今回は、空きボトルを利用した「アロマボトルランプアート」をご紹介いたします。
アロマボトルランプは、ガラスボトルを用いた幻想的なアート作品です。ボトルの中に水を入れることで光が屈折し、美しく幻想的な輝きを放ちます。ボトル表面に繊細なデザインを彫刻することで、世界に一つだけのオリジナル作品が生み出されます。そして、アロマオイルを加えることで、電球の熱を利用したアロマランプとしても楽しめます。
作者は、制作に20年以上携わってきたベテラン作家の執行生滋(しぎょう せいじ)さん(77歳)。「香る心の常夜灯」をコンセプトに、一人でも多くの方に作品の魅力を伝えたいという思いから、各地で展示会を開催されています。2017年の福岡を皮切りに東京を含む各地で7回開催されており、今回は執行さんの故郷である佐賀県三瀬村での開催となりました。奇しくも三瀬村については本誌6月号でもご紹介しております。私は友人の紹介で5年前から交流があり、6月4日にその友人と共に展示会を訪れました。
作品はこれまで幾多の改良を重ね、特許を取得されています。ガラスボトルの底に穴を開けて内部を二重構造にし、水を入れることで紫外線をカットしながら、マイルドで上品な輝きを引き出しています。ビー玉を入れることで光の色合いを自在に変化させることも可能です。また光源にはLED電球を使用しているため、毎日10時間使用しても1か月の電気代は10円未満と経済的です。さらに、アロマオイルを使用すれば、アロマポットとしても活用でき、「香る常夜灯」として癒しの空間を演出してくれます。
手書きのイラストやお気に入りのデザイン、写真、メッセージなどをランプに刻印できるため、記念品や贈り物としても最適です。作品は全て、ひとつひとつ丁寧に手作りされています。ご興味のある方は、「そこぬけ光房」で検索してみてください。

形態マガジン号キャプテン 阿南 建一

【編集コラム】は、「そこぬけ光房」と題し、 「アロマボトルランプアート」をご紹介します。
【細胞同定ナビ】は、骨髄像の鑑別を要する紛らわしい細胞をお届けします。
【症例鑑別:理由記述式】 は、類似症例として巨赤芽球性貧血と骨髄異形成腫瘍(MDS)を提示しました。
【モヤモヤ解消ラボ:血液形態Q&A】は、伝染性単核球症の発症メカニズムと反応性リンパ球の出現機序と鑑別を要するアグレッシブNK細胞白血病について解説します。
1.細胞同定ナビ
BM-MG.1000

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2. 症例鑑別(理由記述式)
A. 10歳代: WBC 4.1×10^9/L, RBC 3.02×10^12/L,Hb 5.1g/dL, Ht 17.2%, PLT 383×10^9/L,BM-NCC 145×10^9/L
B. 20歳代: WBC 6.6x10^9/L, RBC 4.66x10^12/L,Hb 9.1g/dL, Ht 25.1%, PLT 461x10^9/L,BM-NCC 163x10^9/L

3. モヤモヤ解消ラボ:血液形態Q&A
Q1. 巨赤芽球性貧血で、白血球や血小板数が減少する機序は、またLDHの増加する理由を教えてください。 悪性貧血との区別はどのようにしますか。
Q2. 巨赤芽球性貧血で、後骨髄球や桿状核球は大型化する一方で、なぜ過分葉になるのですか。過分葉は5分葉からという記述をみましたがいかがでしょうか。
【問題】 骨髄像の細胞同定を行ってください。
【解説】

A-1. 直直径約9μm。核は円形でクロマチンは粗大・凝集状を呈しています。細胞質は青紫色の多染性の色調から多染性赤芽球と同定しました。
A-2. 直径約15μm大。核は2分節でクロマチンは粗剛、一部結節状です。細胞質は顆粒を欠き淡明に見えることから脱顆粒傾向の分葉核球と同定しました。
A-3. 直径約30μm。大型で核は類円形、クロマチンは繊細顆粒状で核小体は不明瞭です。細胞質は濃青色(強好塩基性)で核周囲に明庭域(ゴルジ体)を認めることから前赤芽球と同定しました。

B-1. 直径約14μm。核はU字型でクロマチンは粗剛かつ結節状です。細胞質は橙紅色で顆粒は細かく二次顆粒と見なし桿状核球と同定しました。しかし、核の境界を軽度のくびれとクロマチンの結節状から分葉核球も考えられます。
B-2と5. 直径約10-12μm。核は円形でクロマチンは粗剛かつ凝集状です。細胞質は青紫色のことから多染性赤芽球と判定しました。
B-3. 直径約12μm。核は偏在し、クロマチンは粗剛で水玉模様を呈しています。細胞質は好塩基性で核周明庭を認めることから形質細胞と同定しました。
B-4. 直径約24μm。核は馬蹄形でクロマチンはやや粗剛です。細胞質は橙紅色で僅かに細い顆粒を認めることから桿状核球を考えますが、サイズの大きさから巨大桿状核球(形態異常)と同定しました。

C-1. 直径約11μm。核は円形でクロマチンは粗大凝集状を呈しています。細胞質は青紫色のことから多染性赤芽球と同定しました。
C-2. 直径約20μm。核は円形で偏在し、クロマチンは粗剛です。細胞質は赤紫色のアズール顆粒を認め、辺縁には血小板の付着がみられます。大きさが前骨髄球より小型のことから微小巨核球(形態異常)と同定しました。
C-3. 直径約14μm。核は円形でやや偏在しクロマチンは凝集塊状です。細胞質はやや濃青色ですが、細胞の大きさ、クロマチンの粗大・凝集のことから多染性赤芽球と同定しました。

