花見とは、日本で春に桜を眺めながら季節の変化を楽しむ伝統的な行事であり、その始まりは奈良時代から平安時代にかけてと考えられています。奈良時代には中国の影響で梅の花を鑑賞する文化が広まり、貴族たちは詩歌を詠みながら楽しんでいたようです。やがて平安時代になると、鑑賞の対象は梅から桜へと移り、花見は宮廷における重要な行事となり、嵯峨天皇が宮中で桜の宴を催したことが、桜を愛でる習慣の広まりにつながったとされます。また、この時代には和歌が発展し、桜は日本人の美意識や無常観を象徴するものとして多くの歌に詠まれるようになりました。
鎌倉時代から室町時代にかけて、花見の風習は武士階級にも広がり、寺社や名所で桜を鑑賞する文化が定着していきました。さらに安土桃山時代には、豊臣秀吉が醍醐で大規模な花見を催し、花見は豪華な社交行事としても知られるようになりました。
江戸時代になると、庶民文化の発展に伴い花見は一般の人々にも広く普及し、将軍・徳川吉宗が各地に桜を植えさせたことで桜の名所が増え、人々は気軽に花見を楽しめるようになりました。この頃から、飲食を伴う現在の花見のスタイルが形づくられたといわれています。
現代では、花見は日本を代表する春の行事として、家族や友人、職場の仲間とともに桜の下で親睦を深める機会となっています。時代とともに姿を変えつつ受け継がれてきた花見ですが、今年も各地の桜をどれほど愛でることができるのかと思うと、心が弾みます。


2026年3月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
| 【Q1】 | 鉄染色の環状鉄芽球の比率を出す場合、分母となる赤芽球は全ての赤芽球として捉え、前赤芽球も母数に含めて比率を求めることでよろしいでしょうか。そもそも前赤芽球には鉄顆粒は存在すのでしょうか教えてください。また、MDSで前赤芽球が増加することはありますか。 | |
| 【助言1】 | 実際に比較検討をしたことはありませんが、腫瘍性の単球(CMMLやAML-M5)では、クローン性増殖により本来のリゾチーム化活性の産生能力が高まり過剰に産生・分泌され、血清・尿中リゾチーム活性は高度に上昇するとされます。一方で、感染や炎症でみられる単球の増加でも、血清・尿中リゾチーム上昇しますが、その上昇程度は一過性であり、腫瘍性ほど顕著でないとされます。WHO分類における環状鉄芽球率は「全赤芽球」を分母として算出するため、前赤芽球も母数に含まれます。一方で、環状鉄芽球はミトコンドリア内への鉄の過剰沈着を反映するものであり、主に多染性赤芽球から正染性赤芽球といった成熟段階で認められます。前赤芽球には通常、鉄顆粒は認められません。このため、前赤芽球の比率が増加すると分母が相対的に大きくなり、環状鉄芽球率がやや低下する可能性があります。MDSでは赤芽球過形成に伴い前赤芽球が増加することはありますが、前赤芽球のみ単独で著増することはごく稀です。そのため、前赤芽球を分母に含めたとしても、環状鉄芽球率に大きな影響を与えることは少ないと考えられます。 | |
| 【Q2】 | 末梢血で白血球数が極端に多い場合(5万/μL以上)や極端に少ない場合(1000/μL未満)、鏡検法におけるカウント方法のコツを教えてください。 | |
| 【助言2】 | 末梢血において、白血球数が著しく増加している場合(5万/μL以上)、細胞が重なりやすく正確な分類が困難になることがあります。そのため、塗抹標本作製時には通常の約30度よりも角度を低くし、引き延ばすような感覚で塗抹することが重要です。また、染色が不十分となることがあるため、必要に応じて染色時間の調整や追加染色を行います。 一方、白血球数が著しく減少している場合(1000/μL)には、通常の100個分類が困難なため、50個あるいは25個で分類することがあります。この場合は、カウントした細胞数を報告書に明記する必要があります。また、必要に応じて複数標本を作製して合算する方法やバフィーコート標本の作製、サイトスピンを用いた集細胞などの方法も有効です。いずれの場合も、臨床側との十分な連携が重要となります。 |
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2026年4月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
| 【Q1】 | 前骨髄球にみられるゴルジ体は白く観察されますが、これにはどのような意義があるのでしょうか。また、ゴルジ体の構成成分にはどのようなものが含まれていますか。 |
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| 【Q2】 | 末梢血のMG染色において、好中球の顆粒が弱い好酸性色に染まることがありますが、これは染色工程に問題がある可能性を示しているのでしょうか。 |
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形態マガジン号キャプテン 阿南 建一

