2026年4月2日、桜前線がちょうど見頃を迎えた佐賀県佐賀市の三瀬(みつせ)村を知人とドライブしました。わが町・糸島から三瀬村までは約25km、車でおよそ40分ほどの距離です。11時30分頃に到着し、まずは腹ごしらえに「一乃華(いちのはな)」で瓦そばをいただきました。古民家の趣ある佇まいと山あいのロケーションが素晴らしく、心が和みます。その後は三瀬峠周辺をのんびり散策し、川沿いに咲くソメイヨシノを眺めながら、故郷を思い出すような穏やかな時間を過ごしました。
今回のお目当だった「北山の森のベーカリー ベルボアーズ(リョーユーパン)」にも立ち寄りました。店内には、自家製天然酵母や石窯で焼き上げた80~100種類ものパンが所狭しと並びます。三瀬の地下水とホシノ天然酵母を使い、時間をかけて丁寧に焼き上げられたパンはどれも魅力的で、くるみパンや栗あんぱん、かぼちゃパン、クリーム入りのパリッシュ、ブルーベリーブレッドとロデブなどがおすすめです。ついつい買いすぎてしまい、食卓で品評会を開くほどでした。
三瀬村にはほかにも、濃厚な甘みが特徴のざる寄せ豆腐や「みつせ鶏」、新鮮な高原野菜、地元産の米を使ったおはぎ、風味豊かなみつせそば、伝統のやまびこみそなど、魅力的な特産品が多くあります。
帰り道では「やさい直売所マッちゃん」に立ち寄り、赤みがかった橙色が美しい「麗紅みかん」を購入しました。帰宅後に味わってみると、果肉はずっしり詰まり、果汁も豊富で、爽やかな甘みが口いっぱいに広がります。薄皮のおかげでとても食べやすく、糖度12度以上の濃厚な風味と香りが楽しめました。特に優れたものは「はまさき」というブランド品として知られているそうです。
佐賀県三瀬村はまだまだ魅力が尽きない場所です。これからもたびたび訪れて、いろいろ探索してみたいと思います。


2026年4月号の問題. 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
| 【Q1】 | 前骨髄球にみられるゴルジ体は白くみえますが何か意味があるのでしょうか。また、ゴルジ体に含まれる成分と関係があるのでしょうか。 | |
| 【助言1】 | 前骨髄球においてゴルジ体が白く見えるのは、染色法の特性によるものです。MG染色(メイ・グリュンワルド・ギムザ染色)は主にDNAやRNAなどの核酸に親和性を示すため、RNAを多く含む粗面小胞体は強く染色されます。一方、ゴルジ体は核酸をほとんど含まないためMG染色では染色性に乏しく、細胞質内で抜けたような白色領域として観察されます。この所見は前骨髄球や形質細胞に特徴的です。また、ゴルジ体はリン脂質や糖タンパク質に富むため、これらを標的とする鍍銀染色ではゴルジ体成分に銀が沈着するため、黒色構造として観察されます。 | |
| 【Q2】 | 末梢血のMG染色で、好中球の顆粒が弱い好酸性色に染まることがあるのですが、染色工程に何か問題があるのでしょうか。 | |
| 【助言2】 | 好中球の顆粒は一般にMG染色で中性色に染まるとされますが、厳密には僅かに好酸性に傾いているようです。そのため、好中球の顆粒が弱い好酸性(淡いピンク色)に染まることがあります。これは、好中球の特殊顆粒(二次顆粒)に含まれる塩基性タンパク質が、酸性色素であるエオジンと結合することによるものであり、必ずしも染色操作の異常を示すものではありません。ただし、好酸性が過度に強い場合には、染色液のpHなどの影響を考慮する必要があります。 | |
6月号の問題は、このページの下部にある問題の「3.モヤモヤ解消ラボ:血液形態Q&A」をご覧ください。
「ワンポイントアドバイス」は「 モヤモヤ解消ラボ:血液形態Q&A」にリニューアルいたします。

形態マガジン号キャプテン 阿南 建一

「細胞同定ナビ」(新規)では、骨髄のMG染色において鑑別が必要な細胞について学びます。
「モヤモヤ解消ラボ:血液形態Q&A」(従来:ワンポイントアドバイス)では、前骨髄球や形質細胞に特徴的にみられるゴルジ体が、なぜMG染色で染まらないのか、その理由や含有物質、適した染色法について解説します。さらに、好中球が弱い好酸性に染まる理由についても説明します。
なお、2026年6月号よりコーナーを一部リニューアルし、「編集コラム」「細胞同定ナビ」「症例鑑別(記述式)」「モヤモヤ解消ラボ:血液形態Q&A」の4つの構成でお届けします。従来同様、日々の業務や学習にお役立てください。
1. 細胞同定ナビ
BM-MG.1000