D-1. 直径約22μm。N/C比は約80%と高く、核は類円形でクロマチンは繊細網状、核小体を認めます。細胞質は淡青色(弱好塩基性)で、微細顆粒を有することから、顆粒を有する骨髄芽球(TypeⅡ)と同定しました。
D-2. 直径約9μm。核は円形でクロマチンは粗大かつ凝集状を呈しています。細胞質は青紫色のことから多染性赤芽球と同定しました。
D-3. 直径約18μm。核はほぼ円形で偏在し、クロマチンは粗剛で核小体は不明瞭です。細胞質は橙黄色で顆粒は細かいことから二次顆粒とみなし、骨髄球と同定しました。
【問題】 AとBのうち、どちらが鉄芽球性貧血ですか。その理由と診断を裏付ける検査をお答えください。
A. 10歳代: WBC 4.1×10^9/L, RBC 3.02×10^12/L,Hb 5.1g/dL, Ht 17.2%, PLT 383×10^9/L,BM-NCC 145×10^9/L
B. 20歳代: WBC 6.6x10^9/L, RBC 4.66x10^12/L,Hb 9.1g/dL, Ht 25.1%, PLT 461x10^9/L,BM-NCC 163x10^9/L
【解答】 鉄芽球性貧血は(B)です。
【解説】

A. 本例は鉄欠乏性貧血の症例です。 MCV 56.9 fL、MCHC 29.6 g/dLで、小球性・低色素性貧血を呈しています。末梢血液像では、菲薄赤血球や奇形赤血球を認めます。骨髄は正形成で、M/E比は0.7と赤芽球系が優位ですが、芽球の増加は認めません。赤芽球系は成熟過程を示す一方、細胞質は狭小化し、なかにはリンパ球との鑑別を要する細胞もみられます。
骨髄の鉄染色では、赤芽球に鉄顆粒を認めない不染鉄を呈し、鉄欠乏状態が示唆されました。さらに、血清鉄著減、TIBC高値、フェリチン著減を認めたことから、鉄欠乏性貧血と診断されました。10歳代前半の女性であることから、偏食による鉄摂取不足や成長期における鉄需要の増大が背景として考えられます。

B. 本例は鉄芽球性貧血の症例です。 MCV 53.8 fL、MCHC 36.2 g/dLで、小球性・正色素性貧血を呈しています。末梢血液像では、正赤血球、菲薄赤血球、奇形赤血球を認めます。骨髄は正形成で、赤芽球は成熟過程を示していますが、細胞質の染まりが乏しく、Hb合成障害が示唆されます。
骨髄の鉄染色では、赤芽球の核周囲に鉄顆粒が環状に沈着する環状鉄芽球を認め、鉄芽球性貧血が強く示唆されます。さらに、血清鉄著増、TIBC低値、フェリチン高値を認め、鉄欠乏性貧血とは異なる鉄動態を示しました。加えて、ビタミンB6低値を認めたことから、ビタミンB6欠乏による後天性鉄芽球性貧血と診断されました。
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【出題のねらい】 「小球性貧血=鉄欠乏性貧血」と短絡せず、赤血球形態、赤芽球の成熟像、骨髄鉄染色、鉄動態を総合して鑑別することの重要性を学ぶことです。 |
【問題】 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
| Q1 | 巨赤芽球性貧血で、白血球や血小板数が減少する機序は、またLDの増加する理由を教えてください。悪性貧血との区別はどのようにしますか。 | |
| Ans. | 巨赤芽球性貧血では、ビタミンB12または葉酸欠乏によりDNA合成障害が生じます。この障害は赤芽球だけでなく、骨髄で盛んに分裂している顆粒球系や巨核球系前駆細胞にも及ぶため、白血球減少や血小板減少を伴うことがあります。一方、骨髄では造血は行われているものの、DNA合成障害のため正常に成熟できない細胞の多くが骨髄内で壊れてしまいます(無効造血・骨髄内溶血)。このため細胞内のLDHが血中へ放出され、LDH高値を示します。また、間接ビリルビン軽度上昇、ハプトグロビン低下を伴うことがあり、LDHアイソザイムではⅠ・Ⅱ型の上昇がみられます。悪性貧血は、巨赤芽球性貧血を引き起こす原因の一つで、自己免疫性胃炎により胃壁の内因子が欠乏し、ビタミンB12が吸収できなくなる病態です。診断では抗内因子抗体が特異性の高い検査であり、抗胃壁抗体や萎縮性胃炎の所見も参考となります。 | |
| Q2 | 巨赤芽球性貧血で、後骨髄球や桿状核球は大型化する一方で、何故過分葉になるのですか。過分葉は5分葉からという記述をみましたがいかがでしょうか。 | |
| Ans. | 巨赤芽球性貧血では、ビタミンB12や葉酸欠乏によってDNA合成が障害されるため、核の成熟は遅れます。一方で、RNAやタンパク質合成は比較的保たれるため細胞質の成熟は進みます。この核と細胞質の成熟のずれ(核細胞質成熟不同調)により、後骨髄球や桿状核球を含む造血細胞は大型化します。好中球の過分葉の詳しい機序は完全には解明されていませんが、DNA合成障害による細胞周期や核成熟の遅延に伴う成熟異常の結果として、核分葉が過剰になると考えられています。このため、巨赤芽球性貧血では大型好中球とともに過分葉好中球が特徴的に認められます。 過分葉好中球は、一般には6分葉以上の好中球を指します。一方で、5分葉以上の好中球が3%以上、または6分葉以上が1%以上認められる場合を過分葉の判定基準とする古典的な基準(Herbert基準)もあり、巨赤芽球性貧血の早期所見として用いられています。 |
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