第177回「やんばるの鼓動」 2026年3月号

今月のコラム:やんばるの鼓動

 2025年7月、沖縄県北部の今帰仁村(なきじんそん)に「ジャングリア沖縄」が開業し、世界自然遺産“やんばるの森” を活用したテーマパークとして注目されています。この地域には世界的にも珍しい生態系が広がっており、絶滅危惧種も生息していることから保護の重要性が高まっています。

 日本では3,700種を超える生物が絶滅の危機にあり、トキやイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナなどが環境省のレッドリストに掲載されています。主な原因は開発や外来種、乱獲であり、特に島の固有種は影響を受けやすいため、生物多様性を守るための保全対策や環境保護が強く求められています。

 ここで、沖縄本島北部のやんばるの森にのみに生息する「ノグチゲラ」を紹介します。希少なキツツキで、国の特別天然記念物かつ絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。ノグチゲラは体長およそ30cmで、背中は緑がかった色をしており、オスは赤い頭頂部が特徴です。繁殖期の4月から6月にかけてオスがドラミングを行いますが、個体数が少ないため観察が難しいとされています。ドラミングとは、繫殖期にオスがメスへの求愛や縄張りを示すために、クチバシで枯れ木を高速でたたき、“コココココ”と鳴らす行動のことです。同じ地域に生息するリュウキュウコノハズクも、外来種の影響や開発、自然災害によって生息環境が脅かされており、保全が急がれています。

 日本は生物多様性に富む国である一方、絶滅危惧種も少なくありません。この問題を解決するには、自然を守るだけではなく、人間中心の考え方を見直し、「自然と共に生きる」という視点を持つことが重要だと考えられます。

  • やんばるの森に抱かれた冒険の楽園
    「ジャングリア沖縄」
    (撮影:沖縄の知人.2026.2)


  • 緑色の背と赤い羽冠が特徴的な
    オスのノグチゲラ
    (資料:沖縄県東村教育委員会)
     






2026年2月号の問題.  下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。

【Q1】 CMMLで血清リゾチームが上昇するとされますが、腫瘍性と反応性の単球増加では、リゾチーム値の上昇する程度に差はあるのでしょうか。
【助言1】 実際に比較検討をしたことはありませんが、腫瘍性の単球(CMMLやAML-M5)では、クローン性増殖により本来のリゾチーム化活性の産生能力が高まり過剰に産生・分泌され、血清・尿中リゾチーム活性は高度に上昇するとされます。一方で、感染や炎症でみられる単球の増加でも、血清・尿中リゾチーム上昇しますが、その上昇程度は一過性であり、腫瘍性ほど顕著でないとされます。


【Q2】 腫瘍性疾患において、LD、UA、可溶性IL-2Rが上昇するメカニズムを教えてください。
【助言2】 LD(乳酸脱水素酵素)は細胞質に含まれ、腫瘍細胞の壊死や崩壊により血中へ漏出して血清LDが上昇します。血清LDの上昇は腫瘍量や悪性度の指標となる場合があります。ただし、肝疾患、溶血、心筋梗塞などでも上昇します。UA(尿酸)は核酸(プリン体)が分解されてできる最終代謝産物です。腫瘍細胞の増殖や崩壊により核に含まれる大量の核酸が放出し尿酸が増加し、細胞回転の速さをある程度反映する指標とされます。注意すべきは治療前や治療後に腫瘍細胞の死滅により腫瘍崩壊症候群を合併することがあり、この場合、カリウムやリンなども血中へ放出されます。 
また、可溶性Il-2受容体(sIL-2R:CD25)は主に活性化T細胞に強く発現し、sIL-2Rはその一部が血中に放出されたもので、通常はT細胞活性化の指標とされます。T細胞系腫瘍では腫瘍細胞自体がCD25を発現し、その結果、腫瘍細胞からsIL-2Rが放出され、血中sIL-2Rが上昇すると考えられ、特に成人T細胞白血病(ATL)では、sIL-2R値が1万U/mL(基準:121-613U/mL)超えることがよくあります。一方、B細胞系腫瘍では腫瘍周囲でT細胞が活性化され、その結果sIL-2Rが大量に放出されるとされます。






    2026年3月号の問題.  
    下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。

    【Q1】 鉄染色の環状鉄芽球の比率を出す場合、分母となる赤芽球は全ての赤芽球として捉え、前赤芽球も母数に含めて比率を求めることでよろしいでしょうか。そもそも前赤芽球には鉄顆粒は存在すのでしょうか教えてください。
    また、MDSで前赤芽球が増加することはありますか。
    【Q2】 末梢血で白血球数が極端に多い場合(5万/μL以上)や極端に少ない場合(1000/μL未満)、鏡検法におけるカウント方法のコツを教えてください。

    形態マガジン号キャプテン  阿南  建一

    MAPSS-DX-202603-●●

    著作権について

    今回のねらい

    「細胞同定」は、末梢血のMG染色における鑑別を要する細胞に挑戦いたします。
    「ワンポイントアドバイス」は、血清リゾチームの持続性および一過性の上昇について解説します。 また、LD、UA、可溶性IL-2Rが上昇するメカニズムについて解説いたします。

    問題

    問題1

    1-1骨髄像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-2骨髄像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-3骨髄像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

    1-4骨髄像の細胞同定を行ってください。

    • BM-MG.1000

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