2025年7月、沖縄県北部の今帰仁村(なきじんそん)に「ジャングリア沖縄」が開業し、世界自然遺産“やんばるの森” を活用したテーマパークとして注目されています。この地域には世界的にも珍しい生態系が広がっており、絶滅危惧種も生息していることから保護の重要性が高まっています。
日本では3,700種を超える生物が絶滅の危機にあり、トキやイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナなどが環境省のレッドリストに掲載されています。主な原因は開発や外来種、乱獲であり、特に島の固有種は影響を受けやすいため、生物多様性を守るための保全対策や環境保護が強く求められています。
ここで、沖縄本島北部のやんばるの森にのみに生息する「ノグチゲラ」を紹介します。希少なキツツキで、国の特別天然記念物かつ絶滅危惧IA類(CR)に指定されています。ノグチゲラは体長およそ30cmで、背中は緑がかった色をしており、オスは赤い頭頂部が特徴です。繁殖期の4月から6月にかけてオスがドラミングを行いますが、個体数が少ないため観察が難しいとされています。ドラミングとは、繫殖期にオスがメスへの求愛や縄張りを示すために、クチバシで枯れ木を高速でたたき、“コココココ”と鳴らす行動のことです。同じ地域に生息するリュウキュウコノハズクも、外来種の影響や開発、自然災害によって生息環境が脅かされており、保全が急がれています。
日本は生物多様性に富む国である一方、絶滅危惧種も少なくありません。この問題を解決するには、自然を守るだけではなく、人間中心の考え方を見直し、「自然と共に生きる」という視点を持つことが重要だと考えられます。
やんばるの森に抱かれた冒険の楽園
「ジャングリア沖縄」
(撮影:沖縄の知人.2026.2)

緑色の背と赤い羽冠が特徴的な
オスのノグチゲラ
(資料:沖縄県東村教育委員会)

2026年2月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
| 【Q1】 | CMMLで血清リゾチームが上昇するとされますが、腫瘍性と反応性の単球増加では、リゾチーム値の上昇する程度に差はあるのでしょうか。 | |
| 【助言1】 | 実際に比較検討をしたことはありませんが、腫瘍性の単球(CMMLやAML-M5)では、クローン性増殖により本来のリゾチーム化活性の産生能力が高まり過剰に産生・分泌され、血清・尿中リゾチーム活性は高度に上昇するとされます。一方で、感染や炎症でみられる単球の増加でも、血清・尿中リゾチーム上昇しますが、その上昇程度は一過性であり、腫瘍性ほど顕著でないとされます。 | |
| 【Q2】 | 腫瘍性疾患において、LD、UA、可溶性IL-2Rが上昇するメカニズムを教えてください。 | |
| 【助言2】 | LD(乳酸脱水素酵素)は細胞質に含まれ、腫瘍細胞の壊死や崩壊により血中へ漏出して血清LDが上昇します。血清LDの上昇は腫瘍量や悪性度の指標となる場合があります。ただし、肝疾患、溶血、心筋梗塞などでも上昇します。UA(尿酸)は核酸(プリン体)が分解されてできる最終代謝産物です。腫瘍細胞の増殖や崩壊により核に含まれる大量の核酸が放出し尿酸が増加し、細胞回転の速さをある程度反映する指標とされます。注意すべきは治療前や治療後に腫瘍細胞の死滅により腫瘍崩壊症候群を合併することがあり、この場合、カリウムやリンなども血中へ放出されます。 また、可溶性Il-2受容体(sIL-2R:CD25)は主に活性化T細胞に強く発現し、sIL-2Rはその一部が血中に放出されたもので、通常はT細胞活性化の指標とされます。T細胞系腫瘍では腫瘍細胞自体がCD25を発現し、その結果、腫瘍細胞からsIL-2Rが放出され、血中sIL-2Rが上昇すると考えられ、特に成人T細胞白血病(ATL)では、sIL-2R値が1万U/mL(基準:121-613U/mL)超えることがよくあります。一方、B細胞系腫瘍では腫瘍周囲でT細胞が活性化され、その結果sIL-2Rが大量に放出されるとされます。 |
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2026年3月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
| 【Q1】 | 鉄染色の環状鉄芽球の比率を出す場合、分母となる赤芽球は全ての赤芽球として捉え、前赤芽球も母数に含めて比率を求めることでよろしいでしょうか。そもそも前赤芽球には鉄顆粒は存在すのでしょうか教えてください。 また、MDSで前赤芽球が増加することはありますか。 |
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| 【Q2】 | 末梢血で白血球数が極端に多い場合(5万/μL以上)や極端に少ない場合(1000/μL未満)、鏡検法におけるカウント方法のコツを教えてください。 |
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形態マガジン号キャプテン 阿南 建一

