第93回 「マンスリー形態マガジン」 2019年1月号

『純国産メンマは糸島から‥』

   2019年の幕開けは、5月の新元号の誕生によって長い歴史の新たなる 1ページになりそうです。本マガジンも100回の達成に向けて新たな気持ちをもって臨みますのでよろしくお付き合い下さい。
  本年の第一報は、昨年全国版のTV放送で紹介された我が糸島の「純国産メンマ」の紹介です。メンマといえば、ラーメンには欠かせない食材ですが、ほとんどが中国や台湾のタケノコを輸入し、日本の工場で加工されているそうです。中国では麻竹(まちく)のタケノコを使用するのに対し、糸島では孟宗竹(もうそうちく)や真竹(まだけ)を使用しています。国産素材のこだわり食材として、はたまた放置竹林の問題解決策として話題になっています。
  国産メンマの要望に応え、糸島の地において無添加、完全発酵・熟成の手法を用い試作を重ねた上、安心安全の商品として通販でも購入されることになりました。
商品のキャチコピーは、芳酵な風味と歯切れがよく、とんこつ風の濃厚な下味を漬け、香り豊かな香味ラー油で絡めたもの‥です。TV放映以来、地元のラーメン店では糸島メンマ入りラーメンを求める客も増えてるようです。
  糸島は自然に恵まれた街ですが、只今30店舗の牡蠣小屋に1日約3,000人が訪れ、週末は観光バスもみかけるほど賑わっています。糸島に住んで10年過ぎましたが、昨年の情報誌「福岡ウオーカー」では住みたい街ランキング第1位にも選ばれています。この風光明媚な糸島から本年の第一報を発信しました。

形態マガジン号キャプテン 阿南 建一 


著作権について

問題

AML-M5の骨髄像で細胞を切り取ったものですが、赤血球の大きさを対象に細胞同定を行なって下さい。

1-1<設問1>

  • BM-MG×1000

光顕的所見から臨床診断を考えて下さい。

2-1<設問1>

【所見】
【30~35歳.女性】主訴:貧血 
WBC3,100/μL、RBC248万/μL、Hb5.1g/dL、Ht23.5%、PLT12.9万/μL、NCC34.6万/μL

  • BM-MG×400

  • BM-MG×1000

  • BM-MG×1000

  • BM-PO×1000

今回のねらい

  今回は、細胞同定と症例検討を提示しました。

細胞同定は、急性単球性白血病(M5)の骨髄像における腫瘍性単球に挑戦します。単球系細胞の鑑別については以前にも挑戦しましたが、よく質問を受けますので再度提示しました。WHO.2008年に紹介されましたが、あつかましくも私見と異なる部分がありますので、皆様の意見を拝聴する意味であえて提示させて頂きました。

  症例編は、わずかな臨床像と検査データから次なる検査を模索し、骨髄像から臨床診断を試みて下さい。

解答・解説

問題 1

   AML-M5の骨髄像で細胞を切り取ったものですが、赤血球の大きさを対象に細胞同定を行なって下さい。

【解説】

BM-MG×1000

今回も単球系細胞を中心とした細胞の同定です。急性単球性白血病(M5b)例を用いたものですので、単球は病的な単球として捉えることになります。本系統の鑑別として、赤血球(8μm大)や好中球(13μm大)の大きさを対照にして単芽球・前単球は16~22μm、単球は16μmを目処に、三者ともにN/C比が低いことが共通所見です。

【正答】
A-単芽球、B-単球、C-前単球、D-前単球、E-前単球、F-単芽球、G-単球、H-前骨髄球

【解説】
A.F.細胞径16μm以上、N/C比は低いながらも核の占める割合は高く、核は円形~類円形で辺縁にギザギザ様の 不整、クロマチン網工は粗顆粒状で核小体を認めます。細胞質は中等度の好塩基性で微細なアズール顆粒を認め、舌状の突起物を有します。核は円形で核占の割合は優位で、クロマチン網工は粗顆粒状、細胞質の突起物などの所見から単芽球に同定しました。単芽球でもこのように顆粒を認めることがあります。

