第102回 「マンスリー形態マガジン」 2019年10月号

『太宰府天満宮で御神牛を探せ !』

  今回は、太宰府天満宮に祀られている牛の像 「御神牛」(ごしんぎゅう)についてご紹介したいと思います。太宰府天満宮は、皆さまも訪れた方が多いと思いますが、福岡県太宰府市に位置し、京都の北野天満宮と共に全国天満宮の総本社とされ、学問の神様「菅原道真(みちざね)公」を祭る神社として篤く信仰されています。毎年、観光客や受験生が全国から訪れ、初詣 には220万人以上、年間を通して850万人以上の参詣者があるそうです。
  太宰府天満宮の参道を抜けると「牛の像」が見受けられます。菅原道真公と牛の関係ですが、道真公は “自分が死んだら遺骸を載せた牛車の牛が立ち止まったところに埋葬するように”と遺言されたそうです。家臣たちは、宝満山(ほうまんざん)の麓に埋葬するつもりで、亡骸を乗せた牛車を進めていましたが、突然、牛がうずくまって動かなくなってしまいました。家臣たちは道真公の御心によるものだとして、牛車の止まったところ、当時の四堂のほとりに御遺骸を葬ったそうです。これが太宰府天満宮のはじまりとされています。 また、道真公は、承和12年(845)6月25日、乙丑(きのとうし)の歳の生まれであること、また亡くなった日も903年(延喜三年)2月25日の丑(うし)の日だったことも由来とされています。
  さて、太宰府天満宮の御神牛は、12頭が祀られているとされていますが、諸説があり、13頭とも言われています。太宰府天満宮の公式サイトには「御神牛を探せルート」が掲載されていますので、このルートに沿った探索も可能です。皆さんも太宰府天満宮を訪れた際には、御神牛を探して見ませんか。その際には 牛の頭を撫でると知恵を授かるとされていますので、お忘れなく撫でて来てください。私も先日久しぶりに道真公にあやかりたくてそっと触れてきました。


頭部がピカピカの「御神牛」
(昭和六十乙丑年)



形態マガジン号キャプテン 阿南 建一 


著作権について

今回のねらい

  今回は、細胞同定と症例検討を提示しました。
細胞編は、骨髄像から類似細胞の鑑別に挑戦します。
症例編は、僅かな検査所見ですが、光顕的診断に至るまでの必要な検査や重要な形態所見について述べて下さい。

問題

骨髄像の細胞同定を行なって下さい。

1-1<問題1-A>

  • PB-MG×1000

1-2<問題1-B>

  • PB-MG×1000

1-3<問題1-C>

  • PB-MG×1000

1-4<問題1-D>

  • PB-MG×1000

本疾患の診断と必須検査そして形態の所見は何でしょうか。

2-1<設問1>

【所見】
【55-60歳.女性】
WBC3,700/μL,RBC184万/μL,Hb8.0g/dL,Ht24.7%,PLT10.4万/μL,NCC41.6万/μL,BM-blast3%

  • PB-MG×400

  • BM-MG×400

  • BM-MG×1000

  • BM-MG×1000

  • BM-PAS×1000

解答・解説

問題 1

   骨髄像の細胞同定を行なって下さい。

【解説】

(PB-MG×1000)



今回は、骨髄における類似細胞と赤芽球の分裂像を提示しました。

【正答】
A-1.単球 2.リンパ球、B-1.赤芽球・核の有糸分裂(後期) 2.リンパ球、C-1.リンパ球 2.多染性赤芽球
D-1.多染性赤芽球 2.3.前単球 4.単球

【解説】
A-1.細胞径13µm大、この細胞はかなり萎縮気味です。細胞質は、やや好塩基性で小さな突起を有しますが、何よりも核内の不整(切れ込み)がみられることから単球に同定しました。2.は同様な大きさで、核網工は粗剛であることからリンパ球に同定しました。

B-1.細胞径30µm大、大型で細胞質には強度の好塩基性がみられ、顆粒が存在しないことから赤芽球の核の有糸分裂に同定しました。染色体は両極にひっぱられ双星(diaster)を作っているようで、有糸分裂の後期(anaphase)として同定しました。2.細胞径12µm大、周囲の赤血球に押されて萎縮気味ですが、リンパ球に同定しました。

C-1.細胞径12µm大、小型なリンパ球に同定しました。2.細胞径13µm大、細胞質の好塩基性はやや強度ですが、クロマチンの凝集塊が強度であることから多染性赤芽球に同定しました。

D-1.細胞径12µm大、小型でクロマチンは凝集塊がみられ、細胞質が多染性のことから多染性赤芽球に同定しました。2.3.4 細胞径22µm大、大型でN/C比が低く、クロマチン網工は繊細~網状気味で微細なアズール顆粒を認めます。2.3.は核がやや大きく、前述の形態から前単球として、4.は分葉傾向がうかがえるため単球に同定しました。



問題 2

   

【解説】

(PB-MG×400)

(BM-MG×400)

(BM-MG×1000)

(BM-MG×1000)

(BM-PAS×1000)

今回は、末梢血と骨髄像から形態診断に挑戦します。末梢血では数量的異常が意味すること、骨髄では構成細胞の分布様式や質的異常がもたらすこと、また、PAS染色が意味することを考えて形態診断を行います。本例は、50歳代の女性で胃全摘術が施行され、ビタミンB12が低値でした。

【解説】
末梢血は汎血球減少で、赤血球指数から大球性正球性貧血(MCV134.2fL,MCHC32.4g/dL)が認められました。
A. 末梢血は、巨大な赤血球が散見されます。また、白血球には過分葉核好中球がみられました。

B.骨髄は、過形成でやや赤芽球系が優位のようです。

C.骨髄は、成熟型赤芽球(→)、核異型性や巨赤芽球様変化(成熟乖離)を認めます。その右側の2個は前赤芽球と思われます。
D.骨髄の顆粒球系に巨大桿状核球(→)を認めます。1時方向の正常な桿状核球と比べると大きいです。
E.骨髄の巨赤芽球は、PAS染色陰性です。

【臨床診断】
汎血球減少、大球性貧血から巨赤芽球性貧血を考え、次にDNA合成障害を疑う血清ビタミンB12、または葉酸の低値、そして胃の摘出術の有無を検索します。形態的には、過分葉核好中球や巨大桿状核球、巨赤芽球の出現、また、胃全摘や血清ビタミンB12の低値が認められたことにより、巨赤芽球性貧血と診断されました。巨赤芽球様変化は、成熟乖離現象(細胞質の成熟に伴わない核の遅延)が特徴ですが、前赤芽球や好塩基性赤芽球は、もともと核質が繊細であることからこの現象を捉えることは困難なため、多染性赤芽球や正染性赤芽球の観察を優先します。また、PAS染色では、貧血症の赤芽球は一般には陰性を呈しますが、MDSやM6の腫瘍性の場合は陽性(幼若型は顆粒状、成熟型はびまん性)になる確率が高いようです。本例のように原因が追求された場合は“巨赤芽球性の赤芽球”と表記した方が望ましく思われます。



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