「細胞同定」では、骨髄のMG染色における鑑別が必要な細胞に取り組みます。
「ワンポイントアドバイス」では、骨髄の鉄染色における環状鉄芽球比率の求め方を解説します。また、末梢血における白血球数の増減への対応についても説明します。
問題1
BM-MG.1000

BM-MG.1000

BM-MG.1000

BM-MG.1000

問題
骨髄像の細胞同定を行ってください。
【解説】

A-1. 直径約18μm、N/Cは約50%と低く、核は類円形で偏在しクロマチンは粗網状、核小体を認めます。細胞質は淡青色で辺縁に限局して粗大な一次顆粒を認めます。以上より、顆粒に乏しい非典型的な前骨髄球が考えられます。
A-2. 直径約18μm、N/Cは約60%と低く、核は不整形でクロマチンはやや粗造、核小体を認めます。細胞質は淡青色で、微細顆粒や空胞を伴うことから前単球に判定しました。。
A-3. 直径約15μm、核は偏在しクロマチンは粗剛、細胞質は豊富で淡青色かつ透明感を有することからリンパ球に判定しました。

B-1. 直径約11μm、核は円形で中央より、クロマチンは凝集塊を認めます。細胞質は青紫色の多染性を呈していることから多染性赤芽球に判定しました。
B-2. 直径約16μm、核は不整が強く、クロマチンは繊細です。細胞質は灰青色を呈し、微細顆粒を有することから単球に判定しました。
B-3. 直径約24μmの大型で、周囲の細胞に圧排されるような配列を示します。N/Cは約80%と高く、核は類円形、クロマチンは繊細網状で核小体は不明瞭です。細胞質は辺縁にかけて青色が強く僅かに突起を有することから前赤芽球に判定しました。
B-4. 直径約15μm、核はほぼ円形でクロマチンは粗造です。細胞質は橙黄色で細い二次顆粒有することから骨髄球に判定しました。
B-5. 直径約15μm、核は不整でクロマチンは繊細です。細胞質の色調ははっきりつかめませんが、微細顆粒や空胞を認めることから単球に判定しました。

C-1. 直径約11μm、核は円形でクロマチンは粗大で強く凝集しています。細胞質は青紫色の多染性を呈することから多染性赤芽球に判定しました。
C-2. 直径約10μm、核は円形でクロマチンは濃縮状です。細胞質は紅色を呈していることから正染性赤芽球に判定しました。
C-3. 直径約16μm、細胞質の辺縁が赤血球と重なっています。細胞質はエオジン(酸性色素)に染まり紅橙色を呈しています。一方、核は円形でクロマチン凝集を認め、核の成熟遅延がみられる。この核・細胞質成熟の不均衡から正染性巨赤芽球に判定しました。

D-1. 直径約12μm、核は円形でクロマチンは粗大で凝集しています。細胞質は淡い青紫色を呈することから多染性赤芽球に判定しました。
D-2. 直径約14μm、核は楕円形でクロマチンは凝集塊を認めます。細胞質は橙紅色で細かい二次顆粒を有し、核の陥没が軽度(長径と短径の比3:1未満)のことから後骨髄球に判定しました。
D-3. 直径約14μm、核は湾曲しU字状を呈し、クロマチンは凝集しています。細胞質は橙紅色で細かい二次顆粒を有することから桿状核球に判定しました。
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