 直径23μm大、核は類円形でクロマチンは粗網状、細胞質は好塩基性が強度で核周囲には淡い明庭域がみられ7時方向に突起を認めることから前赤芽球にしました。
2. 直径15μm大、核は不整でクロマチンはやや粗剛、細胞質の好塩基性は軽度のことから単球にしました。
3. 細胞質は不明瞭で裸核としました。
4. 直径22µm大、N/C比は低く(核占60%?)核は偏在、クロマチンは繊細で1時方向に大きめの核小体がみられ、細胞質の好塩基性が軽度のことから骨髄芽球にしました。
5. 直径21µm大、N/C比は低く、核は不整でクロマチンは繊細傾向、細胞質に顆粒を認めることから単球にしました。
6. 直径15μm大、核は馬蹄形でクロマチンはやや繊細傾向、細胞質は灰青色のことから単球にしました。
7. 直径14µm大、核は分葉傾向でクロマチンの結節が強いことから分葉核球にしました。
8. 直径24μm大、核は楕円状でクロマチンは網状、細胞質は好塩基性が軽度で辺縁には複雑な小さな突起を認めることから線維細胞を考え、クロマチンの繊細さから線維芽細胞かと思われます。
9. 直径7µm大、核は円形で濃縮状、細胞質は青紫色のことから正染性赤芽球にしました。
10. 直径15μm大、核は複雑な形状でクロマチンは弱いながらも結節状、細胞質は橙紅色のようで桿状核球にしましたが、核をくびれと判定すれば分葉核球にもなるようです。
11. 直径21µm大、核は円形でクロマチンは網状、細胞質は僅かにみられ好塩基性です。核質と細胞質の不鮮明さから細網細胞にしました。
12. 直径21μm大、核はやや不整でクロマチンは網状、細胞質は不鮮明で異物や血小板(?)の貪食がみられることからマクロファージ(大食細胞)にしました。
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