BM-MG.1000


BM-MG.1000

2. 症例鑑別(記述式)
A. 50代:WBC 128×10^9/L, RBC 4.87x10^12/L, Hb 14.3g/dL, Ht 44.7%, PLT 459x10^9/L, BM-NCC 624×10^9/L
B. 40代:WBC 50.8×10^9/L, RBC 3.25×10^12/L, Hb 8.2g/dL, Ht 24.9%, PLT 97×10^9/L, BM-NCC 506×10^9/L

3. モヤモヤ解消ラボ:血液形態Q&A
Q1. 巨赤芽球性貧血ではMCVが120fLを超えることを経験しますが、110fL前後でもみられることはありますか。
Q2. VB12と鉄欠乏が発生すると、小型と大型赤血球が混在することはありますか。その場合MCVやRDW(追加)には変化が起こりますか。
【問題】 骨髄像の細胞同定を行ってください。
【解説】

A-1. 直径約16μm。N/C比は約70%で低めです。核は類円形で、クロマチンは繊細網状を呈しています。細胞質の好塩基性は弱く、辺縁に偏ってみえます。これらの所見より骨髄芽球と判定しました。
A-2. 核分裂像を認めます。細胞質は赤紫色の多染性を呈していることから、多染性赤芽球の分裂像が考えられます。
A-3.5. 直径約11μm。核は円形で、クロマチンは粗剛かつ凝集塊状を呈しています。細胞質は青紫色の多染性の色調を示しており、多染性赤芽球と判定しました。
A-4. 直径約16μm。核は不整が強く、クロマチンは繊細です。細胞質は灰青色で空胞を認めることから単球と判定しました。

B-1. 直径約13μm。核は4分節し、クロマチンは粗剛で強い凝集を認めます。細胞質は橙紅色を呈し、細かい二次顆粒を有することから、4分節の分葉核球と判定しました。
B-2.3. 直径約8~12μm。核は円形で、クロマチンは粗剛かつ凝集塊状です。細胞質は多染性の色調を示し、大きさは異なりますが多染性赤芽球としました。
B-4. 直径約14μm。核は楕円形で、クロマチンは粗剛です。細胞質は橙紅色の粗大顆粒を認めることから幼若好酸球と判定しました。
B-5. 直径14μm。核は円形で、クロマチンは粗剛です。細胞質は橙黄色を呈し、細かい二次顆粒が散見されることから骨髄球と判定しました。
B-6. 直径約13μm。核は馬蹄形(U字型)を呈し、クロマチンは粗剛で凝集状です。クロマチンの凝集性から分葉核球相当と考えられますが、核のくびれや分節が明瞭でないため桿状核球との鑑別を要する所見です。

C-1. 直径約13μm。核は分節し、クロマチンは粗剛で凝集傾向のことから分葉核球と判定しました。
C-2. 直径約13μm。核は陥凹を示し、クロマチンは粗剛です。細胞質は淡橙黄色で、顆粒はやや減少傾向です。核幅の長径と短径比が3:1未満であることから後骨髄球と判定しました。
C-3. 直径約15μm。核は円形で中央寄り、クロマチンは顆粒状を呈しています。細胞質は強い好塩基性を示し、一部に突起状所見を認めます。細胞の大きさや核の性状より好塩基性赤芽球と判定しました。
C-4. 直径約16μm。核形不整がみられ、クロマチンは比較的繊細です。細胞質は灰青色を呈していることから単球と判定しました。
C-5. 直径約15μm。クロマチンは凝縮傾向で、細胞質は青紫色を呈していることから、多染性赤芽球の核分裂像として判定しました。

D-1.5. 直径約13μm。核にはくびれや分節を認め、クロマチンは粗剛かつ凝集状であることから分葉核球と判定しました。
D-2.4. 直径約13~15μm。大きさは異なりますが、核形不整を認めクロマチンは繊細、細胞質は灰青色で一部に空胞を認めることから単球と判定しました。
D-3. 直径約6μm。核は円形で、クロマチンは粗剛かつ凝集を認めます。細胞質は多染性の色調を呈することから多染性赤芽球と判定しました。
D-6. 直径約17μm。核は円形で小型、クロマチンは粗剛です。細胞質は橙黄色で細かい二次顆粒を認めます。大型で前骨髄球の印象もありますが、核の小型化および二次顆粒の出現を認めることから、骨髄球への移行形(像)として骨髄球と判定しました。
【問題】 AとBのうち、どちらが慢性骨髄性白血病の骨髄像ですか。その理由と診断を裏付ける検査をお答えください。
A. 50代:WBC 128×109/L, RBC 4.87x1012/L, Hb 14.3g/dL, Ht 44.7%, PLT 459x109/L, BM-NCC 624×109/L
B. 40代:WBC 50.8×109/L, RBC 3.25×1012/L, Hb 8.2g/dL, Ht 24.9%, PLT 97×109/L, BM-NCC 506×109/L
【解答】 慢性骨髄性白血病(CML)は(A)です。
【解説】

