第80回 「マンスリー形態マガジン」 2017年12月号

『ピンポンパール』    

  今回は外来種の金魚「ピンポンパール」を紹介します。
以前に「水疱眼」を紹介しましたが、その後二匹とも他界し、次に出会ったのが「ピンポンパール」です。
1匹900円(高っ!)もするも、格好が愛くるしく思い切って3匹飼いました。中国産の金魚で体長3cmくらい、頭が小さく体型は短く、腹が膨らんで、まるで提灯の格好をしていて、チンシュリン(珍珠鱗)と呼ばれます。昭和30年代に中国から日本に輸入されたそうで、今や癒しの金魚として女性を中心に人気を博しているようです。
  命名についての裏話を少ししましょう。珍珠とは、真珠のことをいい、鱗の1枚1枚が半円真珠(真珠を半分に割ったような形)をはめこんだように白く隆起したところから「パール」や「パールスケール」と呼ばれるそうですが、チンシュリンから出現する短尾で丸手の個体を選抜交配して固定化したピンポン玉のような個体を「ピンポンパール」と呼んでいます。カミハタ養魚グループの創業者である神畑重三氏はインドネシアで作出されたばかりのピンポン玉のようなパールスケールを「ピンポンパール」と命名したそうです。また、頭に肉瘤があるものを「コウトウパール」と呼んだそうです。
  現在では東南アジア、中国または国内産のものまで様々で、寿命は5~6年、いや10年とも言われますが、それは飼育法にあるようです。餌をあげすぎない、他の金魚との混泳を避ける、冬時期はヒーター管理にあるようです。成長すると野球ボールやソフトボール大とも言われます(これにはビックリ !)。
餌の選び方も大切で、消化の悪いとされる高タンパクフードを避けたり、餌を食べるときに空気を吸い込んで転覆病になるのを避けるために浮上性の餌より沈下性の餌の方がよいようです。転覆病については水温が下がると発症するとも言われます。
  これで我が家には、熱帯魚、金魚(ランチュウほか)、メダカについで「ピンポンパール」が加わり、互いの水槽で水面をにぎわせてくれています。

形態マガジン号キャプテン 阿南 建一 


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問題

骨髄の細胞同定を行なって下さい。

1-1<問題1-A>

  • BM-MG×1000

1-2<問題1-B>

  • BM-MG×1000

1-3<問題1-C>

  • BM-MG×1000

1-4<問題1-D>

  • BM-MG×1000

末梢血・骨髄像より考えられる疾患と鑑別疾患のポイントは何ですか

2-1<設問1>

【所見】
【60-65歳.男性】 主訴:発熱・全身倦怠感あり、肝腫大あり、リンパ節腫脹なし
WBC125,800/μL、RBC362万/μL、Hb12.8g/dL、Ht28.3%、PLT22.4万/μL、NCC40.6万/μL、LD1,120U/L、FDP11.0μg/mL、Dダイマー1.4μg/mL、芽球様細胞:アウエル小体(+)

  • PB-MG×1000

  • BM-MG×400

  • BM-MG×1000

  • BM-PO×1000

今回のねらい

 今回は、骨髄の細胞同定と形態診断に挑みます。

細胞同定は骨髄でよく遭遇する細胞と類似細胞を提示しました。鑑別を要するポイントを捉え同定してみて下さい。

  症例編は、僅かな臨床および検査所見と、末梢血のMG染色、骨髄のPO染色から形態診断を試みて下さい。また、確定診断に必要な所見ならびに本型と類似する疾患を考え、その鑑別ポイントについても述べて下さい。

解答・解説

問題 1

(正解と解説)
   骨髄の類似細胞を提示しましたので、鑑別ポイントを明確にして同定を試みて下さい。

【正答】

(Case A) 1.正染性巨赤芽球、2.前単球、3.単球
(Case B) 1.骨髄球、2.多染性赤芽球、3.前骨髄球
(Case C) 1.単球、2.後骨髄球
(Case D) 1.細網細胞、2.フエラタ細胞

【解説】



問題 2

   60歳代の男性例。全身倦怠感・発熱を主訴に来院し、白血球数増加を指摘され、精査のため骨髄穿刺が施行されました。

【解説】

(PB-MG×1000)

(BM-MG×400)

(BM-MG×1000)

(LN-MG×1000)

【末梢血液像所見】(A図.MG染色)
   白血球正常(125,800/μL)の血液像で芽球が89%みられました。それらは15μm大で、N/C比は高く、核は円形から類円形で核のクロマチン網工は繊細で一部に核小体を認め、細胞質は中等度の好塩基性でなかに微細なアズール顆粒を認めます。

【骨髄像所見】(B図・C図.MG染色)
   過形成の骨髄(40.6万/μL)は芽球が91.0%みられました。それらは16μm大の中型で末梢血でみられた形態と同様でアズール顆粒を認め、芽球100個中の顆粒を有する芽球は40%、有しない芽球は60%でした。なかに豊富な顆粒を有するものがありましたが、アウエル小体は一部にのみ認め、faggot細胞はみられませんでした。AMLを疑い検索を進めました。

【細胞化学染色】
   PO染色は芽球を中心に強陽性を呈していたことからAMLを支持するものとなりました。

【表面形質】
    CD13・CD33発現を認め、CD34とHLA-DRの発現は認めませんでした。

【他の検査】
   凝固検査で線溶系の軽度の亢進(DIC?)がみられ、LDの高値を認めました。染色体は46,XYの正常型で、PML-RARA遺伝子異常は認めませんでした。

【臨床診断】
   芽球はPO染色が陽性で、骨髄の芽球が90%以上よりAML-M1の診断になりますが、HLA-DR陰性は本型に合致しません。HLA-DR陰性と豊富なアズール顆粒とアウエル小体からはM3を疑いましたが、PML-RARAは認めず合致しません。結局、WHO分類に当てはまる病型はなく、分化型AMLとして捉えることになりそうです。
臨床側はAML-M3の亜型として、ATRAの経口投与に加え、BHACとDNRの化学療法を開始するも完全緩解は得られず、同種末梢血肝細胞移植(allo PBSCT)が実施されました。寛解の時期はあったものの予後不良の例でした。経験的に本症は白血球数の著増、豊富な顆粒とまれにアウエル小体を有するHLA-DR陰性のAMLで予後不良の例が多いようです。



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