
症例18
| 年齢 | 40歳代 | |||
|---|---|---|---|---|
| 現病歴 | 発熱、全身倦怠感を主訴に来院、貧血、白血球増加を指摘され骨髄検査が施行された. | |||
| 血液学所見 | WBC(/μL) | 151,100 | RBC(万/μL) | 286 |
| Hb(g/dL) | 8.9 | Ht(%) | 26.1 | |
| PLT(万/μL) | 22.5 | MCV(fL) | 91.3 | |
| MCH(pg) | 31.1 | MCHC(%) | 34.0 | |
| 血液像(%) | Blast様 | 95.0 | ||
| 骨髄所見 | NCC(万/μL) | 48.5 | MgK(/μL) | 0 |
| Blast様 | 98.0 | |||
| 生化学所見 | LDH 1,875 U/L | |||
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|---|---|---|
| [末梢血×1000.MG染色] N/C比が高く、クロマチンの粗荒な芽球様細胞がみられる. |
[骨髄×1000.MG染色] 骨髄では芽球様細胞が優位で、クロマチンは繊細網状である. |
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| [骨髄×1000.MG染色] 芽球様細胞のクロマチンは繊細網状で、TypeT芽球が主体である. |
[骨髄×1000.PO染色] 芽球様細胞はPO染色に陰性である. |
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| [骨髄×1000.SBB染色] 芽球様細胞はSBB染色に陰性である. |
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正解 : 1 急性骨髄性白血病(M0)
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| 年齢 | 40歳代 |
|---|---|
| 〜前発信〜 | |
| 末梢血所見から | 白血球増加(151,100/μL)の分類にて芽球様細胞は95%みられる. |
| 骨髄所見から | 骨髄は過形成で、芽球様細胞は98%みられる.クロマチンは繊細網状のものが多く、アズール顆粒やアウエル小体を認めないTypeTの芽球が主体である. 末梢血の芽球とクロマチンが異なるが、染色性の問題が考えられる. |
| 細胞化学所見から | 芽球様細胞はPO染色、PAS染色、EST染色に陰性である. ACP染色はび慢性陽性を示す. |
| 【形態診断】 | 芽球の起源は細胞化学染色では把握できず、PO陰性よりALLもしくはAMLの未熟な集団と思われる. TypeT芽球が主体のことよりAML-M0も考慮しながら表面形質の結果待ちとなる. 形態学的にはPO陰性急性白血病と診断した. |
| 〜後発信〜 | |
| 表面形質から | CD13, CD33, CD7, anti-MPO, HLA-DR陽性 |
| 電顕所見 | MPO陽性 |
| 染色体所見から | 46,XY |
| 臨床診断 | 著増する芽球様細胞はTypeTが主体で、表面形質、電顕所見から骨髄系を証明するものでありAML-M0と診断された. |
| WHO分類(2022) | 芽球の分化段階で定義されるAML(AML, defining by differentiation) ☆最未分化型AML(AML,minimally differentiated) |