A. 骨髄は有核細胞数62.4万/μLと過形成を示し、芽球の明らかな増加は認めませんでした。M/E比は47と著明な高値を示し、顆粒球系細胞の増加に伴う赤芽球系細胞の相対的減少を認めました。周囲には好塩基球(矢印)がみられ、好中球には顆粒減少(低顆粒化)を認めました。顆粒球系は成熟過程を保持したまま増加しており、芽球比率は3%であったことから、骨髄増殖性腫瘍(MPN)が疑われました。末梢血では白血球数12.8万/μLと著増し、血液像では幼若顆粒球29%、好塩基球8%(10,240/μL)を認めました。顆粒球系細胞および好塩基球の増加はCMLを強く示唆する所見であり、診断に必須となるt(9;22)(q34;q11.2)およびBCR::ABL1融合遺伝子が証明されました。末梢血および骨髄の芽球がともに10%未満であったことから、CML慢性期と診断されました。

B. 敗血症の骨髄です。顆粒球系細胞が著明に増加し、赤芽球系細胞も散見されます。顆粒球系細胞には顆粒の増加が目立ち、全般に中毒性変化を呈しています。好中球には中毒性顆粒、デーレ小体、細胞質空胞などを認め、重症感染症に伴う反応性変化を示しています。また、顆粒球系には軽度の左方移動も認めました。
|
【出題のねらい】 CMLでは、初診時に感染症などの合併がない症例では、顆粒球系細胞に顆粒減少(低顆粒化)を認めることがあり、とくに成熟好中球では細胞質顆粒が目立たない場合があります。一方、敗血症などの重症感染症では、好中球に中毒性顆粒、デーレ小体、細胞質空胞などの反応性変化を伴い、顆粒の増加が目立つ傾向があります。したがって、好中球顆粒の性状と反応性変化の有無に着目することが、両者を鑑別する重要なポイントとなります。 |
【問題】 下記のご質問をいただきましたがどのようにお答えしますか。
| Q1 | 巨赤芽球性貧血ではMCVが120fLを超えることを経験しますが、110fL前後でも存在することはありますか。 | |
| Ans. | 存在します。巨赤芽球性貧血ではMCVが120fLを超えることもありますが、110fL前後にとどまる症例も少なくありません。特に病初期や、鉄欠乏・慢性炎症など他の因子を合併している場合には、著明な大球性を示さないことがあります。そのため、貧血の診断では原因検索が重要であり、MCVはあくまで診断の手がかりの一つです。ビタミンB12や葉酸測定、末梢血塗抹標本での大球性赤血球や過分葉好中球の確認などを含め、総合的に評価する必要があります。したがって、MCV値のみで巨赤芽球性貧血を否定・確定することはできません。 | |
| Q2 | VB12と鉄欠乏が発生すると、小型と大型赤血球が混在することはありますか。その場合MCVやRDW(追加)には変化が起こりますか。 | |
| Ans. | 巨赤芽球性貧血では、ビタミンB12または葉酸欠乏によりDNA合成障害が起こり、核成熟と細胞質成熟の不均衡(核細胞質解離)をきたすことで、巨赤芽球や大型赤血球が出現します。特にビタミンB12欠乏では、葉酸代謝障害を介した機能的葉酸欠乏も関与します。一方、鉄欠乏性貧血ではヘモグロビン合成低下により、小球性低色素性赤血球が出現します。これらが併存すると、大球性赤血球と小球性赤血球が混在するため、末梢血では二峰性(dimorphic)赤血球像を呈することがあります。その結果、MCVは平均化され正常域を示す場合がありますが、どちらの病態が優勢かによって高値または低値を示すこともあります。また、赤血球大小不同が顕著となるため、RDWは上昇することが多いと考えられます。 | |
これから先のページでは、医療関係者の方々を対象に医療機器・体外診断薬等の製品に関する情報を提供しております。当社製品を適正に使用していただくことを目的としており、一部の情報では専門的な用語を使用しております。
一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、ご了承ください。
医療関係者の方は、次のページへお進みください。
(お手数ですが、「進む」ボタンのクリックをお願いします)