B.G.細胞径16μm以下、核内に切れ込みが顕著で、クロマチン網工は繊細で、細胞質の好塩基性は薄れ灰青色、微細なアズール顆粒を認めます。単球系統としては小型で、核内不整が顕著であることから単球に同定しました。

C.E.細胞径16μm以上、核は円形~類円形で核占の割合は低く、核形不整はE.に顕著、クロマチン網工は繊細網 状で核小体がみられます。細胞質は中等度の好塩基性で微細なアズール顆粒を認め、突起の部分に空胞がみられます。単芽球に比べやや小型で核形不整を認め、クロマチン網工が繊細で微細な顆粒の存在から前単球に同定しました。

D.細胞径16μm以上、核は円形で核内への切れ込みがみられ、クロマチン網工は繊細網状で核小体もみられるようです。細胞質は好塩基性が薄れ、微細なアズール顆粒を認めます。細胞質の好塩基性は薄れて一見単球様ですが、核占の割合はそれより高く、核内不整などから前単球に同定しました。

H.細胞径は16μm大ですが、核の偏在(ゴルジ野の発達)、クロマチン網工は粗顆粒状で核小体がみられ、細胞質の粗大なアズール顆粒などの所見は単球系には合致せず、前骨髄球に同定しました。前骨髄球は前単球と鑑別を要しますので鑑別所見の確認が必要です。



問題 2

   30~35歳.女性。某院で貧血を指摘され精査の目的で来院されました。

【解説】

(BM-MG×400)

(BM-MG×1000)

(BM-MG×1000)

(BM-PO×1000)

正球性貧血(Hb5.1g/dL、MCV94.7fL)と白血球減少(3,100/μL)がみられ、白血球分類では特に異常所見はみられませんでした。

(A)骨髄は正形成(NCC34.6万/μL)で、中倍率にて腫瘍細胞の単調様式がうかがえ、これらは93%と増加していました。
(B)高倍率にて、中央のリンパ球に比べると大型(35μm大)で、有尾状の細胞もみられ、N/C比は低く、核は類円形でクロマチン網工は粗網状で明瞭な核小体(青矢印)を有し、中等度の好塩基性の細胞質には微細なアズール顆粒を認めます。
(C)幼若顆粒球(青矢印)に比べると大型で、明瞭な核小体が特徴で、好塩基性の細胞質には微細なアズール顆粒を認めます。
(D)骨髄のPO染色では、大半の単芽球はPO反応に陰性でしたが一部に陽性(青矢印)がみられました。
(A)(B)(C)(D)の所見から単調様式の細胞は単芽球を思わせ、急性単球性白血病(単芽球優位;M5a)を考えました。

【関連検査】
特殊染色:EST二重染色(ブチレートEST陽性/NaF阻害)
免疫形質:CD4,CD11b,CD11c,CD14,CD64,HLA-DR陽性
血清・尿リゾチーム高値
染色体・遺伝子検査:正常

【臨床診断】
上記の所見から急性単球性白血病(低分化型:M5a)と診断されました。典型例に比べると本例は、単芽球にアズール顆粒を有していること、PO染色に一部が陽性であることが光顕的に疑問を抱くことになります。しかし、ブチレートEST染色に陽性でNaFに阻害されたことで単球系を証明できるかと思われます。経験的にアズール顆粒を有するタイプは時々みられますが、PO染色に陽性所見は非常に稀かと思われます。光顕的には前単球あたりから顆粒を認め、同時にPO染色に陽性の細胞もみられるようになり(陰性~弱陽性)ますが、通常、単芽球は陰性です。本例のような低分化型は、白血球数が減少傾向にあり、非白血性を呈することが多いようです。



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