「細胞同定」は、末梢血のMG染色における鑑別を要する細胞に挑戦いたします。
「ワンポイントアドバイス」は、血清リゾチームの持続性および一過性の上昇について解説します。 また、LD、UA、可溶性IL-2Rが上昇するメカニズムについて解説いたします。
問題1
BM-MG.1000

BM-MG.1000

BM-MG.1000

BM-MG.1000

問題
骨髄像の細胞同定を行ってください。
【解説】

A-1. 直径約14μm、核はくびれを伴い分葉しクロマチンは凝集状、細胞質は橙紅色、均一で豊富な細顆粒は二次顆粒と判断し分葉核球と判定しました。
A-2. 直径約21μm、細胞質は比較的豊富、核は円形でクロマチンは繊細網状で核小体を認め、細胞質は淡い青色を呈し顆粒を認めないことから骨髄芽球と判定しました。
A-3. 直径約11μm、N/C比が高く、類円形の核に粗剛なクロマチンを認め、細胞質は淡青色を呈していることからリンパ球と判定しました。
A-4. 直径約20μm、核は円形で偏在しクロマチンは粗造、細胞質は橙黄色で辺縁に多数の顆粒を認めます。前骨髄球様の形態を呈しますが、細胞径が小さいこととクロマチンの粗さより、骨髄球段階の細胞(未熟骨髄球)と判定しました。なお、Aの画像においては好中球に顆粒の増加がみられますが、中毒性顆粒とは異なり、小型で橙褐色の顆粒が細胞質に均一に分布しています。これは慢性炎症に伴うサイトカイン上昇により、前駆細胞の分化過程で顆粒形成が促進されたことが考えられます。

B-1. 直径約13μm、核はくびれを呈しクロマチンは凝集状、細胞質は橙紅色で細顆粒を認めることから分葉核球と判定しました。
B-2. 直径約25μm、核は不整形を呈し、クロマチンは比較的繊細、細胞質は不規則性で灰青色を呈し微細顆粒を認めることから単球と判定しました。
B-3. 直径約13μm、核は桿状を呈しクロマチンは凝集状、橙紅色の細胞質に細顆粒を認めることから桿状核球と判定しました。
B-4. 直径約9μm、細胞質は極めて乏しく明瞭でないことから裸核細胞と判定しました。
B-5. 直径約9μm、核は類円形でクロマチンは凝縮し、僅かに細胞質を認めることからリンパ球と判定しました。

C-1. 直径約22μmの大型で、核は偏在しクロマチンは粗網状です。細胞質はゴルジ体が明瞭で、粗大な一次顆粒を豊富に認めることから前骨髄球と判定しました。
C-2. 直径7μmの小型で、クロマチンは粗剛で濃染し、細胞質は僅かに認めることから小リンパ球と判定しました。

D. 直径約30μmの大型細胞で、豊富かつ不規則な細胞質を有し、粗大なアズール様顆粒を認めます。核は類円形でやや偏在し、クロマチンは網状で明瞭な核小体を認めます。これらの形態的特徴から非造血系細胞の細網細胞の可能性が考えられます。
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